下馬評の低さを覆し、開幕からパリーグをリードしている東北楽天。
投手陣を強力に援護する破壊力抜群の打線が機能しているのが好調の要因ですが、そんな打線を引っ張っているのは意外にも2番打者。
2番を任されているのは来日2年目のカルロス・ペゲーロ選手。
恐怖の2番・ペゲーロ選手は今季2番打者のまま起用されるのでしょうか?
カルロス・ペゲーロの経歴・生い立ち
ペゲーロ選手は1987年2月22日生まれの歳。
ドミニカ共和国にあるエリアス・ピーニャ州の出身です。
カルロス・ペゲーロ -東北楽天ゴールデンイーグルス (2016-)
生年月日 | 1987年2月22日(歳) |
出身地 | ドミニカ共和国エリアス・ピーニャ州オンドバジェ |
身長 | 192cm |
体重 | 119kg |
ポジション | 外野手 |
投打 | 左投左打 |
初出場 | MLB / 2011年4月19日 NPB / 2016年7月26日 |
2016年成績 | 試51 率.279(183打数51安打)本10 点26 盗0 |
カルロス・ペゲーロ選手の経歴は以下の通りです。
マリナーズ時代 – ( 2005 – 2013 )
2005年19歳の時にシアトル・マリナーズと契約したことで、プロ野球選手としての人生をスタートさせました。
2011年にはメジャーデビューを飾り、メジャー初本塁打も記録しています。
年度別打撃成績 – ( 2006 – 2013 )
年度 | 階級/試合数 | 打率 | 打点 | 本塁打 | 盗塁 | 三振 |
---|---|---|---|---|---|---|
2006年(19) | RK:34 A-:25 |
.313(134打数42安打) .204(93打数19安打) |
30 9 |
7 2 |
3 0 |
49 34 |
2007年(20) | A:79 | .263(297打数78安打) | 50 | 9 | 4 | 97 |
2008年(21) | A+:92 | .299(371打数111安打) | 74 | 12 | 6 | 96 |
2009年(22) | A+:126 | .271(491打数133安打) | 98 | 31 | 3 | 172 |
2010年(23) | AA:130 |
.254(488打数124安打) | 73 | 23 | 7 | 178 |
2011年(24) | AAA:57 MLB:46 |
.317(240打数76安打) .196(143打数28安打) |
47 19 |
13 6 |
8 0 |
82 54 |
2012年(25) | AAA:76 MLB:17 |
.285(281打数80安打) .179(56打数10安打) |
54 7 |
21 2 |
2 0 |
103 28 |
2013年(26) | AAA:118 MLB:2 |
.260(454打数118安打) .333(6打数2安打) |
19 1 |
3 0 |
11 1 |
156 2 |
ロイヤルズ時代 – ( 2014 )
2014年にカンザスシティ・ロイヤルズへ移籍。
1年を通し主にAAA級での出場。
年度別打撃成績 – ( 2014 )
年度 | 試合数 | 打率 | 打点 | 本塁打 | 盗塁 | 三振 |
---|---|---|---|---|---|---|
2014年(27) | AAA:104 MLB:4 |
.266(368打数98安打) .222(9打数2安打) |
76 1 |
30 0 |
11 0 |
138 5 |
レンジャース〜レッドソックス時代 – ( 2015 )
2015年には、レンジャース〜レッドソックスと移籍。
年度別打撃成績 – ( 2015 )
年度 | 試合数 | 打率 | 打点 | 本塁打 | 盗塁 | 三振 |
---|---|---|---|---|---|---|
2015年(28) | MLB:34 | .187(75打数14安打) | 9 | 4 | 2 | 37 |
カージナルスから楽天へ – ( 2016 )
2016年は当初カージナルスでプレーしていましたがシーズン途中に東北楽天に移籍することになり入団となりました。
▲ 1年契約・推定年俸は2,500万円、入団当初の背番号は71。
楽天ペゲーロ入団会見「パワーには自信がある」
楽天の新外国人カルロス・ペゲーロ外野手(29)が26日、1軍に初合流して入団会見に臨んだ。背番号「71」のユニホーム姿を披露して「チームの勝利に貢献したい」と所信表明した。メジャー通算13発、マイナー通算179発を誇る左の大砲候補。国内デビュー戦となった23日のイースタン・リーグ日本ハム戦では、満塁弾を含むいきなりの2本塁打を放った。「パワーには自信がある。当たれば必ずボールは遠くに飛ぶ。体が大きいので守備や走塁が得意でないと思われがちだが、そんなことはない。走塁や守備にも注目してほしい」と意気込んだ。
年度別打撃成績 – (2016)
年度 | 試合数 | 打率 | 打点 | 本塁打 | 盗塁 | 四球 | 三振 | 出塁率 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2016年(29) | 51 | .279(183打数51安打) | 26 | 10 | 0 | 17 | 67 | .340 |
性格は?
そんなペゲーロ選手ですが、ドミニカ共和国出身の選手と言うと、ラテン系で陽気な印象を受けますね。
ペゲーロ選手自身は確かに明るい面もあるのですが、一人の時間を大切にしたいと思うところもあり、意外にもどこか内向的でシャイな側面もあるそうです。
カルロス・ペゲーロはどんなプレーヤー?
ペゲーロ選手を一言で言うならば左の長距離砲です。
マリナーズ時代にはイチロー選手ともプレーしており、ペゲーロ選手がホームランを放てばそのパワーに舌を巻くほどでした。
ペゲーロ選手がまだマイナーで暮らしていた頃、1Aに所属していた時期に、シーズン31本塁打を放ったことがありました。
そのくらいパンチ力には目覚ましいものがあるのですが、とにかく三振も多く、三振かホームランかといったような打撃でした。
そのことは大リーグの通算成績にも表れており、通算103試合に出場し、13本塁打を放っているものの、打率はわずか1割9分4厘。
通算56本のヒットを放っているのに対して三振は何と126。
まさに「当たれば飛ぶ」というのがペゲーロ選手の打撃だったのです。
MLB通算別打撃成績 – (2011-2015)
年度 | 試合数 | 打率 | 打点 | 本塁打 | 盗塁 | 四球 | 三振 | 出塁率 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
MLB通算:5年 | 103 | .194(289打数56安打) | 37 | 13 | 3 | 24 | 126 | .263 |
なんせ身長192センチ、体重119キロという大柄のペゲーロ選手ですから、その体型にふさわしい打球の飛ばします。
それだけに打席では力任せに振り回しているのかと思いきや、バッティングではミートを重視しているんだとか。
昨年はシーズン途中から東北楽天に移籍し、打率2割7分9厘、10本のホームランを放ちました。
シーズン途中加入の助っ人としてはまずまずの適応力を見せました。
それもミート中心の打撃が功を奏しているからなのでしょう。
2017年・楽天打線は超攻撃的打線!?
2番打者というと一般的にはバントなどの小技がうまい打者が任されがちですが、ペゲーロ選手はその2番打者像とは真逆のタイプです。
オープン戦打撃成績 – (2017)
年度 | 試合数 | 打率 | 打点 | 本塁打 | 盗塁 | 四球 | 三振 | 出塁率 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2017年(30) | 6 | .188(16打数3安打) | 0 | 0 | 0 | 4 | 9 | .350 |
それでも2番に起用したのは、池山1軍打撃コーチの進言によるものだそうです。
池山 隆寛 (いけやま たかひろ) -東北楽天ゴールデンイーグルス (2016 – )
生年月日 | 1965年12月17日(歳) |
出身地 | 兵庫県尼崎市 |
身長 | 183cm |
体重 | 75kg |
ポジション | 内野手 |
投打 | 右投右打 |
プロ入り | 尼崎市立尼崎高〜ヤクルト1983年 ドラフト2位 (1984 – 2002) |
NPB通算:19年 | 試1784 率.262(5811打数1521安打)本304 点898 盗108 |
1番の茂木栄五郎選手の出塁率が高く、そこからペゲーロ選手、ウィーラー選手、アマダー選手と並ぶ長距離砲トリオで一気に得点を奪っていく、超攻撃的上位打線を形成しています。
1番:茂木栄五郎 (もぎ えいごろう)
2番:カルロス・ペゲーロ
3番:ゼローズ・ウィーラー
4番:ジャフェット・アマダー
その中でペゲーロ選手は3割以上の打率をマークし、すでに6本塁打を放っているのです。
しかし、このまま2番で固定されるのかは分かりません。
ウィーラー選手、アマダー選手という、主軸の選手たちが目下打率が2割を切っている状況であるためです。
もちろん、この主軸が当たってくるようになれば、東北楽天打線は破壊力抜群のものになりますが、このまま低迷が続けば、ペゲーロ選手を主軸に回すことも十分にあるのではないでしょうか。
2番でも4番でもいけるのが、ペゲーロ選手の新たな特徴となりました。
だからこそ、今季は幅広い活躍を期待できるのではないでしょうか。
2017年・楽天開幕オーダー (2016年成績)
1番 | 茂木 栄五郎 | ショート | 試117 率.278(424打数118安打)本7 点40 盗11 |
2番 | ペゲーロ | ライト | 試51 率.279(183打数51安打)本10 点26 盗0 |
3番 | ウィーラー | サード | 試140 率.265(517打137安打)本27 点88 盗2 |
4番 | アマダー | 指名打者 | 試39 率.258(132打数34安打)本9 点19 盗0 |
5番 | 銀次 | セカンド | 試125 率.274(424打数116安打)本2 点43 盗1 |
6番 | 今江 年晶 | ファースト | 試89 率.281(317打数89安打)本3 点23 盗2 |
7番 | 島内 宏明 | センター | 試114 率.287(342打数98安打)本9 点41 盗10 |
8番 | 聖澤 諒 | レフト | 試94 率.294(201打数59安打)本3 点19 盗3 |
9番 | 嶋 基宏 | キャッチャー | 試80 率.271(199打数54安打)本2 点17 盗4 |
まとめ
東北楽天は巻き返しのために、埼玉西武に在籍していた岸孝之投手をFAで獲得。
投手には厚みが出てきました。
後は打線がどうかというところで、ペゲーロ選手が恐怖の2番に定着し、結果を残しています。
打線の破壊力で、首位を走っているといっても過言ではありません。
ペゲーロ選手が主砲として、恐怖の2番として安定した成績を残すようになれば、楽天の上位進出の可能性も膨らんでくるでしょう。
今までの常識にとらわれない2番打者となっているペゲーロ選手の今後の活躍が注目されます。