今季のドラフト会議で注目された高校生BIG4の一人である履正社高校の寺島成輝投手。
東京ヤクルトが単独指名に成功しました。
高校生左腕ではトップの評価となる寺島投手ですが、その評価、そして実績はいかに?
寺島成輝投手の経歴・生い立ち
寺島投手は1998年7月30日生まれで、大阪府高槻市出身です。
ご両親とお兄さん妹さんの5人家族で育ちました。
寺島 成輝(てらしま なるき)-東京ヤクルトスワローズ (2017 – )
生年月日 | 1998年7月30日(18歳) |
出身地 | 大阪府高槻市 |
身長 | 183cm |
体重 | 85kg |
ポジション | 投手 |
投打 | 左投左打 |
プロ入り | 履正社高〜2016年 ドラフト1位 |
球種 | カット・チェンジ・スライダー・カーブ・フォーク |
小学1年の時、東京・国分寺市に在住していた寺島投手は地元の少年野球チームに所属しました。
この時はまだ軟式野球でしたが、大阪に転校した小学4年の時から、硬式野球に転向しています。
中学進学後は、大阪・箕面市の箕面ボーイズに所属し、3年の時には世界少年野球大会で優勝したという経験もあります。
高校は大阪の強豪・履正社高校。
いきなり1年の夏から大阪府予選の準決勝では大阪桐蔭高校を相手に8回1失点のロングリリーフ。
このことをきっかけに、1年の秋にはすでにエースなりました。
強豪校ひしめく大阪にあって、なかなか甲子園出場はなりません。
しかし3年夏にようやくつかんだ甲子園の切符。
大阪府予選から三度の完封勝利を挙げるなど見事な快進撃。
第98回全国高校野球選手権大会 大阪府予選
回戦 | 対戦校 | 勝敗 | |
一回戦 | 関大一 | ○ | 18-1 |
二回戦 | 汎愛 | ○ | 7-0 |
三回戦 | 茨木 | ○ | 10-0 |
四回戦 | 東大阪大柏原 | ○ | 11-1 |
五回戦 | 大体大浪商 | ○ | 2-0 |
準々決勝 | 浪速 | ○ | 8-1 |
準決勝 | 桜宮 | ○ | 11-1 |
決勝 | 金光大阪 | ○ | 12-0 |
大阪府予選投手成績
試合数 | 投球回数 | 被安打 | 奪三振 | 与四死球 | 失点 | 防御率 |
---|---|---|---|---|---|---|
4試合 | 29 | 13 | 43 | 10 | 1 | 0.31 |
甲子園の大舞台でもいきなり完投勝利を挙げ、さらに最速150キロをマークするなど、プロスカウトの目を釘付けにしました。
緩急をつけたピッチングで、三振の山を築きます。
第98回全国高校野球選手権大会 (2016年)寺島投手3年生時の試合結果
回戦 | 対戦校 | 勝敗 | |
一回戦 | 高川学園(山口県) | ○ | 5-1 |
二回戦 | 横浜(神奈川県) | ○ | 5-1 |
三回戦 | 常総学院(茨城県) | ● | 4-7 |
第98回高校野球選手権 投手成績 防御率1.05
対戦校・回戦 | 投球回数 | 被安打 | 奪三振数 | 与四死球数 | 自責点 | |
---|---|---|---|---|---|---|
○高川学園 | 1回戦 | 9.0 | 2 | 11 | 2 | 0 |
○横浜 | 2回戦 | 9.0 | 6 | 4 | 4 | 1 |
●常総学院 | 3回戦 | 7.2 | 4 | 7 | 2 | 2 |
通算 | 3試合 | 25.2 | 12 | 22 | 8 | 3 |
そんな投球であれよあれよと高校球界トップクラスの左腕となり、東京ヤクルトのドラフト1位で指名するに至ったのです。
2016年 ドラフト
1位 | 寺島 成輝 | 投手 | 履正社高 |
2位 | 星 知弥 | 投手 | 明治大学 |
3位 | 梅野 雄吾 | 投手 | 九産大九産高 |
4位 | 中尾 輝 | 投手 | 名古屋経済大 |
5位 | 古賀 優大 | 捕手 | 明徳義塾高 |
6位 | 菊沢 竜佑 | 投手 | 相双リテック(軟式野球) |
高校時代の経歴・注目された訳
寺島投手が一気に注目を集めたきっかけとなったのは、やはり3年夏の地方予選そして甲子園という大舞台でのピッチングでした。
それまで大阪府下で注目されていたのは、寺島投手自身も何度となく涙を飲んだ大阪桐蔭高校。
履正社vs大阪桐蔭戦 寺島投手在籍時の試合結果
出場大会 | 対戦校 | 勝敗 | |
2014選手権大阪大会 | 準決勝 大阪桐蔭戦 | ● | 2-6 |
2015春季大阪大会 | 準決勝 大阪桐蔭戦 | ● | 4-10 |
2015選手権大阪大会 | 2回戦 大阪桐蔭戦 | ● | 1-5 |
2015秋季大阪大会 | 準決勝 大阪桐蔭戦 | ● | 1-2 |
2016春季大阪大会 | 決勝 大阪桐蔭戦 | ○ | 6-1 |
そのエース・高山優希投手でした。
高山 優希(たかやま ゆうき)-北海道日本ハム 2016年ドラフト5位
しかし高山投手が伸び悩む中で寺島投手が一気にプロのスカウトの評価を高めたのです。
いつしか作新学院高校の今井達也投手、横浜高校の藤平尚真投手、そして花咲徳栄高校の高橋昂也投手と並んで、高校生BIG4と呼ばれるようになりました。
とりわけ寺島投手は左腕になるため、より注目度が高まったのです。
かつては課題であったコントロールも改善され、今では150キロのストレートとスライダー、カーブ、カットボールと多彩な変化球を持ち、相手のタイミングを外すピッチングが持ち味です。
そういった実践的なピッチングができるところもまた、注目された理由でしょう。
2017来季の起用法は?
多くのプロのスカウトをうならせる寺島投手のピッチング。
ヤクルトのスカウト陣からは投げ方は違うが、あの石井一久投手を彷彿とさせるようだと言う高い評価がなされています。
石井 一久(いしい かずひさ)-ヤクルトスワローズ (1992 – )
生年月日 | 1973年9月9日(43歳) |
出身地 | 千葉県千葉市若葉区 |
身長 | 185cm |
体重 | 100kg |
ポジション | 投手 |
投打 | 左投左打 |
プロ入り | 東京学館浦安高〜1991年 ドラフト1位 |
日米通算:22年 | 登524 防3.80(182勝137敗1セーブ4ホールド)投2717.1 振2545 |
確かに高校生投手でありますが、今季は投手不足に泣いた東京ヤクルトだけに、即戦力として期待もされていることでしょう。
2016年 ヤクルト先発投手陣
役割 | 選手 | 防御率 | 勝 | 敗 | 投球回数 | 三振 |
先発 | 石川 雅規 | 4.47 | 8 | 8 | 116.2 | 52 |
先発 | 小川 泰弘 | 4.50 | 8 | 9 | 158.0 | 114 |
先発 | 山中 浩史 | 3.54 | 6 | 12 | 140.0 | 54 |
先発 | デイビーズ | 4.39 | 4 | 5 | 82.0 | 64 |
先発 | 成瀬 善久 | 5.60 | 3 | 2 | 72.1 | 42 |
先発 | 原 樹理 | 5.91 | 2 | 8 | 67.0 | 33 |
育成というよりもむしろ1年目からバンバン一軍で投げる、そのような起用になるのではないかと予想されます。もちろん来春の春季キャンプまたはオープン戦での出来にもよるでしょうが…
いずれにしてもルーキーイヤーから一軍デビューがありそうです。
投手力に泣いた東京ヤクルトだけに、現状では即戦力投手がほしくてしょうがない状態。
そうなると、ライバルと呼べる存在は少ないかもしれません。
ただ、寺島投手以外のBIG4と評されたメンバー。
他球団に入団することになるとはいえ、もちろん意識するでしょう。
今井 達也(いまい たつや)-埼玉西武ライオンズ 2016年ドラフト1位
藤平 尚真(ふじひら しょうま)-東北楽天イーグルス 2016年ドラフト1位
高橋 昂也(たかはし こうや)-広島東洋カープ 2016年ドラフト2位
そういった同期のライバルより一歩でも二歩でも先にいくためにも、東京ヤクルトであればチャンスは十分にあるのではないでしょうか。
まとめ
昨年の今頃まで大阪の高校生左腕といえば大阪桐蔭高校の高山優希投手でした。
しかしわずか一年でその評価を一気に逆転した寺島投手。
成長著しい左腕がプロの舞台でどのようにさらなる成長を見せていくか注目されます。
高校生投手だけに1年目からどのような起用になるのかも目が離せません。