カープの正捕手で、プロ15年目にしてゴールデングラブ賞を受賞した広島カープの石原慶幸選手。
念願だった優勝を経験しましたが、ベテランのリードで多くの勝利を演出しました。
そんな石原選手は来季も正捕手としてプレーするのでしょうか。
石原慶幸捕手の経歴・生い立ち
石原選手は1979年9月7日、岐阜県大垣市出身です。
出身高校は岐阜県下の古豪である県立岐阜商業高校。
石原 慶幸(いしはら よしゆき)-広島東洋カープ (2002 – )
生年月日 | 1979年9月7日(37歳) |
出身地 | 岐阜県安八郡墨俣町(現・大垣市) |
身長 | 177cm |
体重 | 90kg |
ポジション | 捕手 |
投打 | 右投右打 |
プロ入り | 東北福祉大学〜2001年 ドラフト4巡目 |
NPB通算:15年 | 試1450 率.239(4031打数964安打)本63 点354 盗24 |
県立岐阜商時代は高校通算で57本塁打を記録し、捕手ながらパワーのあるバッターとして注目されていました。
甲子園も1年生の夏、2年生、3年生の夏と、3年連続で出場しています。
第77回全国高校野球選手権大会 (1995年)石原選手1年生時の試合結果
回戦 | 対戦校 | 勝敗 | |
二回戦 | 星稜(石川県) | ● | 0-3 |
第78回全国高校野球選手権大会 (1996年)石原選手2年生時の試合結果
回戦 | 対戦校 | 勝敗 | |
一回戦 | 防府商(山口県) | ○ | 4-3 |
二回戦 | PL学園(大阪府) | ● | 4-11 |
第79回全国高校野球選手権大会 (1997年)石原選手3年生時の試合結果
回戦 | 対戦校 | 勝敗 | |
一回戦 | 平安(京都府) | ● | 4-8 |
大学は東北の名門・東北福祉大学。
仙台六大学野球では、当時は他の追随を許さないほど、圧倒的な強さを誇り、また現阪神の金本知憲監督など、多くの有名選手を輩出した大学です。
そんな強豪大学の正捕手として活躍し、大学3年の時にはシドニー五輪の日本代表候補にも選ばれました。
パンチ力ある打撃と、強肩、 そしてリードセンスは当時の大学球界でもナンバーワンと評されるほどで、プロから熱い視線を注がれました。
そして2001年のドラフト4位でカープが指名し、入団することになったのです。
2001年 ドラフト
1巡目 | 大竹 寛 | 投手 | 浦和学院高 |
3巡目 | 大島 崇行 | 投手 | 山梨学院大学附属高 |
4巡目 | 石原 慶幸 | 捕手 | 東北福祉大学 |
5巡目 | 山本 翔 | 捕手 | 東筑高 |
6巡目 | 国木 剛太 | 投手 | 上宮高 |
7巡目 | 山本 芳彦 | 投手 | 和歌山工業高 |
8巡目 | 筒井 正也 | 投手 | ヤマハ |
9巡目 | 天谷 宗一郎 | 外野手 | 福井商業高 |
10巡目 | 天野 浩一 | 投手 | 四国学院大学 |
1年目から、シーズン終盤には1軍で出場し、長くカープの正捕手として活 躍しています。
そんな石原選手は2012年にグラビアアイドルの八幡えつこさんと結婚しました。
八幡 えつこ(やわた えつこ)-元イエローキャブ
生年月日 | 1979年10月8日(37歳) |
出身地 | 栃木県 |
身長 | 163cm |
血液型 | AB型 |
所属事務所 | イエローキャブ~RUF(2005年芸能界引退) |
当時33歳、プロ野球選手としては晩婚でした。
お子さんも 1人いらっしゃるようですが、公表はされていません。
プロ入り後の活躍は?
1年目こそ5試合の出場にとどまった石原選手でしたが、2年目の2003年、当時正捕手だった西山秀二選手の年齢的な衰えもあり、一気に正捕手に近づく116試合に出場しました。
西山 秀二(にしやま しゅうじ)-広島東洋カープ (1987 – 2004)
生年月日 | 1967年7月7日(49歳) |
出身地 | 大阪府八尾市 |
身長 | 174cm |
体重 | 86kg |
ポジション | 捕手 |
投打 | 右投右打 |
プロ入り | 上宮高〜1985年 ドラフト4位 |
プロ通算成績 | 試1216 率.242(2958打数716安打)本50 点282 盗36 |
2004年からは開幕でもスタメン出場を飾り、ついに正捕手の座をつかんだのです。
打撃でも規定打席に到達し、6本塁打、打率.288と「打てる捕手」へと成長を遂げました。
その後、今季限りで現役を引退した倉義和選手との正捕手争いもあり、一時はその座を明け渡した時期もありました。
それでも正捕手を取り戻し、今季にいたるまで長きに渡ってカープの正捕手としてプレーしてきました。
倉 義和(くら よしかず)-広島東洋カープ (1998 – 2016)
生年月日 | 1975年7月27日(41歳) |
出身地 | 京都府京都市山科区 |
身長 | 179cm |
体重 | 90kg |
ポジション | 捕手 |
投打 | 右投右打 |
プロ入り | 京都産業大〜1997年 ドラフト5巡目 |
プロ通算成績 | 試719 率.217(1564打数339安打)本23 点126 盗6 |
石原慶幸vs倉義和 出場バトル
年度 | 石原慶幸 | 倉義和 |
---|---|---|
1998年 | – | 6 |
1999年 | – | 15 |
2000年 | – | 20 |
2001年 | – | 35 |
2002年 | 5 | 13 |
2003年 | 116 | 4 |
2004年 | 135 | 24 |
2005年 | 74 | 109 |
2006年 | 85 | 84 |
2007年 | 89 | 82 |
2008年 | 123 | 48 |
2009年 | 124 | 43 |
2010年 | 122 | 45 |
2011年 | 110 | 55 |
2012年 | 77 | 70 |
2013年 | 121 | 39 |
2014年 | 80 | 26 |
2015年 | 83 | 1 |
2016年 | 106 | 0 |
計 | 1450 | 719 |
石原選手のキャッチング技術やリード力は、投手陣からの信頼も絶大です。
とりわけ外国人投手からは絶大な信頼を集めており、今季15勝を挙げたジョンソン投手からも、石原選手その存在の大きさに関して感謝の気持ちを持っていることが語られました。
ところで、今季、石原選手で話題になったのが「インチキプレー」とまで呼ばれたプレーです。
7月27日、京セラドーム大阪で行われた巨人戦の5回表。
1アウト満塁の場面で、石原選手はセカンドランナーでした。
この場面で田中広輔選手の当たりはセカンドゴロ。
2塁へ送球し、1塁走者がアウトとなり、さらにファーストへ送球されましたが、ゲッツー崩れとなりました。
この当たりに慌ててセカンドに戻った石原選手は、本来は1塁走者がセカンドでアウトになり、自身はまだ生きていたにもかかわらず、まるでアウトになったかのように、残念そうにうつむきながら、トボトボと3塁へ。
周りは誰もがアウトになってベンチに引き上げるんだと思っていたら、実は3塁を狙い、しかもセーフとなりました。
演技力もピカイチで、これはインチキではなく、「トリックプレー」。とっさの判断力にも優れているのが石原選手なのです。
NPB年度別打撃成績
2001年(22歳) ドラフト4巡目 契約金:1億円
年度 | 試合数 | 打率 | 打点 | 本塁打 | 盗塁 | 年俸 |
---|---|---|---|---|---|---|
2002年(23) | 5 | .300 | 0 | 0 | 0 | 1300万 |
2003年(24) | 116 | .213 | 21 | 4 | 0 | 1300万 |
2004年(25) | 135 | .288 | 35 | 6 | 0 | 2300万 |
2005年(26) | 74 | .241 | 12 | 2 | 0 | 3300万 |
2006年(27) | 85 | .221 | 11 | 3 | 2 | 2800万 |
2007年(28) | 89 | .281 | 15 | 3 | 2 | 2400万 |
2008年(29) | 123 | .265 | 50 | 9 | 6 | 2800万 |
2009年(30) | 124 | .206 | 37 | 10 | 2 | 5000万 |
2010年(31) | 122 | .263 | 41 | 8 | 4 | 5500万 |
2011年(32) | 110 | .201 | 27 | 4 | 2 | 8000万 |
2012年(33) | 77 | .240 | 22 | 1 | 0 | 8000万 |
2013年(34) | 121 | .248 | 35 | 7 | 0 | 8000万 |
2014年(35) | 80 | .192 | 19 | 4 | 1 | 1億0000万 |
2015年(36) | 83 | .241 | 12 | 2 | 1 | 1億0000万 |
2016年(37) | 106 | .202 | 17 | 0 | 4 | 1億0000万 |
プロ通算:15年 | 1450 | .239 | 354 | 63 | 24 |
タイトル・表彰
ゴールデングラブ賞 | 1回 (捕手部門:2016年) |
最優秀バッテリー賞 | 3回 (2010年、2013年、2016年) |
月間サヨナラ賞 | 2回 (2012年7月、2013年9月) |
初のゴールデングラブ賞!来季もまただま健在?
プロ15年目にして初めてのゴールデングラブ賞を受賞した石原選手。
今季のカープの優勝に大きく貢献した選手の1人です。
とりわけ石原選手とバッテリーを 組むことが多かったジョンソン投手、野村祐輔投手、黒田博樹投手は3人とも揃って2ケタ勝利を挙げています。
バッテリーを組む機会が多い投手は、揃って勝ち星も多いと言うのは、やはり石原選手のリードによるところが大きいのでしょう。
沢村賞を受賞したジョンソン投手も、受賞できたのは石原選手のおかげと言う程、投手陣の信頼は絶大!
しかも首脳陣からもそのリードは厚い信頼を受けており、ここ一番の試合こそ、石原選手を捕手に据えることも多くありました。
カープの歴代捕手の中でも、とりわけ内角を積極的に使うタイプで、攻撃的な側面もある捕手と言えるでしょう。
しかし、石原選手はもう今年37歳。
大ベテランの域に入ってきました。
もちろん引退も2文字もちらつく年齢ですが、新井貴浩選手もまだ現役を続行していくだけに、まだまだ現役として、正捕手としてプレーする意志は強い石原選手。
2番手以降を見ていくと、会沢翼選手、磯村嘉孝選手といったところが挙げられま すが、経験値不足。
會澤 翼(あいざわ つばさ)-広島東洋カープ (2007 – )
磯村 嘉孝(いそむら よしたか)-広島東洋カープ (2011 – )
まだ石原選手の後継というには程遠いというのが現実です。
後継者を育成していくことも、カープにとって大きな課題でもあります。
2016広島捕手
選手 | 試合数 | 打率 | 安打 | 本塁打 | 打点 | 盗塁 |
---|---|---|---|---|---|---|
石原 慶幸 | 106 | .202 | 243/49 | 0 | 17 | 4 |
會澤 翼 | 83 | .239 | 197/47 | 7 | 26 | 1 |
磯村 嘉孝 | 24 | .161 | 31/5 | 0 | 2 | 0 |
まとめ
来季もまだまだベテランのリードが必要なカープ。
もちろん石原選手自身も、セリーグ制覇は経験しましたが、日本一を逃した悔しさがあるでしょうし、日本一 になりたいと言う気持ちも強いことでしょう。
現役生活もけして長くはない年齢になりましたが、まだまだカープの正捕手として活躍するのではないでしょう か。