かつての北海道日本ハムの4番であり、2010年には打点王も獲得した小谷野栄一選手。
意気揚々とオリックスへFA移籍してから、早3年目のシーズン。
しかし、ここまで目立った活躍がないままとなっています。
今年37歳を迎えるベテランですが、このまま引退となってしまうのか、それとも復活するのか。
2017年は勝負の年となります。
小谷野栄一選手の経歴・生い立ち
小谷野栄一選手は1980年10月10日生まれ、東京都江東区出身です。
リトルシニアリーグ時代にはあの松坂大輔投手とチームメイトでもありました。
小谷野 栄一(こやの えいいち) -オリックス・バファローズ (2015 – )
生年月日 | 1980年10月10日(歳) |
出身地 | 東京都江東区 |
身長 | 177cm |
体重 | 88kg |
ポジション | 内野手 |
投打 | 右投右打 |
プロ入り | 創価大学〜2002年 日本ハムドラフト5巡目 |
2016年成績 | 試50 率.249(177打44安打)本4 点13 盗1 |
創価高校時代 – (1996 – 1999)
創価高校進学後は創価打線のクリーンナップを担い、98年の春のセンバツ大会出場の原動力となりました。
▲ 打者)創価高校、小谷野 栄一選手・投手)PL学園、上重聡投手
自身は、セカンド3番で出場しましたが4打数ノーヒット。
PL学園・エース上重聡投手(現・日テレアナウンサー)に完封負けを喫しています。
第70回選抜高校野球大会 (1998年)創価・小谷野選手3年生時の試合結果
回戦 | 対戦校 | 勝敗 | |
二回戦 | PL学園(大阪) | ● | 0-9 |
創価大学時代 – (1999 – 2003)
その後、創価大学に進学し1年の秋にはレギュラーを獲得。
大学時代は打率でもハイアベレージを残し、勝負強い打撃も披露。
今でもプロ野球で活躍する、当時青山学院大学に在籍していた東京ヤクルト・石川雅規投手や早稲田大学で現在福岡ソフトバンク・和田毅投手らとも対戦。
▲ 石川雅規投手(青山学院)・和田毅投手(早稲田大学)
両投手ともに攻略するなど、当時から左投手に強いという持ち味を発揮していました。
早稲田大学時代 打撃成績
年度 | 試合 | 打率 | 打点 | ベストナイン | 最多打点 |
99春~02秋 | – | .343 | 53 | 4回 | 2 |
ドラフト会議 – (2002)
広角に打ち分けることができる打撃センスで注目を集め2002年のドラフト5位で北海道日本ハムが指名し、入団に至りました。
ドラフト指名選手
1巡目 | 尾崎 匡哉 | 内野手 | 報徳学園高 |
3巡目 | 鎌倉 健 | 投手 | 川之江高 |
4巡目 | 武田 久 | 投手 | 日本通運 |
5巡目 | 小谷 野栄一 | 内野手 | 創価大学 |
6巡目 | 紺田 敏正 | 外野手 | 国士舘大学 |
7巡目 | 池田 剛基 | 内野手 | 鵡川高 |
8巡目 | 鶴岡 慎也 | 捕手 | 三菱重工横浜硬式野球クラブ |
ご家族は?
ちなみに小谷野選手はすでに結婚されています。
奥さんはモデルの山内麻美さん。
山内 麻美(やまうち あさみ) – ファッションモデル・タレント
生年月日 | 1984年8月30日(歳) |
出身地 | 東京都足立区 |
身長 | 167cm |
スリーサイズ | 82 – 59 – 89 cm |
靴のサイズ | 24 cm |
血液型 | O型 |
事務所 | ジーアールプロモーション |
とびっきり美人の奥さんですでに娘さんも一人いらっしゃいます。
小谷野栄一選手の全盛期は?
下積み時代 – (2003 – 2006)
即戦力と期待されて入団するも、なかなか1軍に定着できない年が続きました。
ファームでは1年目から結果を残しています。
イースタン・リーグ 年度別打撃成績 -2003〜2006年
年度 | 試合数 | 打率 | 打点 | 本塁打 | 盗塁 | 三振 | 長打率 | 出塁率 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2003年(23) | 93 | .330(366打数111安打) | 56 | 14 | 2 | 68 | .497 | .357 |
2004年(24) | – | – | – | – | – | – | – | – |
2005年(25) | 33 | .352(91打数32安打) | 24 | 3 | 0 | 17 | .549 | .415 |
2006年(26) | 42 | .295(122打数36安打) | 20 | 5 | 1 | 15 | .516 | .351 |
年度別打撃成績 -2003〜2006年
2002年(22歳) 日本ハムドラフト5巡目 契約金4300万円
年度 | 試合数 | 打率 | 打点 | 本塁打 | 盗塁 | 犠打 | 三振 | 年俸 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2003年(23) | 4 | .125(8打数1安打) | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 1000万 |
2004年(24) | 18 | .091(33打数3安打) | 2 | 0 | 0 | 1 | 9 | 910万 |
2005年(25) | 48 | .232(95打数22安打) | 15 | 3 | 1 | 1 | 26 | 930万 |
2006年(26) | 17 | .143(21打数3安打) | 1 | 0 | 0 | 3 | 6 | 1200万 |
レギュラー時代 – (2007 – 2014)
それでも徐々に台頭し入団5年目の2007年に自身最多の113試合に出場。
ようやく1軍の戦力に育ってきました。
2009年にはプロ入り初の2ケタ本塁打となるシーズン11本塁打を放つだけでなく、82打点を挙げる勝負強さも発揮。
サードの守備でも安定したところを見せ、自身初のゴールデングラブ賞も受賞しました。
その中でも小谷野選手が最も輝いたのが2010年のこと。
その年、自身初の全試合出場を果たすだけでなく、シーズンのほとんどで4番打者を務め、チームの打線の顔といえる存在となりました。
その年の8月には月間MVPも受賞し、また109打点をマークして、自身初のタイトルも獲得て今す。
日本ハム打線 (2010年度)
1番 | 田中 賢介 | セカンド | 試143 率.335(576打数193安打)本5 点54 盗34 |
2番 | 森本 稀哲 | レフト | 試118 率.272(408打数111安打)本2 点30 盗10 |
3番 | 稲葉 篤紀 | ライト | 試137 率.287(530打数152安打)本16 点79 盗3 |
4番 | 小谷野 栄一 | サード | 試144 率.311(569打数177安打)本16 点109 盗8 |
5番 | 糸井 嘉男 | センター | 試138 率.309(488打数151安打)本15 点64 盗26 |
6番 | 二岡 智宏 | 指名打者 | 試103 率.262(328打数86安打)本7 点47 盗0 |
7番 | 髙橋 信二 | ファースト | 試70 率.242(244打数59安打)本3 点31 盗0 |
8番 | 鶴岡 慎也 | キャッチャー | 試108 率.236(254打数60安打)本3 点26 盗0 |
9番 | 金子 誠 | ショート | 試77 率.261(264打数69安打)本5 点34 盗2 |
この2010年はベストナイン、そして2年連続のゴールデングラブ賞も受賞するなど、キャリアハイの成績を収めました。
年度別打撃成績 -2007〜2014年
年度 | 試合数 | 打率 | 打点 | 本塁打 | 盗塁 | 犠打 | 三振 | 年俸 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2007年(27) | 113 | .253(364打数92安打) | 37 | 5 | 5 | 10 | 57 | 980万 |
2008年(28) | 120 | .251(379打数95安打) | 60 | 6 | 0 | 9 | 83 | 2700万 |
2009年(29) | 138 | .296(530打数157安打) | 82 | 11 | 7 | 16 | 95 | 3600万 |
2010年(30) | 144 | .311(569打数177安打) | 109 | 16 | 8 | 6 | 87 | 8600万 |
2011年(31) | 129 | .237(473打数112安打) | 47 | 5 | 1 | 6 | 90 | 1億4600万 |
2012年(32) | 134 | .228(478打数109安打) | 39 | 3 | 6 | 40 | 72 | 1億1500万 |
2013年(33) | 139 | .275(512打数141安打) | 46 | 3 | 2 | 8 | 77 | 1億0500万 |
2014年(34) | 84 | .296(243打数72安打) | 29 | 4 | 0 | 5 | 40 | 7000万 |
パンチ力があり、右方向にもはじき返すことができ、そして勝負強さも兼ね備えた打撃も魅力ですが、過去に3度ゴールデングラブ賞を受賞していることからも分かるように、守備力の高さにも定評があります。
タイトル・表彰
最多打点 | 1回 (2010年[注 1]) |
ベストナイン | 1回 (三塁手部門:2010年) |
ゴールデングラブ賞 | 3回 (三塁手部門:2009年、2010年、2012年) |
月間MVP | 1回 (野手部門:2010年8月) |
札幌ドームMVP | 1回 (野球部門:2010年) |
日本シリーズ優秀選手賞 | 1回 (2009年) |
2006年パニック障害発症
そんな小谷野選手ですが、パニック障害を持っていることも知られています。
極度のストレスから頭痛やめまい、嘔吐などを引き起こすもので、小谷野選手の場合、打席に立つことに対して恐怖感を抱き、それがパニック障害に繋がってしまいました。
そもそも、周囲は誰もが「真面目な選手」と評します。
その真面目さがパニック障害を引き起こしているのでしょう。
しかし、それを周りからのアドバイスなどに支えられながら克服し、プロの世界で挑戦し続けているのです。
小谷野栄一に襲った突然の症状
小谷野栄一選手がパニック障害になったのは2006年の頃で、その時はまだ2軍の選手だった。ある日の2軍の試合で打席に立とうとした小谷野栄一選手は、突然吐いてしまいました。呼吸もどんどん苦しくなり「パニック」になっていくという恐ろしい体験をしてしまい、小谷野栄一選手は、それから徐々に2軍の試合にも出られないようになっていった。小谷野栄一選手は、日に日に悪化していき、ついに練習にも参加できなくなり寮にこもる日々が続きました。当時、2軍のコーチだった福良淳一は、小谷野栄一にこう言葉をかけた。「何回タイムかけてもいい。何回吐いてもいい。何回倒れてもいい。打席に立つまでに何分かけてもいい。なんだったら、バットを振らなくてもいい。だから、とにかく打席に立て。まずはそこから始めようやないか。どうせみんな日本シリーズに(気が)行ってしまっているし、誰も観てないから。」これは、多少無理させても、小谷野栄一選手を打席に立たせ続けて慣れさせようとする「荒療治」だった。小谷野栄一選手は「眠れない・食べれない・打席に立つ時に吐き気・めまいがする」という状況が続いたが、1ヶ月に渡り2軍の試合に出続け大活躍をしました。結果が出たことが自信となった小谷野選手は、徐々にパニック障害を克服(完治はしていない)していったのです。
2017年は復活なるか?
2014年オリックスへFA移籍
▲ 2014年オフ海外フリーエージェント権を行使。オリックスへ3年契約3億円での移籍。
年度別打撃成績 -2015〜2016年
年度 | 試合数 | 打率 | 打点 | 本塁打 | 盗塁 | 犠打 | 三振 | 年俸 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2015年(35) | 56 | .295(183打数54安打) | 22 | 4 | 0 | 5 | 22 | 7000万 |
2016年(36) | 50 | .249(177打数44安打) | 13 | 4 | 1 | 8 | 30 | 7000万 |
NPB通算:14年 | 1194 | .266(4065打数1082安打) | 502 | 64 | 31 | 118 | 695 | 7000万 |
オリックスに移籍して2年が経過しますが、いまだに満足のいく結果を残せてはいません。
北海道日本ハム時代はサードの名手として、そして勝負強い打撃で打点王にも輝いたことがある豊富な実績を持っているのですが、非常に厳しい状況に追い込まれています。
小谷野選手が主に守っているサードでは、中島裕之選手を中心に大城滉二選手の起用も目立ちます。
中島 裕之(なかじま ひろゆき) – オリックス・バファローズ (2015 – )
生年月日 | 1982年7月31日(歳) |
出身地 | 兵庫県伊丹市 |
身長 | 180cm |
体重 | 90kg |
ポジション | 内野手 |
投打 | 右投右打 |
プロ入り | 伊丹北〜2000年 西武ドラフト5位 |
2016年成績 | 試96(三塁:40) 率.290(314打91安打)本8 点47 盗1 |
大城 滉二(おおしろ こうじ) – オリックス・バファローズ (2016 – )
生年月日 | 1993年6月14日(歳) |
出身地 | 沖縄県豊見城村(現:豊見城市) |
身長 | 175cm |
体重 | 72kg |
ポジション | 内野手 |
投打 | 右投右打 |
プロ入り | 立教大学〜2015年 オリックスドラフト3位 |
2016年成績 | 試64(三塁:36) 率.224(161打36安打)本0 点7 盗1 |
また右のパワーヒッターである奥浪鏡選手ら若手の台頭も目立ちます。
奥浪 鏡(おくなみ きょう) – オリックス・バファローズ (2014 – )
生年月日 | 1995年8月29日(歳) |
出身地 | 広島県呉市 |
身長 | 176cm |
体重 | 100kg |
ポジション | 内野手 |
投打 | 右投右打 |
プロ入り | 創志学園高〜2013年 オリックスドラフト6位 |
2016年成績 | 試15(三塁:4) 率.265(34打9安打)本0 点1 盗1 |
それゆえにサードに関してはライバルも非常に多く、チーム最年長の小谷野選手にとってはよほどアピールしない限り、レギュラー奪還は難しいかもしれません。
サードにこだわらずファーストなど、別のポジションのレギュラーも視野に入れていくことが必要かもしれません。
オリックス打線 (2016年度)
1番 | 西野 真弘 | セカンド | 試143 率.264(538打数142安打)本2 点33 盗16 |
2番 | 安達 了一 | ショート | 試118 率.273(403打数110安打)本1 点34 盗6 |
3番 | 糸井 嘉男 | ライト | 試143 率.306(532打数163安打)本17 点70 盗53 |
4番 | T-岡田 | レフト | 試123 率.284(454打数129安打)本20 点76 盗5 |
5番 | 中島 裕之 | サード | 試96 率.290(314打数91安打)本8 点47 盗1 |
6番 | モレル | ファースト | 試94 率.244(308打数75安打)本8 点38 盗2 |
7番 | 吉田 正尚 | 指名打者 | 試63 率.290(231打数67安打)本10 点34 盗0 |
8番 | 若月 健矢 | キャッチャー | 試85 率.227(229打数52安打)本0 点20 盗0 |
9番 | 駿太 | センター | 試105 率.192(214打数41安打)本1 点9 盗3 |
まとめ
チーム年長でレギュラーの確証がないという厳しい状況にある小谷野選手。
FA移籍して3年目を迎える今季、正念場の状況にあります。
パニック障害や故障などを乗り越えてここまで来たプロ野球生活だけに、今回のピンチを克服できるのか、そしてもう一花咲かすことができるのか注目されます。