昨季のルーキー・平沢大河選手。
千葉ロッテ期待のショートストップは、高卒ルーキーながら1年目から1軍で23試合に出場しました。
それだけ球団の期待が大きな「未完の大器」でもあります。
高校時代からその素質が注目されてきただけに、果たして2年目の今季、期待の平沢選手はブレイク出来るでしょうか。
平沢大河選手の経歴・生い立ち
平沢大河選手は1997年12月24日、クリスマスイブ生まれで宮城県多賀城市出身です。
いまどき珍しい4人兄弟の次男です。
小学1年の時から地元のチームで硬式野球を始め、中学ではシニアリーグに所属しました。
平沢 大河(ひらさわ たいが) -千葉ロッテマリーンズ (2016 – )
生年月日 | 1997年12月24日(19歳) |
出身地 | 宮城県多賀城市 |
身長 | 176cm |
体重 | 76kg |
ポジション | 内野手 |
投打 | 右投左打 |
プロ入り | 仙台育英〜2015年 ロッテドラフト1位 |
2016年成績 | 試26 率.149(47打7安打)本0 点3 盗0 |
仙台育英高校時代 – (2013 – 2016 )
高校は地元の名門・仙台育英高校に進学し、1年の秋には早くもショートのレギュラーを奪いました。
2年の秋には神宮大会で2本塁打を放つなど優勝に大きく貢献します。
第45回記念 明治神宮野球大会 (2014年)仙台育英・平沢選手2年生時
回戦 | 対戦校 | 勝敗 | |
準々決勝 | 天理(奈良) | ○ | 6-1 |
準決勝 | 九州学院(熊本) | ○ | 8-0 |
決勝 | 浦和学院(埼玉) | ○ | 4-1 |
3年時には春・夏ともに甲子園に出場しました。
第87回選抜高校野球大会 (2015年)仙台育英・平沢選手3年生時
回戦 | 対戦校 | 勝敗 | |
一回戦 | 神村学園(鹿児島) | ○ | 12-0 |
二回戦 | 敦賀気比(福井) | ● | 1-2 |
特に3年夏の甲子園では決勝戦まで進出。
第97回全国高校野球選手権大会 (2015年)仙台育英・平沢選手3年生時
回戦 | 対戦校 | 勝敗 | |
一回戦 | 明豊(大分) | ○ | 12-1 |
二回戦 | 滝川二(兵庫) | ○ | 7-1 |
三回戦 | 花巻東(岩手) | ○ | 4-3 |
準々決勝 | 秋田商(秋田) | ○ | 6-3 |
準決勝 | 早稲田実(東京) | ○ | 7-0 |
決勝 | 東海大相模(神奈川) | ● | 6-10 |
打率はけして高くはなかったものの、3本の本塁打を放つなど、自慢のスイングと長打力をいかんなく見せ付けました。
甲子園打者成績
試合 | 打率 | 安打 | 本塁打 | 打点 | 三振 | 盗塁 | 出塁率 | 長打率 |
15春/2 | .222 | 9/2 | 0 | 1 | 1 | 0 | .300 | .222 |
15夏/6 | .240 | 25/6 | 3 | 6 | 5 | 1 | .321 | .680 |
合計/8 | .235 | 34/8 | 3 | 7 | 6 | 1 | .316 | .559 |
夏の大会後、U-18ベースボールワールドカップに日本代表として出場。
主に三番打者として準優勝に大きく貢献、ベストナインに選ばれます。
U-18ワールドカップ
試合 | 打率 | 安打 | 本塁打 | 打点 | 三振 | 盗塁 | 出塁率 | 長打率 |
U-18/9 | .258 | 31/8 | 0 | 10 | 5 | 1 | .324 | .355 |
高校時代には、昨年のドラフトの注目株であった創価大学の田中正義投手からライト前にヒットを放っており、トップクラスの投手を相手にしても力負けしない打撃が魅力です。
そんな打撃力、俊足と守備力が評価され、千葉ロッテがドラフト1位で指名し、入団する運びとなりました。
ドラフト会議 – (2015)
▲ 東北楽天と競合の末、千葉ロッテ伊東監督クジを引き当て平沢選手の交渉権を獲得!
ドラフト指名選手
1位 | 平沢 大河 | 内野手 | 仙台育英学園高 |
2位 | 関谷 亮太 | 投手 | JR東日本 |
3位 | 成田 翔 | 投手 | 秋田商業高 |
4位 | 東條 大樹 | 投手 | JR東日本 |
5位 | 原 嵩 | 投手 | 専修大学松戸高 |
6位 | 信樂 晃史 | 投手 | 宮崎梅田学園 |
7位 | 高野 圭佑 | 投手 | JR西日本 |
▲ 契約金9000万円、年俸1200万円で契約。右)母・恵さん。左)父・正幸さん
一流OBから大絶賛の逸材!2016年はどうだった?
そんな平沢大河選手は高卒ルーキーながら、ルーキーイヤーの5月には初の1軍昇格を果たしました。
自慢の打撃を1軍の舞台で見せ付けることがなかなか出来ず、早くもプロの壁にぶち当たり、初打席から23打席もの間、ノーヒットという状況が続きました。
その間に、2軍降格や1軍昇格を繰り返しましたが、それでも起用されたのは首脳陣、球団の期待の表れなのでしょう。
2016年シーズンは、終わってみれば47打数7安打、打率.149という成績に終わりました。
年度別打撃成績 -2016年
2015年(18歳) ロッテドラフト1位 契約金9000万円
年度 | 試合数 | 打率 | 打点 | 本塁打 | 盗塁 | 犠打 | 三振 | 年俸 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2016年(19) | 23 | .149(47打数7安打) | 3 | 0 | 0 | 0 | 18 | 1200万 |
2軍でも打率.212と苦しみましたが、7本塁打を放ち、長打力のあるところはアピールしました。
イースタン・リーグ 年度別打撃成績 -2016年
年度 | 試合数 | 打率 | 打点 | 本塁打 | 盗塁 | 三振 | 長打率 | 出塁率 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2016年(19) | 83 | .221(273打数58安打) | 34 | 7 | 1 | 87 | .344 | .308 |
そんな平沢選手を高評価する野球人は非常に多くいます。
一流のプロ野球OBからも、
立浪 和義 氏
「平沢君は2年~3年でショートのレギュラーを獲得できる。」
「巨人に行った(かつて立浪の後継者と言われた元中日)吉川とは、ちょっと格が違う」
仁志 敏久 氏
「守備が堅実で送球が素晴らしい」
「打撃も自分のスタイルを持っている」
前田 智徳 氏
「走攻守の全てレベルが高い」
「甲子園でも活躍しスター性も兼ね備えている」
「現時点で自分の打撃技術を越えてる」
古田 敦也 氏
「大舞台でも落ち着いてプレイできている」
「上手くいけば立浪や鳥谷の様なタイプの選手になれる」
星野 仙一 氏
「(阪神の)鳥谷を越えちゃうな」
「リーダーシップもありそう」
野村 克也 氏
「ドラフト1位なら平沢君。これは取り合いになる」
「60年プロを見てきたけど、こんなにスイングスピードが速いのはいない」
「欠点がないのが欠点」
とその素質に大絶賛。
1年目は思うような結果が残せなかったかもしれませんが、2年目以降が注目される選手なのは間違いなさそうです。
2017年覚醒は期待出来るか?
昨シーズンはイースタンリーグでもショートのレギュラーとして積極的に起用され、一軍に昇格した際もショートでの起用が中心でした。
球団としても数年後のショートのレギュラーとして大きな期待をしているということでしょう。
では今季、すぐさまショートのレギュラーとして定着できるかといえば、そう甘くはありません。
昨シーズン千葉ロッテのショートと言えば、鈴木大地選手を中心に起用されていました。
鈴木 大地(すずき だいち) -千葉ロッテマリーンズ (2012 – )
生年月日 | 1989年8月18日(27歳) |
出身地 | 静岡県駿東郡小山町 |
身長 | 175cm |
体重 | 79kg |
ポジション | 内野手 |
投打 | 右投左打 |
プロ入り | 東洋大学〜2011年 ロッテドラフト3位 |
2016年成績 | 試143(遊:107) 率.285(501打143安打)本6 点61 盗3 |
平沢選手にとってはまずはこの鈴木大地選手という壁を越えなければなりません。
もしそのライバルを押しのけてショートのレギュラーに定着することができれば、新人王の可能性も十分に高まってきます。
千葉ロッテ打線 (2016年度)
1番 | 岡田 幸文 | センター | 試121 率.275(327打数90安打)本0 点18 盗14 |
2番 | 細谷 圭 | ファースト | 試116 率.275(371打数102安打)本3 点40 盗9 |
3番 | 角中 勝也 | レフト | 試143 率.339(525打数178安打)本8 点69 盗12 |
4番 | デスパイネ | 指名打者 | 試134 率.280(496打数139安打)本24 点92 盗0 |
5番 | ナバーロ | セカンド | 試82 率.217(286打数62安打)本10 点44 盗0 |
6番 | 鈴木 大地 | ショート | 試143 率.285(501打数143安打)本6 点61 盗3 |
7番 | 清田 育宏 | ライト | 試106 率.225(365打数82安打)本6 点38 盗5 |
8番 | 田村 龍弘 | キャッチャー | 試130 率.256(371打数95安打)本2 点38 盗6 |
9番 | 中村 奨吾 | サード | 試108 率.201(278打数56安打)本6 点25 盗4 |
昨シーズンの打席数が53。
前年までの通算打席が60を下回っていることが新人王の条件であり、2年目であっても新人王の条件を満たしています。
新人王の資格
・海外のプロ野球リーグに参加した経験がない選手 |
・初めて支配下登録を受けてから5年以内の選手 |
・前年までの出場が・・・30イニング以内(投手)/60打席以内(野手) |
多くのルーキーが注目される中、平沢選手も新人王の有力候補なのです。
まとめ
多くのプロ野球OBも注目する平沢選手の素質。
大きな可能性を秘めた選手であることは間違いありません。
プロ野球の雰囲気にも慣れてきた2年目の今季、本来の持ち味を存分に発揮できるでしょうか。
新人王の可能性もあるだけに、今シーズン注目の若手選手です。