高校時代は105キロあった巨体であったことから、「島根のジャイアン」という異名もあった白根尚貴選手。
紆余曲折の末、現在は横浜DeNAに在籍している白根選手ですが、持ち前のパワーを活かした打撃で、果たして2017年ブレイクするでしょうか?
白根尚貴選手の経歴・生い立ち
白根尚貴選手は1993年4月28日生まれ、島根県松江市出身です。
小学3年の時に地元の少年野球チームに入部したのが野球を始めたきっかけでした。
中学ではシニアリーグに所属し、西日本大会で優勝した経験もあります。
白根 尚貴(しらね なおき) -横浜DeNAベイスターズ (2016 – )
生年月日 | 1993年4月28日(23歳) |
出身地 | 島根県松江市 |
身長 | 185cm |
体重 | 85kg |
ポジション | 内野手 |
投打 | 右投右打 |
プロ入り | 開星高〜2011年 ソフトバンクドラフト4位 |
2016年成績 | 試3 率.000(4打0安打)本0 点0 盗1 |
島根・開星高時代 – ( 2009 – 2012 )
高校は島根の強豪・開星高に進学。
1年の秋には早くもエースの座につき、2年のときは春夏連続で甲子園に出場しました。
第82回選抜高校野球大会 -白根投手2年時投手成績 (2010 )
回戦・対戦校 | 投球回数 | 被安打 | 奪三振数 | 与四死球数 | 自責点 | |||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
一回戦 | 向陽(和歌山) | ● | 1-2 | 8.0 | 3 | 9 | 6 | 1 |
第92回全国高校野球選手権大会 -白根投手2年時投手成績 (2010 )
回戦・対戦校 | 投球回数 | 被安打 | 奪三振数 | 与四死球数 | 自責点 | |||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
一回戦 | 仙台育英(宮城) | ● | 5-6 | 9.0 | 11 | 4 | 10 | 3 |
3年の夏にも甲子園に出場し、惜しくも2回戦で敗退。
第93回全国高校野球選手権大会 -白根投手3年時投手成績 (2011 )
回戦・対戦校 | 投球回数 | 被安打 | 奪三振数 | 与四死球数 | 自責点 | |||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
一回戦 | 柳井学園(山口) | ○ | 5-0 | 9.0 | 3 | 8 | 1 | 0 |
二回戦 | 日大三(東京) | ● | 8-11 | 4.2 | 7 | 4 | 7 | 5 |
10春夏・11夏通算 | 4試合(防御率:2.64) | – | – | 30.2 | 24 | 25 | 24 | 9 |
それでも1回戦では完封勝利、2回戦では相手のエースから4安打を放つという、投打にわたる大活躍を見せました。
甲子園通算打者成績
年度 | 試合 | 打率 | 安打 | 本塁打 | 打点 | 盗塁 |
10春夏・11夏 | 4 | .647 | 17/11 | 1 | 6 | 0 |
186cm 90キロという巨体から繰り出される速球は最速149キロ。
しかも遠投120m という強肩で、その上、高校通算40本塁打というパンチ力。
主な高校生強打者の通算本塁打
名前 | 通算 | 経歴 |
筒香 嘉智 | 69(甲-3) | 横浜高-横浜 |
中村 晃 | 60(甲-2) | 帝京-ソフトバンク |
大谷 翔平 | 56 | 花巻東-日本ハム |
藤嶋 健人 | 49 | 東邦-中日 |
白根 尚貴 | 40(甲-1) | 開星-ソフトバンク-DeNA |
坂本 勇人 | 39 | 光星学院-巨人 |
オコエ 瑠偉 | 36(甲-1) | 関東一-楽天 |
チームの主力として、投打にわたって超高校級クラスだったことが評価されて、2011年のドラフト会議で福岡ソフトバンクが4位で指名し、入団することになったのです。
ドラフト会議 – (2011 )
ドラフト指名選手
1位 | 武田 翔太 | 投手 | 宮崎日本大学高 |
2位 | 吉本 祥二 | 投手 | 足立学園高 |
3位 | 塚田 正義 | 内野手 | 白鴎大学 |
4位 | 白根 尚貴 | 内野手 | 開星高 |
5位 | 嘉弥真 新也 | 投手 | JX-ENEOS |
▲ (左)母みゆきさん(右)山崎賢一スカウト。契約金4,000万円、年俸500万円、背番号は55。
プロ入り後は、苦難の連続!
ルーキーイヤー – 福岡ソフトバンクホークス (2012 )
プロに入った2012年、いきなり右肘を痛め、春季キャンプ中の2月にトミージョン手術を受けました。
手術後の2012年シーズンはリハビリに明け暮れることになりました。
このリハビリが白根選手にとっては想像以上に厳しいものになったようです。
高校時代は105キロまであった 体重が78キロまで落ち込みました。
ルーキーイヤーの白根選手は入団当初とはまるで別人のようになったのです。
結局2012年のルーキーイヤーは、実戦への出場機会はありませんでした。
ソフトバンク在籍時 – (2013 – 2015 )
2年目には3軍の試合でようやくデビューを飾ったものの、今度は7月に右肩を亜脱臼。
度重なる故障に泣かされ、野手に転向したものの、3年目のオフに育成選手契約となってしまいました。
白根選手の中では育成選手はプロ野球選手とは言えないという認識があったようです。
ウエスタン・リーグ 年度別打撃成績 -2012〜2015年
2011年(18歳) ソフトバンクドラフト4位 契約金4000万円
年度 | 試合数 | 打率 | 打点 | 本塁打 | 盗塁 | 三振 | 長打率 | 年俸 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2012年(19) | – | – | – | – | – | – | – | 500万 |
2013年(20) | 2 | .000(1打数0安打) | 0 | 0 | 0 | 1 | .000 | 490万 |
2014年(21) | 7 | .000(7打数0安打) | 0 | 0 | 0 | 3 | .000 | 480万 |
2015年(22) | 59 | .274(179打数49安打) | 14 | 3 | 0 | 31 | .369 | 470万 |
2015年オフに新たに翌年の育成選手契約を結ぼうとしたソフトバンクの申し入れを断り、支配下選手登録を目指してトライアウトを受けるという道を選択しました。
トライアウトでは持ち味の長打力をフルに発揮してアピールした結果、横浜DeNAが支配下選手登録という形で契約するという意向を示し、入団する運びとなりました。
白根尚貴選手 コメント
ホークスの育成契約を断ってトライアウトを受け、この度、横浜DeNAベイスターズに入団することになりました。DeNAベイスターズについては、ユニフォームがかっこよく、明るいチームだという印象がありました。新たなチームで野球をできることが嬉しいです。
昨年、育成選手としてスタートした時、育成選手はプロ野球選手ではないという思いがありました。自分からチームを出るというのは普通考えられないこととは思いましたが、いずれその時が来るのなら、自分の意志で動いた方がいいと思い、自分のプライドがこの行動へと向かわせました。
力強い打撃、特に、追い込まれても逆方向に打てるというのがセールスポイントだと思っています。春のキャンプからしっかりアピールして、早く1軍の打席に立ち、チームの勝利に貢献できるように頑張ります。
横浜DeNA在籍時 – (2016 )
昨シーズンは開幕からイースタンリーグで結果を残したことを受けて、4月には念願の1軍昇格を勝ち取り、スタメン出場も果たしました。
1軍ではわずか3試合、4打席のみの出場で無安打に終わりましたが、2軍ではリーグ最多安打を放つなど今シーズンに向けて期待される選手です。
年度別打撃成績 -2016年
年度 | 試合数 | 打率 | 打点 | 本塁打 | 盗塁 | 三振 | 長打率 | 年俸 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2016年(23) | 3 | .000(4打数0安打) | 0 | 0 | 0 | 1 | .000 | 450万▶︎ 510万 |
イースタン・リーグ 年度別打撃成績 -2016年
年度 | 試合数 | 打率 | 打点 | 本塁打 | 盗塁 | 三振 | 長打率 | 出塁率 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2016年(23) | 120 | .269(438打数118安打 | 58 | 10 | 3 | 85 | .390 | .326 |
レギューラー奪取は期待出来るか?
昨シーズンの白根選手のイースタンリーグでの起用を振り返ってみると、7割以上で守備位置はファーストでした。
主にファースト、時おりサードを守るといったところ。
そのポジションは1軍ではどうかといえば、ファーストはロペス選手がレギュラーとして定着。
ホセ・ロペス -横浜DeNAベイスターズ (2015 – )
生年月日 | 1983年11月24日(33歳) |
出身地 | ベネズエラ・アンソアテギ州バルセロナ |
身長 | 183cm |
体重 | 103kg |
ポジション | 内野手 |
投打 | 右投右打 |
出場 | NPB / 2013年3月29日 |
2016年成績 | 試123(一塁:122) 率.263(483打127安打)本34 点95 盗0 |
サードは白崎浩之選手や山下幸輝選手、宮崎敏郎選手らが中心となっているものの、これといって固定された選手がいないのが現状です。
白崎 浩之(しらさき ひろゆき) -横浜DeNAベイスターズ (2013 – )
生年月日 | 1990年8月20日(26歳) |
出身地 | 北海道岩見沢市 |
身長 | 184cm |
体重 | 89kg |
ポジション | 内野手 |
投打 | 右投右打 |
プロ入り | 駒澤大学〜2012年 横浜ドラフト1位 |
2016年成績 | 試92(三塁:78) 率.207(203打42安打)本6 点12 盗0 |
山下 幸輝(やました こうき) -横浜DeNAベイスターズ (2015 – )
生年月日 | 1993年1月31日(23歳) |
出身地 | 千葉県君津市 |
身長 | 173cm |
体重 | 72kg |
ポジション | 内野手 |
投打 | 右投右打 |
プロ入り | 國學院大學〜2014年 横浜ドラフト5位 |
2016年成績 | 試62(三塁:10) 率.230(98打22安打)本0 点7 盗3 |
宮﨑 敏郎(みやざき としろう) -横浜DeNAベイスターズ (2013 – )
生年月日 | 1988年12月12日(28歳) |
出身地 | 佐賀県唐津市 |
身長 | 172cm |
体重 | 85kg |
ポジション | 内野手 |
投打 | 右投右打 |
プロ入り | セガサミー〜2012年 横浜ドラフト6位 |
2016年成績 | 試101(三塁:29) 率.291(302打88安打)本11 点36 盗0 |
1軍定着を狙うのであれば、ここに挙げた選手は当然ライバルとなってくるでしょうし、ポジション争いに加わるならば、ファーストよりもサードということになりそうです。
とりわけサードは打力が要求されるポジションでもあります。
DeNA打線 (2016年度)
1番 | 桑原 将志 | センター | 試133 率.252(462打数131安打)本11 点49 盗19 |
2番 | 石川 雄洋 | セカンド | 試95 率.294(297打数62安打)本2 点14 盗6 |
3番 | 梶谷 隆幸 | ライト | 試107 率.274(396打数108安打)本18 点56 盗26 |
4番 | 筒香 嘉智 | レフト | 試133 率.322(469打数151安打)本44 点110 盗0 |
5番 | ロペス | ファースト | 試123 率.263(483打数127安打)本34 点95 盗0 |
6番 | 倉本 寿彦 | ショート | 試141 率.294(534打数157安打)本1 点38 盗2 |
7番 | 宮﨑 敏郎 | サード | 試101 率.291(302打数88安打)本11 点36 盗0 |
8番 | 戸柱 恭孝 | キャッチャー | 試124 率.265(367打数83安打)本2 点23 盗0 |
9番 | 山口 俊 | ピッチャー | 登19 防2.86(11勝5敗)投138.2 振121 |
白崎選手、山下幸選手、宮崎選手とどれをとっても、飛びぬけて打撃でアピールしているという印象はありません。
白根選手が1軍でも打撃でアピールできれば、サードのポジション奪還は十分にありえるでしょう。
まとめ
ここまでのプロ野球生活は、波乱万丈だった白根選手。
育成契約を蹴ってまで、あえて茨の道を選び、見事支配下登録を勝ち取り、1軍デビューも果たした昨年。
苦しかった時期を乗り越えて、ようやく晴れの舞台が見えてきました。後はそこに定着できるかどうかです。
自慢のパンチ力でアピール出来れば、いよいよスターダムへの道も開けそうです。