昨年、千葉ロッテの4番を打ち、24本塁打をマークした主砲デスパイネがチームを去りました。
上位躍進を狙うためには、打線の強化は欠かせません。
長打力のある4番候補の助っ人として期待されるのがジミー・パラデス選手。
強打のスイッチヒッターですが、果たしてその実力は?
千葉ロッテ ジミー・パラデスのプロフィール
ジミー・パラデス選手はドミニカ共和国出身で、1988年11月25日に生まれました。
現在歳です。
身長191センチの長身選手ですが、スイッチヒッターという特徴を持っています。
ジミー・パラデス -千葉ロッテマリーンズ (2017 – )
生年月日 | 1988年11月25日(歳) |
出身地 | ドミニカ共和国サン・クリストバル州 |
身長 | 191cm |
体重 | 91kg |
ポジション | 内・外野手 |
投打 | 右投両打 |
MLB初出場 | 2011年8月1日 |
MLB通算:6年 | 試332 率.251(951打数239安打)本20 点100 盗19 |
来日した際、パラデス選手は日本のバラエティー番組から取材を受け、新しい野球がやりたかったと好奇心に満ち溢れているようです。
ドミニカ共和国出身の28歳、内外野をこなすスイッチヒッター
ロッテの新外国人選手、前フィリーズのジミー・パラデス内野手が27日、成田着の日航機で来日した。
メジャー通算6年で20本塁打を放った同選手は、昨季限りで退団したデスパイネの後釜として4番を打つことを期待されている。空港で会見に臨み、「自分の出来ることを100%出したい」と意欲満々に宣言した。ドミニカ共和国出身で、三塁、二塁のほか外野もこなすスイッチヒッター。ヤンキースと契約した後にトレードでアストロズへ移籍。メジャーデビュー後はロイヤルズ、オリオールズなど5球団を渡り歩いた。昨年はフィリーズとブルージェイズで合計83試合に出場、5本塁打、打率.222の成績を残している。
初来日だと言う28歳は「違いは時差だけで、同じ野球」と話し、左右の指にはめている2つのチャンピオンズリングを披露。「(MLB)アメリカンリーグとドミニカリーグの(優勝リング)なので、ロッテで3つ目を」と、チーム7年ぶりの日本一を狙う。
空港ロビーでは、テレビ東京の人気番組「Youは何しに日本へ?」のインタビューを受けるハプニングにも遭遇。「新しい野球をやりたかった。日本のいろいろな所へ行ってみたい。楽しみは鉄板焼き」と嬉しそうに答えていた。
パラデスはどんな選手?野球経歴は?
ヤンキース傘下時代 – ( 2007 – 2010 )
2006 年にニューヨーク・ヤンキースに入団。
ルーキー級ドミニカン・サマーリーグ・ヤンキースでプロデビュー。
暫くはマイナー生活が続きます。
マイナー年度別打撃成績 – ( 2007 – 2010 )
年度 | マイナーリーグ階級 | 試合数 | 打率 | 本塁打 | 打点 | 盗塁 |
---|---|---|---|---|---|---|
2007年(19) | ルーキー級 | – | – | – | – | – |
2008年(20) | ルーキー級 | 47 | .280(161打数45安打) | 1 | 16 | 6 |
2009年(21) | A-級 | 54 | .302(205打数62安打) | 2 | 17 | 23 |
2010年(22) | A級 | 133 | .287(551打数158安打) | 8 | 65 | 50 |
アストロズ時代 – ( 2011 – 2013 )
2010年7月にアストロズに移籍。
2011年、アストロズ在籍時代に初めてメジャーに昇格します。
この年、メジャー初本塁打をマークするなど、46試合に出場し、打率.286、18打点というまずまずのスタートを切りました。
MLB年度別打撃成績 – ( 2011 – 2013 )
年度 | 試合数 | 打率 | 打点 | 本塁打 | 盗塁 | 犠打 | 三振 | 出塁率 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2011年(23) | 46 | .286(168打数48安打) | 18 | 2 | 5 | 1 | 47 | .320 |
2012年(24) | 24 | .189(74打数14安打) | 3 | 0 | 2 | 0 | 21 | .244 |
2013年(25) | 48 | .192(125打数24安打) | 10 | 1 | 4 | 1 | 44 | .231 |
その後も、メジャーとマイナーを行ったりきたりする年が続きます。
2013年オフにマーリンズに移籍。
マイナー年度別打撃成績 – ( 2011 – 2013 )
年度 | マイナーリーグ階級 | 試合数 | 打率 | 本塁打 | 打点 | 盗塁 |
---|---|---|---|---|---|---|
2011年(19) | AA級 | 93 | .270(385打数104安打) | 10 | 41 | 29 |
2012年(20) | AAA級 | 124 | .318(507打数161安打) | 13 | 59 | 37 |
2013年(21) | AAA級 | 86 | .287(327打数94安打) | 8 | 37 | 16 |
ロイヤルズ時代 – ( 2014 )
しかし、翌年早々にはロイヤルズに移籍し、何とわずか2か後にオリオールズに移籍します。
オリオールズ時代 – ( 2014 – 2015 )
シーズンを通して、最もメジャーで出場機会が多かったのは、オリオールズ時代の2015年のこと。
大リーグで104試合に出場し、打率.275、10本塁 打、42打点とキャリアハイの成績を残しました。
MLB年度別打撃成績 – ( 2014 – 2015 )
年度 | 試合数 | 打率 | 打点 | 本塁打 | 盗塁 | 犠打 | 三振 | 出塁率 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2014年(26) | 27 | .286(63打数18安打) | 8 | 2 | 4 | 0 | 16 | .308 |
2015年(27) | 104 | .275(363打数100安打) | 42 | 10 | 4 | 0 | 111 | .310 |
マイナー年度別打撃成績 – ( 2014 – 2015 )
年度 | マイナーリーグ階級 | 試合数 | 打率 | 本塁打 | 打点 | 盗塁 |
---|---|---|---|---|---|---|
2014年(26) | AAA級 | 97 | .289(401打数116安打) | 8 | 59 | 21 |
2015年(27) | AA級 | 1 | .250(4打数1安打) | 0 | 1 | 0 |
ブルージェイズ〜フィリーズ時代 – ( 2016 )
翌年にはトレードでブルージェイズ、フィリーズと移籍。
大リーグには良くありがちな移籍ラッシュ。
この年メジャーでは通算83試合に出場しましたが、相次ぐ移籍があったからか、打率は.222に終わりました。
MLB年度別打撃成績 – ( 2016 )
年度 | 試合数 | 打率 | 打点 | 本塁打 | 盗塁 | 三振 | 出塁率 | 長打率 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2016年(28) | 83 | .222(158打数35安打) | 19 | 5 | 0 | 48 | .255 | .367 |
MLB通算:6年 | 332 | .251(951打数239安打) | 100 | 20 | 19 | 287 | .287 | .369 |
千葉ロッテマリーンズへ移籍 – ( 2017 )
2017年からロッテでプレーすることになりました。
▲ 入団会見:マット・ダフィー内野手とジミー・パラデス内野手
プレースタイル
パラデス選手の魅力はスイッチヒッターということですが、メジャーでは通算20本塁打を放っています。
右打席ではわずか1本にとどまっています。
しかも、本塁打数も決して長打力があるわけではなく、三振も多いのが特徴です。
スイッチヒッターといえども、右打席は苦手にしているようで、さらに荒削りで、四球を選ばず、振りに行く姿勢が強いというのも弱点とも言える特徴でしょう。
期待される役割は?
千葉ロッテは昨年24本塁打を放った主砲のデスパイネ選手がチームを去りました。
▲ 2016年成績:試134 率.280(496打数139安打)本24 点92 盗0
長打力不足になる打線の起爆剤として、球団としてはパラデス選手を4番候補として期待しています。
しかも相手投手が左ピッチャーだろうが右ピッチャーだろうが、そういったことに捉われる事なく起用することができるスイッチヒッターであるというのも大きなメリットです。
しかしパラデス選手がデスパイネ選手に代わるチームの主砲となれるかは疑問視されます。
というのもパラデス選手はそもそも三振が多いバッターです。
または 四球の数が少なく選球眼には弱点があると考えられます。
丁寧にコーナーを突くピッチャーが多い日本野球ではその弱点がさらにクローズアップされる可能性もあります。
またシーズン最多本塁打は3Aでの15本。
デスパイネ選手並みのパワーがあるかどうかと言えば微妙なところです。
メジャー・マイナー通算打撃成績
所属 | 試合数 | 打率 | 打点 | 本塁打 | 盗塁 | 四球 | 三振 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
マイナー通算 | 654 | .292(2609打数762安打) | 303 | 52 | 185 | 131 | 540 |
AAA通算 | 315 | .301(1262打数380安打) | 158 | 30 | 76 | 69 | 285 |
MBL通算 | 332 | .251(951打数239安打) | 100 | 20 | 19 | 49 | 287 |
パラデス選手が主に守っているサードに関して言えば、昨年千葉ロッテで最も多くサードを守った中村奨吾選手やサードも守れる新外国人のダフィー選手らがライバルとなるでしょう。
中村 奨吾(なかむら しょうご) -千葉ロッテマリーンズ (2015 – )
生年月日 | 1992年5月28日(歳) |
出身地 | 兵庫県三木市 |
身長 | 180cm |
体重 | 79kg |
ポジション | 内野手 |
投打 | 右投右打 |
プロ入り | 早稲田大学〜2014年 ロッテドラフト1位 |
2016年成績 | 試108 率.201(278打数56安打)本6 点25 盗4 |
マット・ダフィー -千葉ロッテマリーンズ (2017 – )
生年月日 | 1989年2月6日(歳) |
出身地 | 静岡県駿東郡小山町 |
身長 | 191cm |
体重 | 98kg |
ポジション | 内野手 |
投打 | 右投右打 |
MLB初出場 | 2016年4月9日 |
MLB通算:2年 | 試11 率.273(11打3安打)本0 点3 盗0 |
ただ、パラデス選手にはサード以外にもセカンドやショート、外野を守れるユーティリティ性もあります。
どのポジションも守備力が高いわけではありませんが、守備力を補って余りある打撃力が日本の野球に適応することができれば、貴重な戦力になる可能性もあります。
ただこれまでのメジャーでの成績を振り返ると、弱点もあるがゆえに、いきなり4番というのは難しいかなという印象を受けるのは確かです。
千葉ロッテ打線 (2016年度)
1番 | 岡田 幸文 | センター | 試121 率.275(327打数90安打)本0 点18 盗14 |
2番 | 細谷 圭 | ファースト | 試116 率.275(371打数102安打)本3 点40 盗9 |
3番 | 角中 勝也 | レフト | 試143 率.339(525打数178安打)本8 点69 盗12 |
4番 | デスパイネ(退団) | 指名打者 | 試134 率.280(496打数139安打)本24 点92 盗0 |
5番 | ナバーロ(退団) | セカンド | 試82 率.217(286打数62安打)本10 点44 盗0 |
6番 | 鈴木 大地 | ショート | 試143 率.285(501打数143安打)本6 点61 盗3 |
7番 | 清田 育宏 | ライト | 試106 率.225(365打数82安打)本6 点38 盗5 |
8番 | 田村 龍弘 | キャッチャー | 試130 率.256(371打数95安打)本2 点38 盗6 |
9番 | 中村 奨吾 | サード | 試108 率.201(278打数56安打)本6 点25 盗4 |
まとめ
千葉ロッテの上位巻き返しのためには長打力ある打者の補強は必須です。
メジャーでの実績も豊富なパラデス選手。
ユーティリティプレイヤー+スイッチヒッターという一見すれば器用な選手であるという印象を受けるものの、どれをとっても荒削り。
果たして日本の野球界に馴染むことができるかどうかという不安要素はつきまといます。
そうは言っても千葉ロッテが満を持して獲得した期待の選手。
好奇心旺盛なその性格で、日本野球に適応することができるか注目です。