WBC侍ジャパンに招集されていた東北楽天・嶋基宏選手。
プロ野球の選手会長として・・・
そしてチームの守りの要として・・・
絶大な信頼を得ていた捕手が、右ふくらはぎの痛みによりWBC開催直前で代表を辞退することになりました。
まさかのピンチに陥った侍ジャパン。
そこで代役として白羽の矢が立った炭谷銀仁朗は果たして侍ジャパンで活躍できるでしょうか?
WBC嶋の代役追加招集!いきなり正捕手か?
捕手の人材難が叫ばれている近年のプロ野球。
実績・実力を兼ね備えた嶋選手にかかる期待は大きかったものの、突然のWBC辞退となり代役として選ばれたのは埼玉西武の正捕手・炭谷銀仁朗選手。
炭谷 銀仁朗(すみたに ぎんじろう)-埼玉西武ライオンズ (2006 – )
生年月日 | 1987年7月19日(歳) |
出身地 | 京都府京都市左京区 |
身長 | 180cm |
体重 | 93kg |
ポジション | 捕手 |
投打 | 右投右打 |
プロ入り | 平安高〜2005年西武・高校生ドラフト1巡目 |
2016年成績 | 試117 率.218(294打64安打)本1 点22 盗0 |
2017年WBC日本代表の捕手は巨人・小林誠司選手。
小林 誠司(こばやし せいじ)27歳 – 読売ジャイアンツ (2014 – )
北海道日本ハム・大野奨太選手が代表入りしていますが、守備面、そして大舞台での経験という面では不安視されています。
大野 奨太(おおの しょうた)30歳 -北海道日本ハムファイターズ (2009-)
嶋選手の辞退という日本のピンチですが、2013年にWBC出場の経験があり、守備力・リード面では定評のある炭谷選手の加入はチームにとっては心強いでしょう。
WBC打撃成績 – ( 2013 )
年度 | 試合数 | 打率 | 打点 | 本塁打 | 盗塁 | 三振 | OPS |
---|---|---|---|---|---|---|---|
2013年(25) | 3 | .000(3打数0安打) | 0 | 0 | 0 | 1 | .000 |
侍ジャパン代表歴
2012年 | 侍ジャパンマッチ「日本代表 VS キューバ」 |
2013年 | 第三回ワールド・ベースボール・クラシック BASEBALL CHALLENGE 日本 VS チャイニーズ・タイペイ |
2015年 | WBSCプレミア12 日本代表 |
2017年 | 侍ジャパン強化試合 日本 vs チャイニーズタイペイ 第四回ワールド・ベースボール・クラシック |
経験豊富な炭谷選手に、侍ジャパン正捕手としての期待も高まります。
ちなみに、炭谷選手は2016年昨シーズン、埼玉西武の正捕手として117試合に出場。
打率.218、1本塁打という残念な打撃成績を残しています。
打撃面ではその貢献度は低いものの、守備面では投手からの信頼は絶大で、2012年、2015年と2度のゴールデングラブ賞にも輝いています。
タイトル・表彰
ベストナイン | 1回 (2015年) |
ゴールデングラブ賞 | 2回 (2012年、2015年) |
最優秀バッテリー賞 | 1回 (2009年、投手:涌井秀章) |
JA全農Go・Go賞 | 1回 (最多盗塁阻止賞:2012年7月) |
炭谷銀仁朗の経歴・生い立ち
そんな炭谷選手は1987年7月19日、京都市左京区出身です。
小学校から野球を始め、中学までは捕手だけでなく、投手も務めていました。
小学生時代には水泳もしており、ジュニアオリンピックに出場した経験もあるほどの実績があります。
このときの水泳が今の強肩にも生きているようです。
平安高校時代 – ( 2003 – 2006 )
高校は京都の古豪・平安高校(現在の龍谷大平安高校)。
パンチ力のある捕手として注目された炭谷選手は、満塁なのに敬遠された経験があるほど。
強肩、強打の捕手として名を馳せ、高校通算48本塁打を放っています。
主な高校生強打者の通算本塁打
名前 | 通算 | 経歴 |
筒香 嘉智 | 69(甲-3) | 横浜高-横浜 |
中村 晃 | 60(甲-2) | 帝京-ソフトバンク |
大谷 翔平 | 56 | 花巻東-日本ハム |
岡田 貴弘(T-岡田) | 55 | 履正社-オリックス |
丸 佳浩 | 49 | 千葉経大付-広島 |
炭谷 銀仁朗 | 48 | 平安-西武 |
栗山 巧 | 47 | 育英-西武 |
3年夏は、京都大会準決勝まで勝ち上がりますが、その年に甲子園準優勝した京都外大西に2-3で惜敗。
残念ながら高校3年間で甲子園に出場することは出来ませんでした。
第87回選手権京都大会 -炭谷選手 平安高3年時 ( 2005 )
回戦 | 対戦校 | 勝敗 | |
一回戦 | 花園 | ○ | 8-1 |
二回戦 | 立命館宇治 | ○ | 4-3 |
三回戦 | 北嵯峨 | ○ | 6-2 |
四回戦 | 紫野 | ○ | 12-2 |
準々決勝 | 久御山 | ○ | 8-1 |
準決勝 | 京都外大西 | ● | 2-3 |
ドラフト会議 – ( 2005 )
ドラフトでは強肩強打の捕手として注目され、埼玉西武が2005年の高校生ドラフト1位で指名し、入団しました。
高校生ドラフト指名選手 – (埼玉西武ライオンズ )
1巡目 | 炭谷 銀仁朗 | 捕手 | 平安高 |
3巡目 | 田沢 由哉 | 投手 | 旭川大学高 |
4巡目 | 田中 靖洋 | 投手 | 加賀高 |
結婚はしている?
そんな炭谷選手は私生活ではパチンコ好きだとか。
そして2012年8月に一般女性の方と結婚されています。
身長168cmのスレンダーな美人だとか。
その後、お子さんも生まれており、今ではパパでもあるのです。
炭谷銀仁朗選手・プロ入り後の実績は?
ルーキーイヤー〜下積み時代 – ( 2006 -2010 )
炭谷選手は高卒1年目にもかかわらず、開幕1軍メンバーに入り。
しかも開幕戦でスタメンを飾りました。
高卒ルーキー捕手が開幕戦スタメンは、なんとプロ野球では51年ぶりの快挙!
西武・正捕手細川亨選手を押しのけ開幕スタメンとは、当時から期待の若手捕手だった事がうかがえます。
年度別打撃成績 – ( 2006 -2010 )
2005年(18歳)ドラフト1巡目 契約金7000万円
年度 | 試合数 | 打率 | 打点 | 本塁打 | 盗塁 | 三振 | 年俸 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
2006年(19) | 54 | .181(138打数25安打) | 14 | 3 | 0 | 33 | 700万 |
2007年(20) | 28 | .174(50打数8安打) | 7 | 1 | 0 | 19 | 1200万 |
2008年(21) | 46 | .125(68打数8安打) | 5 | 0 | 0 | 30 | 1200万 |
2009年(22) | 112 | .220(306打数60安打) | 25 | 3 | 1 | 75 | 1600万 |
2010年(23) | 1 | .000(1打数0安打) | 0 | 0 | 0 | 0 | 2500万 |
レギュラー獲得後 – ( 2011 -2016 )
そんな炭谷選手は捕手としてのキャッチング、リード力に優れており、2012年、2015年と2度のゴールデングラブ賞に輝いています。
2012年には盗塁阻止率.416で、パリーグトップの数字を残しました。
2014年には同じく盗塁阻止率は.444というハイアベレージを記録。
抜群の強肩でセカンドへの送球が1秒9という素早さ。
相手の盗塁を次々と刺し、リード面でも高い評価を得ています。
やはり守備面では、抜群の成績をおさめていますね。
年度別守備成績 – ( 2011 -2016 )
年度 | 捕手 | ||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
試合 | 刺殺 | 補殺 | 失策 | 併殺 | 守備率 | 捕逸 | 盗塁刺 | 阻止率 | |
2011年(24) | 122 | 679 | 69 | 9 | 10 | .988 | 6 | 24 | .286 |
2012年(25) | 138 | 734 | 90 | 3 | 15 | .996 | 5 | 42 | .416 |
2013年(26) | 140 | 907 | 69 | 7 | 6 | .993 | 5 | 15 | .246 |
2014年(27) | 125 | 734 | 88 | 6 | 14 | .993 | 6 | 44 | .444 |
2015年(28) | 133 | 792 | 78 | 3 | 13 | .997 | 5 | 30 | .361 |
通算:11年 | 896 | 5034 | 517 | 35 | 79 | .994 | 42 | 203 | .355 |
打撃面
打つ方はというと、高校時代はパンチ力ある打撃が魅力でしたがプロ入り後その打撃は今ひとつ・・・
毎年課題に挙げられ、「打てる捕手」の存在に、正捕手の座を脅かされることもしばしば。
2016年は打率.218をマークしましたが、これでも炭谷選手の過去の打撃成績から見れば、まずまずとったところです。
2012年は守備ではゴールデングラブ賞を受賞しましたが、打率は.194と2割を割り込み、本塁打もゼロにおわっています。
それほどまでに打撃は課題が大きいのですが、その残念な打撃面を守備力で大きくカバーしているのが特徴です。
年度別打撃成績 – ( 2011 -2016 )
年度 | 試合数 | 打率 | 打点 | 本塁打 | 盗塁 | 三振 | 年俸 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
2011年(24) | 122 | .218(317打数69安打) | 22 | 2 | 4 | 79 | 2000万 |
2012年(25) | 139 | .194(360打数70安打) | 23 | 0 | 0 | 74 | 3200万 |
2013年(26) | 141 | .215(413打数89安打) | 43 | 5 | 1 | 62 | 5700万 |
2014年(27) | 125 | .202(381打数77安打) | 36 | 7 | 0 | 74 | 7700万 |
2015年(28) | 133 | .211(399打数84安打) | 35 | 4 | 0 | 87 | 9000万 |
2016年(29) | 117 | .218(294打数64安打) | 22 | 1 | 0 | 48 | 1億0000万 |
通算:11年 | 1018 | .206(2686打数554安打) | 232 | 26 | 6 | 581 | 1億0000万 |
まとめ
炭谷選手の過去の成績を見ても、あまり打撃面では期待できないでしょう。
ただ、嶋選手に代わって侍ジャパンに選ばれたということは、
「前WBCの出場経験値」
「高卒1年目から1軍舞台でマスクをかぶり続けているという実績」
「リード力、そして抜群の強肩の守備力」
以上のプロ野球界捕手に不足しているものを多く持っているということを買われての事でしょう。
嶋選手が離脱したことは確かに痛いのですが、リーダーシップを取れる選手は他にもいます。
プロ野球界屈指の名捕手としてWBCでは是非活躍してほしいですね!