昨シーズンを終了して、プロ通算20年で1932本のヒットを積み重ねてきた千葉ロッテ・福浦和也選手。
昨年末に41歳となったベテランが、2000本安打まで今季68本に迫っています。
これまでの福浦選手の成績を振り返ってみましょう。
ロッテ・福浦和也の生い立ち
福浦選手は1975年12月14日生まれ、千葉県習志野市出身の現在歳の大ベテラン。
福浦 和也(ふくうら かずや)-千葉ロッテマリーンズ (1994 – )
生年月日 | 1975年12月14日(歳) |
出身地 | 千葉県習志野市 |
身長 | 183cm |
体重 | 88kg |
ポジション | 内野手 |
投打 | 左投左打 |
プロ入り | 習志野高〜ロッテ1993年 ドラフト7位 |
NPB通算:20年 | 試2082 率.288(6720打1932安打)本117 点906 盗10 |
現在の現役プロ野球選手を誕生日順に並べれると中日の岩瀬仁紀投手、千葉ロッテ・井口資仁選手、東北楽天・松井稼頭央選手に次いで、4番目の年齢となります。
プロ野球選手年齢ランキング
順位 | 選手 | 球団 | 年齢 | 生年月日 | 年数 | 守備 |
1 | 岩瀬 仁紀 | 中日 | 歳 | 1974/11/10 | 19年 | 投手 |
2 | 井口 資仁 | ロッテ | 歳 | 1974/12/04 | 17年 | 内野手 |
3 | 松井 稼頭央 | 楽天 | 歳 | 1975/10/23 | 17年 | 外野手 |
4 | 福浦 和也 | ロッテ | 歳 | 1975/12/14 | 24年 | 内野手 |
5 | 相川 亮二 | 巨人 | 歳 | 1976/07/11 | 23年 | 捕手 |
6 | 新井 貴浩 | 広島 | 歳 | 1977/01/30 | 19年 | 内野手 |
7 | 福留 孝介 | 阪神 |
歳 | 1977/04/26 | 14年 | 外野手 |
8 | 荒木 雅博 | 中日 | 歳 | 1977/09/13 | 22年 | 内野手 |
習志野高時経時代 – ( 1991- 1994 )
出身校は地元の習志野高校。
過去には元阪神・掛布雅之さんや元中日の谷沢健一さんといった名選手を輩出している高校です。
福浦選手は、当時四番・投手を務めていました。
第74回選手権千葉大会 (1992年)
回戦 | 対戦校 | 勝敗 | |
一回戦 | 鎌ヶ谷 | ○ | 5-0 |
二回戦 | 薬園台 | ○ | 2-1 |
三回戦 | 柏井 | ○ | 3-0 |
四回戦 | 東京学館技術 | ○ | 8-0 |
五回戦 | 成田 | ○ | 3-1 |
準々決勝 | 拓大紅陵 | ● | 0-7 |
ドラフト会議 – (1993 )
そして地元球団であるロッテがその素質に注目していました。
その当時は投手としての素質を感じ、実際に1993年のドラフト会議では投手として、しかもドラフト7位。
12球団で最も最後に名前を呼ばれたほどの下位指名だったのです。
ドラフト指名選手 – ( 千葉ロッテマリーンズ )
1位 | 加藤 高康 | 投手 | NTT東北 |
2位 | 立川 隆史 | 外野手 | 拓殖大学紅陵高 |
3位 | 大塚 明 | 内野手 | 別府羽室台高 |
4位 | 中山 雅行 | 投手 | 熊谷組 |
5位 | 諸積 兼司 | 外野手 | 日立製作所 |
5位 | 小野 晋吾 | 投手 | 御殿場西高 |
5位 | 福浦 和也 | 投手 | 習志野高 |
家族は?
そんな福浦選手はご結婚されており、2人の男の子に恵まれています。
2000試合出場のメモリアルゲームでは長男が花束を贈呈しており、きっとご家庭では優しいお父さんなのでしょう。
プロ入り後の活躍・全盛期は?
ルーキーイヤー〜 – (1994 – 1996 )
左投手として入団した福浦選手ですが、入団後から肩の故障に悩まされます。
そこで、当時2軍打撃コーチ、かつては千葉ロッテの監督を務めた故山本功児さんに打撃センスを見出され、野手に転向。
このバッター転向は、福浦選手の後の人生を大きく変えます。
しかも、後に生まれてくる長男にも山本功児さんから「功」の字を貰って名づけたほど、敬愛しているようです。
福浦、亡き恩師のために 野手転向勧めてくれた山本氏
頑張ってこいよ!」。その時の声と光景は今も鮮明に思い出すことができる。1997年7月5日。福浦和也内野手が初めて1軍昇格をしたプロ4年目のことだ。その前夜、1軍から急な招集がかかり、デーゲームに間に合うようにと朝一番の早朝便で2軍の遠征先の秋田から羽田空港に移動することになった。まだ外は薄暗く、誰もが眠っているはずの時間帯。一人、宿泊ホテルでチェックアウトを済ませたくさんの荷物を抱え、出発をしようとすると、ロビーには2軍監督の姿があった。驚いた。そしてその優しさが、身に染みた。力強く肩をたたかれ、若者はタクシーに飛び乗った。手を振り、姿が見えなくなるまで見送ってくれた。活躍を約束し、初めて1軍に合流したあの日から長い月日が流れた。当時、2軍監督を務めた山本功児氏は2016年4月23日、64歳で、この世を去った。そして初の1軍に興奮し、ほとんど寝ることもできずに旅立った若者は今や40歳になり、マリーンズの大ベテランとしてチームの精神的支柱となっている。通算2000本安打の大記録まで、あとわずかなところに迫っている。
年度別打撃成績 – (1994 – 1996)
1993年(18) ドラフト7位 契約金2500万
年度 | 試合数 | 打率 | 打点 | 本塁打 | 盗塁 | 犠打 | 三振 | 年俸 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1994年(19) | 1軍出場無 | – | – | – | – | – | – | 400万 |
1995年(20) | 1軍出場無 | – | – | – | – | – | – | 420万 |
1996年(21) | 1軍出場無 | – | – | – | – | – | – | 430万 |
1軍デビュー〜レギュラー時代 – (1997 – 2011 )
入団4年目には1軍でデビュー。
同年は67試合に出場、プロ初本塁打を含む6本塁打を放ち、打率2割8分9厘という成績で、1軍に定着しました。
レギュラーを獲得した福浦選手は2001年に、日本ハム道大選手と熾烈な首位打者争いを繰り広げ、3割4分6厘という高打率で首位打者を獲得。
▲ 小笠原道大・2001年成績/試140 率.339(576打195安打)本32 点86 盗1
▲ 福浦和也・2001年成績/試120 率.346(451打156安打)本18 点67 盗0
その後もロッテの顔として、2003年、2005年、2007年と3回のゴールデングラブ賞、2010年には指名打者としてベストナインにも選ばれました。
タイトル・表彰
首位打者 | 1回(2001年) |
ゴールデングラブ賞(内野手部門) | 3回(2003年、2005年、2007年) |
ベストナイン(指名打者部門) | 1回(2010年) |
月間MVP | 1回(2006年4月) |
かつては巨人で活躍したイ・スンヨプ選手や、メジャーから日本球界復帰した井口資仁選手といったチーム内ライバルがいました。
李 承燁(イ・スンヨプ)-千葉ロッテマリーンズ (2004 – 2005)
井口 資仁(いぐち ただひと)-千葉ロッテマリーンズ (2009 – )
そういった選手たちに対しても、安定した打撃でレギュラーを座を譲ることなく、チームの顔であり続けたのです。
年度別打撃成績 – (1997 – 2011)
年度 | 試合数 | 打率 | 打点 | 本塁打 | 盗塁 | 犠打 | 三振 | 年俸 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1997年(22) | 67 | .289(218打数63安打) | 23 | 6 | 0 | 1 | 36 | 450万 |
1998年(23) | 129 | .284(465打数132安打) | 57 | 3 | 1 | 0 | 78 | 1700万 |
1999年(24) | 114 | .277(256打数71安打) | 35 | 3 | 0 | 0 | 38 | 3400万 |
2000年(25) | 131 | .296(446打数132安打) | 56 | 7 | 1 | 6 | 59 | 3400万 |
2001年(26) | 120 | .346(451打数156安打) | 67 | 18 | 0 | 2 | 74 | 5400万 |
2002年(27) | 135 | .300(493打数148安打) | 66 | 9 | 2 | 0 | 73 | 1億8000万 |
2003年(28) | 140 | .303(567打数172安打) | 76 | 21 | 2 | 1 | 89 | 1億2100万 |
2004年(29) | 128 | .314(506打数159安打) | 73 | 11 | 2 | 2 | 82 | 1億5500万 |
2005年(30) | 114 | .300(434打数130安打) | 72 | 6 | 0 | 0 | 55 | 1億8000万 |
2006年(31) | 114 | .312(436打数136安打) | 52 | 4 | 0 | 3 | 52 | 1億8000万 |
2007年(32) | 110 | .258(395打数102安打) | 57 | 4 | 0 | 2 | 44 | 1億8000万 |
2008年(33) | 105 | .252(310打数78安打) | 44 | 1 | 0 | 1 | 49 | 1億5000万 |
2009年(34) | 129 | .273(396打数108安打) | 39 | 6 | 1 | 11 | 65 | 1億2000万 |
2010年(35) | 116 | .295(322打数95安打) | 61 | 13 | 0 | 3 | 47 | 9500万 |
2011年(36) | 116 | .223(358打数80安打) | 43 | 3 | 0 | 1 | 72 | 1億0000万 |
近年は? – (2012 – 2016 )
近年は代打が中心で、出場機会も減少傾向にありますが、ロッテを長きに渡って支えている功労者なのです。
年度別打撃成績 – (2013 – 2015)
年度 | 試合数 | 打率 | 打点 | 本塁打 | 盗塁 | 犠打 | 三振 | 年俸 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2012年(37) | 84 | .199(180打数45安打) | 25 | 0 | 0 | 1 | 27 | 1億0000万 |
2013年(38) | 78 | .280(140打数32安打) | 17 | 0 | 0 | 0 | 30 | 9000万 |
2014年(39) | 43 | .234(92打数26安打) | 15 | 0 | 0 | 0 | 14 | 5000万 |
2015年(40) | 73 | .280(173打数47安打) | 21 | 2 | 1 | 0 | 34 | 4500万 |
2016年(41) | 36 | .234(82打数20安打) | 7 | 0 | 0 | 0 | 12 | 4500万 |
NPB通算:20年 | 2082 | .280(6720打数1932安打) | 906 | 117 | 10 | 34 | 1030 | 3500万 |
2017年の起用法は?2000本安打達成の可能性
今シーズンはここまで代打が中心ですが、スタメンでの出場もありました。
年齢的な面もあり、常時出場するのは難しいのですが、ベテランがベンチにいるという存在感の大きさは何物にも代えがたいところ。
今シーズンも代打が中心で、ときにスタメンという起用になるのではないでしょうか。
そうなってくると昨シーズン終了時点で残り68本となっていた2000本安打ですが、今シーズンの達成はきわめて微妙かもしれません。
過去5年の安打数 – (2012 – 2016)
2012年 | 45安打(出場:84) |
2013年 | 32安打(出場:78) |
2014年 | 26安打(出場:43) |
2015年 | 47安打(出場:73) |
2016年 | 20安打(出場:36) |
平均 | 34安打(出場:63) |
2017年・ロッテ開幕オーダー (2016年成績)
1番 | 岡田 幸文 | センター | 試121 率.275(327打数90安打)本0 点18 盗14 |
2番 | 荻野 貴司 | ライト | 試71 率.250(192打数48安打)本3 点21 盗16 |
3番 | 角中 勝也 | レフト | 試143 率.339(525打数178安打)本8 点69 盗12 |
4番 | パラデス | 指名打者 | 試83 率.222(158打数35安打)本5 点19 盗0(MLB成績) |
5番 | 鈴木 大地 | セカンド | 試143 率.285(501打数143安打)本6 点61 盗3 |
6番 | ダフィー | サード | 試109 率.229(401打数92安打)本14 点52 盗1(AAA成績) |
7番 | 井上 晴哉 | ファースト | 試35 率.232(99打数23安打)本2 点16 盗0 |
8番 | 田村 龍弘 | キャッチャー | 試130 率.256(371打数95安打)本2 点38 盗6 |
9番 | 中村 奨吾 | ショート | 試108 率.201(278打数56安打)本6 点25 盗4 |
まとめ
昨年広島の新井貴浩選手が2000本安打を達成しました。
ドラフト6位以降の選手が2000本安打を達成したのはあの世界の盗塁王である元阪急の福本豊さん以来だとか。
福本さんは福浦選手と同じドラフト7位で入団した選手です。
ドラフト7位での入団で2000本安打達成となれば、福本さん以来史上2人目の快挙となります。
ドラフト外での入団で2000本安打を達成したの選手を含めても、現時点では先の福本さん、西武などで活躍した秋山幸二さん、現在広島の打撃コーチを務めている石井琢朗さんの3人しかいません。
今シーズン中の2000本安打は難しいかもしれませんが、いずれは達成し、ドラフト下位指名の希望の光となることが期待されます。