今季絶好調の東京ヤクルト・雄平選手。
投手から野手に転向した苦労人も、2014年に大ブレイクしましたが、調子の波が大きいところがあるのが弱点とされていました。
果たして今季好調は本物なのでしょうか。
過去の成績や年俸も振り返ってみましょう。
高井雄平の生い立ち
雄平選手は本名を「高井雄平」です。
1984年6月25日生まれで、川崎市宮前区出身。
雄平(ゆうへい)- 東京ヤクルトスワローズ (2003 – )
生年月日 | 1984年6月25日(歳) |
出身地 | 神奈川県川崎市宮前区 |
身長 | 174cm |
体重 | 83kg |
ポジション | 投手 → 外野手 |
投打 | 左投左打 |
プロ入り | 東北高〜ヤクルト2002年 ドラフト1巡目 |
NPB通算:14年 | 打:試598 率.290(1751打508安打)本41 点222 盗26 投:登144(先発:37) 防4.96(18勝19敗1s17h)投297.1 振265 |
お父さんは中学校の、お母さんは小学校の、それぞれ教師という両親の下で育ちました。
東北高校時代 – ( 2000- 2003 )
宮城の名門で・東北高校に在籍していた当時は、チームのエースとして、左腕から繰り出される最速151キロのストレートが注目されていました。
その一方で高校通算36本塁打。
打撃センスの高さと長打力も魅力でした。
主な高校生強打者の通算本塁打
名前 | 通算 | 経歴 |
坂本 勇人 | 39 | 光星学院-巨人 |
陽 岱鋼 | 39 | 福岡第一-日ハム-巨人 |
阿部 慎之助 | 38 | 安田学園-中大-巨人 |
高井 雄平(雄平) | 36 | 東北-ヤクルト |
オコエ 瑠偉 | 36(甲 1) | 関東一-楽天 |
田村 龍弘 | 35(甲 3) | 光星学院-ロッテ |
高山 俊 | 32(甲 2) | 日大三-明大-阪神 |
甲子園出場は3年春の1度経験。
初戦で敗れてしまいましたが、投手としての注目度が高く、メジャーからも注目されたほど。
第73回選抜高校野球大会 -3年時投手成績 (2008 )
回戦・対戦校 | 投球回数 | 被安打 | 奪三振数 | 与四死球数 | 自責点 | |||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
二回戦 | 関西創価(大阪) | ● | 1-8 | 9.0 | 13 | 9 | 6 | 6 |
ドラフト会議 – (2002)
「高校ナンバー1の左腕投手」のふれこみで2002年ドラフト会議では1位指名でヤクルト・近鉄と2球団競合。
ヤクルトが交渉権を獲得し入団します。
ドラフト指名選手 – ( ヤクルトスワローズ )
1巡目 | 高井 雄平 | 投手 | 東北高 |
3巡目 | 館山 昌平 | 投手 | 日本大学 |
4巡目 | 泉 正義 | 投手 | 宇都宮学園高 |
5巡目 | 大原 秉秀 | 内野手 | 福知山成美高 |
6巡目 | 片山 文男 | 投手 | 日章学園高 |
7巡目 | 高橋 敏郎 | 捕手 | 石巻専修大学 |
8巡目 | 吉川 昌宏 | 投手 | ローソン |
9巡目 | 小森 孝憲 | 投手 | 東京農業大学生物産業学部 |
10巡目 | 久保田 智 | 外野手 | 川崎製鉄千葉 |
11巡目 | 大塚 淳 | 内野手 | 土浦第三高 |
性格・結婚
雄平選手は投打に渡ってセンス抜群とされていますが、それは野球に対して周りが認めるほどの練習の虫であり、まさに努力の賜物といえるでしょう。
筋力トレーニングも欠かさず行っており、好きな食べ物はプロテインというほど。
それだけ物事に対し一途に打ち込む探究心がある選手なのです。
ちなみに雄平選手は既にご結婚されています。
奥さんは元レースクイーンの篠田奈王子さんで、4歳年上の姉さん女房。
投手時代の2008年に結婚されました。
高井 元モデルの篠田奈王子さんと結婚
ヤクルト・高井雄平投手(24)が25日、元モデルの篠田奈王子(なおこ)さん(28)=東京・練馬区在住の自営業・篠田雄司さん(59)の次女=との結婚を発表した。昨年9月に知人の紹介で知り合い、同11月から交際をスタート。先月18日に婚姻届を提出しており、今オフに挙式する予定だ。現在、2軍調整中の高井は「結婚を機に1軍に上がってチームの戦力になれるよう頑張ります」と飛躍を誓った。
高井雄平・プロ入り後の活躍
高校球界屈指の豪速球左腕として注目された高井雄平選手。
今では左のスラッガーとして定着していますが、入団当時は期待の左腕投手でした。
投手時代 ルーキーイヤー〜入団7年目 -( 2003 -2009 )
高卒ルーキーながら1年目から1軍で登板。
プロ初勝利もマークする順風満帆なプロ生活をスタートさせました。
年度別投手成績 – (2003)
2002年(18歳) ヤクルト1位 契約金1億円
年度 | 登板 | 防御率 | 勝敗 | 投球回 | 三振 | 年俸 |
2003年(19) | 27(先発17) | 5.03 | 5勝6敗 | 102.0 | 80 | 1200万 |
2007年には中継ぎに転向し52試合に登板しました。
年度別投手成績 – (2004 – 2007)
年度 | 登板 | 防御率 | 勝敗 | 投球回 | 三振 | 年俸 |
2004年(20) | 9(先発8) | 4.41 | 4勝2敗 | 49.0 | 54 | 1900万 |
2005年(21) | 18(先発11) | 4.52 | 4勝4敗 | 73.2 | 74 | 1800万 |
2006年(22) | 36(先発1) | 6.51 | 2勝1敗5h | 27.2 | 27 | 2000万 |
2007年(23) | 52(先発0) | 5.19 | 3勝6敗1s12h | 43.1 | 30 | 1700万 |
しかしコントロールに大きな課題があり、高卒時代と比べて、ストレートのスピードが出なくなり、一時はサイドスローへの転向を目指しました。
2009年5月9日の対広島7回戦、1-4でリードされた8回表に4番手として登板。
1イニングを被安打1、失点0に抑えたのを最後に現在まで投手としての登板はありません。
その後、球団の意向もあり2009年オフに野手への転向を決意。
投手としては144試合18勝19敗1Sという結果を残しました。
年度別投手成績 – (2003 – 2014)
年度 | 登板 | 防御率 | 勝敗 | 投球回 | 三振 | 年俸 |
2008年(24) | 1(先発0) | 13.50 | 0勝0敗 | 0.2 | 0 | 2200万 |
2009年(25) | 1(先発0) | 0.00 | 0勝0敗 | 1.0 | 0 | 1750万 |
通算:7年 | 144(先発37) | 4.96 | 18勝19敗1s17h | 297.1 | 265 | – |
野手転向 -( 2010 – 2013 )
高校時代から打撃センスも高かった雄平選手。
2011年には登録名を現在の「雄平」に変更。
その年には2軍で結果を残し、初めて野手として1軍昇格を果たしました。
イースタン・年度別打撃成績 – (2010 – 2013)
年度 | 試合数 | 打率 | 打点 | 本塁打 | 盗塁 | 犠打 | 三振 | 長打力 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2010年(26) | 98 | .283(307打87安打) | 35 | 4 | 9 | 2 | 52 | .371 |
2011年(27) | 96 | .330(294打97安打) | 31 | 5 | 3 | 5 | 51 | .480 |
2012年(28) | 68 | .284(275打78安打) | 39 | 6 | 2 | 1 | 49 | .422 |
2013年(29) | – | – | – | – | – | – | – | – |
その後は、野手登録でありながら、投手でも起用が囁かれた時期もありました。
1軍・年度別打撃成績 – (2010 – 2013)
年度 | 試合数 | 打率 | 打点 | 本塁打 | 盗塁 | 犠打 | 三振 | 年俸 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2010年(26) | – | – | – | – | – | – | – | 1400万 |
2011年(27) | – | – | – | – | – | – | – | 1350万 |
2012年(28) | 47 | .280(143打40安打) | 8 | 0 | 2 | 3 | 19 | 1350万 |
2013年(29) | 13 | .297(37打数11安打) | 3 | 2 | 0 | 0 | 10 | 1550万 |
レギュラーへ定着 -( 2014 -2016 )
2014年は開幕から調子が上がらなかったものの、5月に大爆発。
持ち味の打撃センスが一気に開花し、月間MVPを獲得するまでになりました。
一時はヤクルト打線の4番に座り、シーズン通しての打率は3割1分6厘、23本塁打をマーク。
その年のベストナインを獲得するとともに、年俸は一気に6000万円に跳ね上がったのです。
年度別打撃成績 – (2015 – 2016)
年度 | 試合数 | 打率 | 打点 | 本塁打 | 盗塁 | 犠打 | 三振 | 年俸 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2014年(30) | 141 | .316(547打数173安打) | 90 | 23 | 10 | 1 | 103 | 1250万 |
しかしその後は調子の波が大きく、なかなか安定した成績を残すことができません。
2014年には大ブレイクした雄平選手ですが、2015年、2016年と、球団の期待に添えない時期が続いています。
年度別打撃成績 – (2015 – 2016)
年度 | 試合数 | 打率 | 打点 | 本塁打 | 盗塁 | 犠打 | 三振 | 年俸 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2015年(31) | 143 | .270(551打数149安打) | 60 | 8 | 7 | 1 | 82 | 6000万 |
2016年(32) | 133 | .296(412打数122安打) | 55 | 7 | 7 | 1 | 51 | 6500万 |
通算:14年 | 589 | .290(1751打508安打) | 222 | 41 | 26 | 17 | 296 | 7000万 |
表彰
ベストナイン | 1回(2014年) |
月間MVP | 1回 (野手部門:2014年5月) |
サヨナラ年間大賞 | 1回 (2015年) |
2017年再ブレイクはくるか?
野手転向から5年目のシーズン、2014年に大ブレイクした雄平選手。
最近2年間の成績はブレイクした年に比べて、軒並み成績が下がりました。
今シーズン再びその輝きを取り戻しつつあります。
開幕から打撃が好調で、主砲であるバレンティン選手の差し置いて4番に座る試合も増えてきました。
2014年のシーズンには3割以上の打率のマークし、23本のホームランを放ったスラッガーでもあります。
それだけの能力がありながら近年は影を潜めていました。
しかし練習の虫で、打撃センスも非常に高いものがあります。
ヤクルトの打線は山田哲人選手、バレンティン選手、畠山和洋選手と言った右のスラッガーが目立つ中で、左打者の雄平選手は非常に貴重な存在とも言えます。
山田 哲人(やまだ てつと)- 東京ヤクルトスワローズ (2011 – )
バレンティン – 東京ヤクルトスワローズ (2011 – )
畠山 和洋(はたけやま かずひろ)- 東京ヤクルトスワローズ (2001 – )
今季再ブレイクを果たすことができれば、4番に定着なんて事も・・・
かつての実績から、調子の波さえ小さくしていけば、再ブレイクの可能性もどんどん膨らんでくるのではないでしょうか。
5月ヤクルトスワローズ打線 (2016年度成績)
1番 | 坂口 智隆 | センター | 試141 率.295(526打数155安打)本0 点39 盗7 |
2番 | 藤井 亮太 | サード | 試12 率.200(20打数4安打)本0 点0 盗0 |
3番 | 山田 哲人 | セカンド | 試133 率.304(481打数146安打)本38 点102 盗30 |
4番 | 雄平 | ライト | 試108 率.296(412打数122安打)本7 点55 盗7 |
5番 | バレンティン | レフト | 試132 率.269(457打数123安打)本31 点96 盗0 |
6番 | 武内 晋一 | ファースト | 試25 率.250(20打数5安打)本0 点2 盗0 |
7番 | 中村 悠平 | キャッチャー | 試106 率.187(321打数60安打)本3 点37 盗2 |
8番 | 大引 啓次 | ショート | 試100 率.250(348打数87安打)本5 点27 盗7 |
9番 | 石川 雅規 | ピッチャー | 登20 防4.47(8勝8敗)投116.2 振52 |
まとめ
破壊力抜群の東京ヤクルト打線。
その中で左のスラッガー雄平選手が再ブレイクすれば、破壊力がさらに増すことになるでしょう。
今シーズンは開幕からつまずいた東京ヤクルト。
2年ぶりのリーグ優勝を達成するためには、雄平選手が安定した打撃を見せることが1つのポイントとなるのではないでしょうか。