11年連続で夏の甲子園出場の切符を手に入れた福島・聖光学院高校。
過去10年連続で甲子園に出場しており、先輩が築き上げてきたものを終わらせるわけにはいけないというプレッシャーもあったことでしょう。
それでもなお、11年連続で福島大会を制した聖光学院高校のここまでの戦いと、今年の戦力をチェックしてみましょう。
夏の甲子園 結果 ( 2017年成績 )
回戦・対戦校 | |||
---|---|---|---|
一回戦 | おかやま山陽(岡山) | ○ | 6-0 |
二回戦 | 聖心ウルスラ(宮崎) | ○ | 5-4 |
三回戦 | 広陵(広島) | ● | 4-6 |
聖光学院高校の実績は?
全国大会の戦績 -聖光学院(福島県)11年連続14回目
大会 | 出場回数 | 勝敗 | 優勝 | 準優勝 | ベスト4 |
春の選抜 | 4回 | 3勝4敗 | 0 | 0 | 0 |
夏の選手権 | 14回 | 19勝14敗 | 0 | 0 | 0 |
甲子園通算 | 18回 | 21勝18敗 | 0 | 0 | 0 |
選抜では2013年以来、出場が遠ざかっていますが、戦後では最長となる11年連続で夏の甲子園出場を決めた聖光学院高校。
福島県予選の戦い ( 2017年 )
福島県予選では2回戦から準々決勝まで、すべて完封勝利という投打がかみ合った磐石の勝利で勝ち進んできました。
準決勝では甲子園出場経験もある日大東北高校を相手に、序盤から着実に得点を重ねての勝利で、しっかりと決勝に進んできます。
しかし、選手たちの中には11年連続というものに対するプレッシャーもあったと言います。
この連続記録を自分たちで止めてはいけないというプレッシャーを力に変えました。
決勝戦は春夏通じて初の甲子園出場を狙ういわき光洋高校を相手にリードを奪うと、すぐさま追いつかれてしまうという苦しい展開。
8回を終わって4−4のタイスコア。
同点のまま迎えた9回裏、8番・渡辺拓路選手のセンターを越える決勝タイムリーでサヨナラ勝ちを収めました。
決勝戦 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 |
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● いわき光洋 | 0 | 0 | 0 | 0 | 3 | 0 | 0 | 1 | 0 | 4 |
○ 聖光学院 | 0 | 0 | 2 | 1 | 0 | 0 | 1 | 0 | 1x | 5 |
選手権福島県大会 ( 2017年成績:優勝 )
回戦・対戦校 | |||
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二回戦 | 本宮 | ○ | (5回コールド)13-0 |
三回戦 | 喜多方 | ○ | (7回コールド)7-0 |
四回戦 | 会津 | ○ | (7回コールド)8-0 |
準々決勝 | 小高産業技術 | ○ | 5-0 |
準決勝 | 日大東北 | ○ | 6-2 |
決勝 | いわき光洋 | ○ | 5-4 |
ここ5年間、決勝戦はすべて1点差という薄氷を踏むような僅差の戦い。
そこを制するところに聖光学院高校の底力があるのでしょう。
県大会優勝、11年連続の出場を決めた瞬間でした。
聖光学院、自らの戦後最多記録更新/福島 2017.7.23
第99回全国高校野球選手権大会福島大会(22日、いわき光洋4-5x聖光学院、県営あづま球場)聖光学院が福島大会で優勝し、2007年から11年連続 14度目となる夏の甲子園出場を決めた。同校が持つ夏の甲子園連続出場の戦後最多記録を11年に更新。戦前も含めると和歌山中(現桐蔭)が1915年の第 1回大会から14年連続(米騒動のため中止となった18年の第4回大会を含む)で出場したのに次いで2番目。
このように、聖光学院高校は投打がしっかりとかみ合っているのが特徴です。
けして派手さはないものの、1番から9番までがそれぞれ自分の打撃をし、投手は守りきることができる試合巧者ぶりを発揮しています。
これもまた聖光学院高校の強さのヒケツなのでしょう。
注目選手は?
ドラフト候補に挙がるほど目立つ選手がいないのが聖光学院高校の特徴。
全員野球で勝利をモノにしてきましたが、その中でも中心選手の働きぶりが目立ちます。
打線ではリードオフマンを務める矢吹栄希選手は決勝戦で3安打を放っています。
堅実な打撃と高い出塁率で、チャンスメーカーとなっています。
矢吹栄希(やぶき はるき)2年 – 聖光学院:179cm70kg 右左 二塁手
クリーンアップを務める瀬川航騎選手はパンチ力がある右のスラッガー。
決勝戦ではノーヒットに終わりましたが、打線のカギを握る選手です。
瀬川航騎(せがわ こうき)3年 – 聖光学院:172cm68kg 右右 遊撃手
投手は前田秀紀投手と斎藤郁也投手の2枚看板。
前田投手は140キロ代前半のキレのあるストレートを投げ込むのが魅力。
決勝戦では9回4失点で完投勝利。
前田秀紀(まえだ ひでき)3年 – 聖光学院:176cm65kg 右右 投手
また斎藤投手は最速142キロのストレートを誇る右投手。
スライダーやチェンジアップを駆使し、三振を奪えるピッチングが持ち味です。
斎藤郁也(さいとう ふみや)3年 – 聖光学院:173cm67kg 右左
まとめ
まとまりと粘りのあるチームとなった福島・聖光学院高校。
福島では他を寄せ付けず11連覇を達成しましたが、甲子園ではまだ準々決勝進出が最高となっています。
どうしても準々決勝の壁を破ることができない聖光学院高校。
連覇の記録を途絶えさせることなく継続してきた選手たちが、今度、先輩たちが打ち破れなかった準々決勝の壁を越えられるかが注目されます。