外れドラフト1位ながら5球団が競合した桜美林大学の佐々木千隼投手。
注目された進路は千葉ロッテマリーンズに決まりました。
今季のドラフトでも注目株とされる佐々木投手の実力をチェックしてみましょう。
5球団競合 | |
ロッテ | ◎佐々木 千隼 |
日本ハム | ×佐々木 千隼→堀 瑞輝 |
広島 | ×佐々木 千隼→加藤 拓也 |
巨人 | ×佐々木 千隼→吉川 尚輝 |
DeNA | ×佐々木 千隼→濱口 遥大 |
佐々木千隼投手の経歴・生い立ち
佐々木千隼投手は1994年6月8日生まれ、東京都日野市出身です。
両親とお兄さん2人の5人家族の中で育ちました。
佐々木 千隼(ささき ち)-千葉ロッテマリーンズ (2017 – )
生年月日 | 1994年6月8日(22歳) |
出身地 | 東京都日野市 |
身長 | 181cm |
体重 | 83kg |
ポジション | 投手 |
投打 | 右投右打 |
プロ入り | 桜美林大学〜2016年 ドラフト1位 |
球種 | MAX153km スライダー・シンカー・フォーク・カーブ・ツーシーム |
野球を始めたのは小学2年生の時。軟式野球チームに入ったのがきっかけで、それ以来中学まで軟式野球を続けました。
高校は都立日野高校。
2年生までは野手でしたが、3年からはエースを任されるようになりました。
と言っても、野手としても非常に魅力的で高校通算33本塁打のパンチ力があり、チームの中核を担っていました。
主な高校生強打者の通算本塁打 -通算30本塁打代編-
名前 | 通算 | 経歴 |
坂本 勇人 | 39 | 光星学院-巨人 |
陽 岱鋼 | 39 | 福岡第一-日ハム |
阿部 慎之助 | 38 | 安田学園-中大-巨人 |
オコエ 瑠偉 | 36(甲-1) | 関東一-楽天 |
佐々木 千隼 | 33 | 日野-桜美林大-ロッテ |
今江 敏晃 | 33 | PL学園-ロッテ-楽天 |
高山 俊 | 32(甲-2) | 日大三-明大-阪神 |
しかし激戦区の西東京大会だけに、都予選・準々決勝まで進むのがやっとだったのです。
第94回全国高校野球選手権西東京大会 (2012年)
回戦 | 対戦校 | 勝敗 | |
一回戦 | 清瀬 | ○ | 7-0 |
二回戦 | 井草 | ○ | 10-1 |
三回戦 | 早稲田実 | ○ | 4-3 |
四回戦 | 日大鶴ケ丘 | ○ | 8-4 |
準々決勝 | 日大三 | ● | 0-3 |
大学は桜美林大学に進学。
当初は首都大学リーグの2部でしたが1部に昇格した2年の時からチームのエース格へとのし上がっていきました。
ストレートの球速も徐々に伸ばしていき、4年生になった頃には150キロを超えました。
ストレートの球速は153キロまで伸び、さらにスリークォーターのホームから繰り出されるスライダーやシンカーも切れ味抜群!
大学4年の春から秋にかけて、首都大学リーグではあの巨人のエース・菅野智之投手が東海大学時代にマークした53イニング連続無失点の記録に並びました。
年間の完封試合が7に及び、これもまた首都大学野球リーグではタイ記録となりました。
桜美林大学時代 投手成績
年度 | 登板 | 防御率 | 勝敗 | 投球回 | 三振 | 自責点 |
13春〜16春 | 30 | 1.12 | 20勝10敗 | 280.1 | 231 | 35 |
国際大会 投手成績
年度 | 登板 | 防御率 | 勝敗 | 投球回 | 三振 | 自責点 |
16日米 | 2 | 4.15 | 0勝0敗 | 8.2 | 13 | 4 |
こうして佐々木投手は大学球界屈指の右腕として注目されるようになり、外れ1位ながら5球団の競合の結果、千葉ロッテに指名されたのです。
2016年 ドラフト
1位 | 佐々木 千隼 | 投手 | 桜美林大 |
2位 | 酒居 知史 | 投手 | 大阪ガス |
3位 | 島 孝明 | 投手 | 東海大市原望洋高 |
4位 | 土肥 星也 | 投手 | 大阪ガス |
5位 | 有吉 優樹 | 投手 | 九州三菱自動車 |
6位 | 種市 篤暉 | 投手 | 八戸工大一高 |
7位 | 宗接 唯人 | 捕手 | 亜細亜大 |
外れ1位なのにドラフト5球団競合!
創価大学の田中正義投手と並んで、ドラフト1位指名で競合は間違いないとされた佐々木千隼投手。
しかし、初回のドラフト1位指名ではどの球団も指名がありませんでした。
どの球団も敬遠しあってのことだったのでしょう。
「1位で指名すれば、一本釣り出来たのに」と悔やんだ球団もさぞや多かったのではないでしょうか。
そして外れドラフト1位の指名を行った日本ハム、巨人、広島、ロッテ、DeNAの全5球団が揃って佐々木投手を指名したのです。
佐々木投手は先ほど紹介したように、桜美林大学4年時、春から秋にかけて、53イニング連続無失点と言う首都大学リーグタイ記録を打ち立て、しかも年間7完封勝利という、これもまたリーグタイ記録を作りました。
大学通算で24勝を挙げ、そのうち13勝が完封と言う驚くべき成果を残しました。
とりわけ4年次の活躍ぶりと成長が、多くの球団のスカウトを釘付けにし、一躍ドラ1の有力候補となりました。
もちろん、千葉ロッテも即戦力で、先発ローテーションの一角として大きな期待を寄せています。
来季2017年は実力を見せられるか!
伊東監督はドラフト会議で佐々木投手を指名後、先発ローテーションとして期待しているというコメントをしました。
首都大学リーグで13完封が出来るほどの、類希な完投能力を持っているだけでなく、MAX153キロのストレートと、スライダー、シンカー、カーブなどの多彩な変化球も落ち合わせています。
千葉ロッテは4番手以降の先発が不足していることから、1年目から先発枠に入ってくる可能性は十分にあります。
2016年 ロッテ先発投手陣
役割 | 選手 | 防御率 | 勝 | 敗 | 投球回数 | 三振 |
先発 | 石川 歩 | 2.16 | 14 | 5 | 162.1 | 104 |
先発 | 涌井 秀章 | 3.01 | 10 | 7 | 188.2 | 118 |
先発 | スタンリッジ | 3.56 | 8 | 8 | 162.0 | 99 |
先発 | 二木 康太 | 5.34 | 7 | 9 | 116.1 | 81 |
先発 | 唐川 侑己 | 2.84 | 6 | 6 | 88.2 | 64 |
先発 | 関谷 亮太 | 5.52 | 5 | 6 | 88.0 | 58 |
先発として試合が作れるタイプの投手であることは間違いないでしょう。
佐々木投手にとっては、同期となるドラフト2位の酒居投手や来季2年目の関谷投手あたりは、先発を勝ちよる為の大きなライバルになります。
酒居 知史(さかい ともひと)-千葉ロッテマリーンズ (2017 – )
生年月日 | 1993年1月2日(23歳) |
出身地 | 大阪府枚方市 |
身長 | 179cm |
体重 | 80kg |
ポジション | 投手 |
投打 | 右投右打 |
プロ入り | 大阪ガス〜2016年 ドラフト1位 |
球種 | MAX148km スライダー・チェンジ・カーブ・ツーシーム |
関谷 亮太(せきや りょうた)-千葉ロッテマリーンズ (2016 – )
生年月日 | 1991年5月10日(25歳) |
出身地 | 神奈川県川崎市 |
身長 | 180cm |
体重 | 84kg |
ポジション | 投手 |
投打 | 右投右打 |
プロ入り | JR東日本〜2015年 ドラフト2位 |
2016年成績 | 登16 防5.52(5勝6敗)投88 振58 |
また、同じパリーグに所属することになった、今季のドラフトでは佐々木投手以上に注目された田中正義投手も、他球団ながら意識し合う良きライバルですね。
田中 正義(たなか せいぎ)-福岡ソフトバンクホークス (2017 – )
生年月日 | 1994年7月19日 (22歳) |
出身大 | 創価高校→創価大 |
出身地 | 神奈川県横浜市 |
身長 | 186cm |
体重 | 90kg |
ポジション | 投手 |
投打 | 右投右打 |
球速 | MAX156km |
球種 | スライダー・フォーク・カーブ・カット |
まとめ
実は、桜美林大学の選手がドラフトで指名されたケースは佐々木投手が初めてのことです。
桜美林大学としても期待のOB投手でしょう。
千葉ロッテのエースになりうるだけの素材であり、1年目から先発ローテーション入りが期待されています。
ルーキーイヤーにどのような投球を見せるのか、鳴り物入りで指名された福岡ソフトバンク1位の田中正義投手とで新人王争いとなるのかも注目されます。