夏の高校野球で初戦敗退ではあったものの、196cmの長身が目を引く存在だったのが愛媛県の松山聖陵高校のアドゥワ誠投手。
その名前から分かるとおり、ハーフであるアドゥワ投手は、広島カープのドラフト5位指名を受けました。
▲ 広島ドラフト5位 契約金 3000万円、年俸480万円
2016年 ドラフト
1位 | 加藤 拓也 | 投手 | 慶応大 |
2位 | 高橋 昂也 | 投手 | 花咲徳栄高 |
3位 | 床田 寛樹 | 投手 | 中部学院大 |
4位 | 坂倉 将吾 | 捕手 | 日大三高 |
5位 | アドゥワ 誠 | 投手 | 松山聖陵高 |
6位 | 長井 良太 | 投手 | つくば秀英高 |
果たしてアドゥワ投手はどのような投手なのでしょうか?
また両親はどのような方なのでしょうか?
アドゥワ誠投手の両親はどんな人物?
愛媛県の松山聖陵高校に在籍しているアドゥワ誠投手ですが、出身は熊本市。
中学までは熊本市内で過ごしました。
アドゥワ 誠(あどぅわ まこと)-広島東洋カープ (2017 – )
生年月日 | 1998年10月2日(18歳) |
出身地 | 熊本県熊本市 |
身長 | 196cm |
体重 | 86kg |
ポジション | 投手 |
投打 | 右投右打 |
プロ入り | 松山聖陵高〜2016年 広島ドラフト5位 |
球種 | MAX145km スライダー・カーブ・チェンジ |
名前や風貌から分かるように、ハーフであるアドゥワ投手。
お母さんである純子さんは日本人ですが、お父さんであるアントニーさんはナイジェリア人。
国際結婚し、その間に生まれたのがアドゥワ誠投手です。
▲ アドゥワ 誠の両親:母)元バレーボール選手の酒本純子さん 父)ナイジェリア人のアントニーさん。
またアドゥワ誠投手にはお兄さんがおり、アドゥワ大(まさる)さんといいます。
アドゥワ誠選手の2つ上で現在、東農大北海道オホーツクで野球をしています。
兄弟ともに長身で、2人とも身長は196cmと、2mに届きそうなほど。
この二人が兄弟でのプロ入団とれば楽しみなところですね!
▲ 兄アドゥワ大さんも福岡の九州国際大付高校で、2014年夏に甲子園出場を果たしています。
ところで、なぜ2人とも長身なのか…その答えはお母さんにあるようです。
母である純子さんは、かつてダイエー・オレンジアタッカーズという女子バレーボールチームに所属していました。
現在の年齢は47歳で、身長は180cmもあるそうです!
現在は久光製薬スプリングスというチームに継承されているチームです。
お母さんはそのチームのセンターを務めており、アドゥワ兄弟の長身はお母さんから色濃く受け継がれているのでしょう。
アドゥワ誠投手の実績は?
さて、アドゥワ誠投手は1998年10月2日生まれの18歳。
野球を始めたのは小学校1年のときのこと。
地元・熊本のリトルリーグに所属し、その後中学では同じく熊本とシニアリーグに所属していました。
その後、愛媛県の松山聖陵高校に進学します。
1年生の秋から徐々に頭角を現しますが、2年のときに腰痛を発症し、しばらくマウンドから離れた時期もありました。
それでも2年の秋には背番号1をつけるエースとなります。
その当時はコントロールが悪い反面で、ストレートは140キロ台を計測するまでになりました。
アドゥワ投手がプロスカウトの注目を一気に集めたのが3年夏の甲子園。
愛媛県大会では6試合に投げて、うち4試合で完投勝利をマーク。
第98回全国高校野球選手権 愛媛大会(2016)投手成績
回戦・対戦校 | 投球回数 | 被安打 | 奪三振数 | 与四死球数 | 自責点 | |||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
一回戦 | 三間 | ○ | 18-0 | 1.0 | 0 | 3 | 0 | 0 |
三回戦 | 川之江 | ○ | 5-1 | 9.0 | 3 | 4 | 4 | 1 |
三回戦 | 西条 | ○ | 5-4 | 9.0 | 8 | 8 | 3 | 4 |
準々決勝 | 今治東 | ○ | 7-3 | 4.2 | 5 | 1 | 1 | 1 |
準決勝 | 今治北 | ○ | 7-1 | 9.0 | 9 | 6 | 2 | 1 |
決勝 | 新田 | ○ | 3-2 | 9.0 | 10 | 1 | 0 | 2 |
6試合 | 防御率 1.94 | – | – | 41.2 | 35 | 23 | 10 | 9 |
松山聖陵高校を初めての甲子園に導きました。
そして甲子園の舞台で、北海道の北海高校を相手に、実に187球の力投。
力投むなしく1対2で敗れはしたものの、球威のあるストレートは144キロを計測し、動きのいいフィールディングを見せるなど、随所に光るところを見せたのです。
第98回全国高校野球選手権大会(2016)甲子園投手成績
回戦・対戦校 | 投球回数 | 被安打 | 奪三振数 | 与四死球数 | 自責点 | |||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
二回戦 | 北海(北海道) | ● | 1-2 | 8.2 | 12 | 3 | 7 | 1 |
近年ハーフのプロ野球選手が急増!
近年はハーフのプロ野球選手も増えている印象が強いのではないでしょうか。
大リーグのダルビッシュ有投手や、今季のルーキーだった東北楽天のオコエ瑠偉選手などが有名です。
ダルビッシュ有(だるびっしゅ ゆう)-日本ハム 2004年 ドラフト1巡目
オコエ 瑠偉(オコエ るい)-東北楽天 2015年 ドラフト1位
実は、横浜DeNAの守護神である山崎康晃投手はお母さんがフィリピン人であったり、巨人の中継ぎ左腕である戸根千明投手もまたお母さんがフィリピン人のハーフです。
山﨑 康晃(やまさき やすあき)-横浜DeNAベイスターズ 2014年 ドラフト1巡目
戸根 千明(とね ちあき)-読売ジャイアンツ 2014年 ドラフト2位
広島東洋カープでは、「鉄人」こと衣笠祥雄さんはお父さんがアフリカ系のアメリカ人、また今季は中継ぎで活躍した九里亜蓮投手はお父さんがアメリカ人です。
衣笠 祥雄(きぬがさ さちお)-広島東洋カープ (1965 – 1987)
九里 亜蓮(くり あれん)-広島東洋カープ (2014 – )
ハーフの選手が活躍しているケースも多い中で、アドゥワ投手はどうかといえば、それはまだ未知数でしょう。
しかし、196cmの長身から投げ下ろすストレートは威力があり、まだまだ伸びる要素は多分にあります。
コントロールもまだ荒削りな面がありますが、現在では細身な体つきを、プロの世界でしっかり鍛え上げていけば球威は増し、コントロールも徐々に安定してくるのではないでしょうか。
ピッチングそのものは丁寧であるだけに、プロで通用する素質は十分あります。
育成が上手い広島カープだけに、アドゥワ投手としては最高の球団から指名を受けたのではないでしょうか。
まとめ
まだまだ未完成なアドゥワ誠投手ですが、その素質を伸ばしていけば、十分にプロでも通用する可能性を秘めています。
育成が上手い広島カープに入団することによって、その素質がどう磨き上げられていくかが注目されます。
まずは身体作りからと本人も自覚しています。
何年か後に進化したアドゥワ投手が1軍のマウンドで見られる日が来ることを期待しましょう。