阪神のベテラン左腕・能見篤史投手。
今シーズンも先発ローテーションに入り、巧みな投球を見せています。
そんな能見投手は昨年終了時点でプロ通算92勝。
通算100勝は目の前まで迫っており、今季にも十分達成できる可能性がありますが、果たして実現するでしょうか。
経歴や過去の成績とともに迫ってみましょう。
能見篤史の経歴・生い立ち
能見篤史投手は1979年5月28日生まれで今年歳になるベテランです。
能見 篤史(のうみ あつし)- 阪神タイガース (2005 – )
生年月日 | 1979年5月28日(歳) |
出身地 | 兵庫県出石郡出石町 |
身長 | 180cm |
体重 | 73kg |
ポジション | 投手 |
投打 | 左投左打 |
プロ入り | 鳥取城北高〜大阪ガス〜 阪神2004年 自由獲得枠 |
NPB通算:12年 | 登299(先発:217) 防3.28(92勝82敗13h)投1463.2 振1269 |
鳥取城北高校時代 – ( 1995 – 1998 )
「そば」が名物として知られる兵庫県出石町の出身ですが、高校は鳥取にある鳥取城北高校。
甲子園出場経験はありません。
3年生の春季大会ではノーヒットノーランを達成。
プロからも注目される存在となりましたが、卒業後は大阪ガスに入社し、野球を続けました。
第79回選手権鳥取大会 – (1997 )
回戦 | 対戦校 | 勝敗 | |
一回戦 | 米子工 | ○ | 5-2 |
二回戦 | 鳥取西 | ● | 2-4 |
大阪ガス時代 – ( 1998 – 2005 )
入社当初は故障も多く、ほとんど登板することができない日々が続きました。
そんな能見投手が頭角を現したのが入社5年目のこと。
140キロ台のストレートとスライダーやフォークなどを交えた技巧的なピッチングが魅力で、社会人の日本代表になったことも。
ドラフト会議 – ( 2004 )
そのピッチングが注目を集め、2004年のドラフト自由枠で阪神に入団しました。
ドラフト指名選手 – ( 阪神タイガース )
自由獲得枠 | 能見 篤史 | 投手 | 大阪ガス |
自由獲得枠 | 岡崎 太一 | 捕手 | 松下電器 |
4巡目 | 橋本 健太郎 | 投手 | 日本新薬 |
5巡目 | 大橋 雅法 | 捕手 | 北陽高 |
6巡目 | 赤松 真人 | 外野手 | 立命館大学 |
7巡目 | 高橋 勇丞 | 外野手 | 済美高 |
8巡目 | 辻本 賢人 | 投手 | マタデーハイスクール |
9巡目 | 玉置 隆 | 投手 | 市立和歌山商業高 |
10巡目 | 水落 暢明 | 投手 | 信太高 |
結婚は?– (2005 )
能見投手はすでにご結婚されています。
大阪ガス時代に知り合った彼女と2005年に結婚され、今では2人のお子さんもいらっしゃいます。
マウンド上ではポーカーフェイスの能見投手ですが、自宅に帰れば優しいパパであるようです。
また動物も好きだそうで、動物が出てくる番組で涙することも。そこにもマウンドとは違う一面が垣間見れます。
阪神エースとして
今ではすっかり阪神の左のエースとなっている能見投手ですが、入団当初は中継ぎに回ることもありました。
開幕投手回数
3回 | (2011・2012・2014) |
中継ぎ時代 – ( 2005 – 2008 )
1年目から4勝を挙げましたが、即戦力の期待にはなかなか応えることができず、2年目は登板のほとんどが中継ぎ。
防御率は5点前後と、数字の面でもけして目立つものではありませんでした。
年度別投手成績 – (2005 – 2008)
2004年 (26歳) 阪神自由枠 契約金1億円
年度 | 登板 | 防御率 | 勝敗 | 投球回 | 三振 | 年俸 |
2005年(27) | 16(先発12) | 5.57 | 4勝1敗1h | 64.2 | 64 | 1500万 |
2006年(28) | 38(先発2) | 4.98 | 2勝4敗8h | 47.0 | 46 | 1800万 |
2007年(29) | 23(先発13) | 4.38 | 4勝4敗2h | 74.0 | 51 | 1800万 |
2008年(30) | 11(先発1) | 4.76 | 0勝0敗 | 11.1 | 10 | 2000万 |
先発へ転向 – ( 2009 – 2010 )
能見投手にとって1つの転機となったのは2009年。
故障者が出た影響で、先発ローテーションに加わります。
その年のシーズン後半には安定したピッチングで白星を積み重ね、自身初の2ケタ勝利となる13勝をマークしました。
翌年は故障で離脱している期間もありましたが、8勝負けなしという結果を残しました。
年度別投手成績 – (2003 – 2014)
年度 | 登板 | 防御率 | 勝敗 | 投球回 | 三振 | 年俸 |
2009年(31) | 28(先発25) | 2.62 | 13勝9敗 | 165.0 | 154 | 1800万 |
2010年(32) | 12(先発10) | 2.60 | 8勝0敗 | 62.1 | 57 | 5000万 |
阪神エースへ – ( 2011 – 2016 )
2011年には自身初の開幕投手を務め、阪神エースの座を射止めると、2012年には172奪三振でセリーグの奪三振王のタイトルを獲得しました。
2013年には11勝を挙げるとともに、先発、中継ぎ、抑えと投手の分業制が一般化する中で、その年のセリーグ最多の6度の完投を達成。
2014年からは3年連続でセリーグ最多の負け数となる不名誉な記録を作りましたが、それでも10勝前後をコンスタントに挙げています。
年度別投手成績 – (2003 – 2014)
年度 | 登板 | 防御率 | 勝敗 | 投球回 | 三振 | 年俸 |
2011年(33) | 29(先発28) | 2.52 | 12勝9敗1h | 200.1 | 186 | 5000万 |
2012年(34) | 29(先発27) | 2.42 | 10勝10敗 | 182.0 | 172 | 1億0000万 |
2013年(35) | 25(先発25) | 2.69 | 11勝7敗 | 180.2 | 127 | 1億2000万 |
2014年(36) | 26(先発26) | 3.99 | 9勝13敗 | 169.1 | 151 | 1億5000万 |
2015年(37) | 27(先発25) | 3.72 | 11勝13敗 | 159.2 | 125 | 1億4000万 |
2016年(38) | 26(先発24) | 3.67 | 8勝12敗1h | 147.1 | 126 | 1億4000万 |
NPB通算:12年 | 299(先発217) | 3.28 | 92勝82敗13h | 1463.2 | 1269 | 1億3000万 |
バッティング – ( 2011 – 2016 )
そんな能見投手は打撃が良いことでも知られています。
そのことで、阪神からは能見投手が打席に立つ際の応援歌を独自に作ったほど。
かつてはホームランを放つこともあり、打撃の勝負強さもまた大きな魅力で、相手からすれば怖さのある9番打者でもあるのです。
日本代表歴 – ( 2013 – 2014)
2013年 | ワールド・ベースボール・クラシック日本代表 |
2014年 | 日本プロ野球80周年記念試合 |
WBC投手成績 – (2013)
年度 | 登板 | 防御率 | 勝敗 | 投球回 | 三振 | 四死球 |
2013年(35) | 4(先発0) | 3.52 | 1勝1敗 | 7.2 | 9 | 4 |
タイトル・表彰
最多奪三振 | 1回 (2012年) |
月間MVP | 5回 (2010年9月、2011年10月、2013年5月、2013年6月、2014年4月) |
JA全農Go・Go賞 | 1回 (最多奪三振賞:2009年5月) |
オールスターゲーム敢闘選手賞 | 1回 (2012年第1戦) |
セ・パ交流戦優秀選手賞 | 1回 (2013年) |
第6回若林忠志賞 | 2016年 |
節目の100勝は2017年可能?
能見投手は2016年のシーズンを終えて、プロ通算92勝を挙げています。
左投手であることの宿命なのか、時には中継ぎに回ることもあるなど、必ずしも先発一本でやってきたわけではありません。
それでも2009年の13勝をトップとして、2ケタ勝利を5度達成しています。
今シーズンも先発ローテーションの一角として起用されています。
阪神の左腕先発候補としては岩崎優投手や岩田稔投手といったところが挙げられます。
岩崎 優(いわざき すぐる)- 阪神タイガース (2014 – )
生年月日 | 1991年6月19日(25歳) |
出身地 | 静岡県清水市(現静岡市清水区) |
身長 | 185cm |
体重 | 90kg |
ポジション | 投手 |
投打 | 左投左打 |
プロ入り | 清水東高〜国士舘大学〜 阪神2013年 ドラフト6位 |
2016年成績 | 登16(先発:13) 防3.63(3勝5敗)投74.1 振59 |
岩田 稔(いわた みのる)- 阪神タイガース (2006 – )
生年月日 | 1983年10月31日(33歳) |
出身地 | 大阪府守口市 |
身長 | 179cm |
体重 | 94kg |
ポジション | 投手 |
投打 | 左投左打 |
プロ入り | 大阪桐蔭高〜関西大学〜 阪神2005年 希望入団枠 |
2016年成績 | 登6(先発:4) 防8.85(0勝3敗)投20.1 振14 |
それでも能見投手は毎年のようにコンスタントに成績を残すことができるのも大きな魅力。
かつてほど完投する機会は減りましたが今季、勝利の方程式が磐石な阪神投手陣にあって、6回までは試合を作ってくれる能見投手は今季も先発の一角として起用されることでしょう。
阪神タイガース左腕通算勝利数
順位 | 選手 | 勝利 | 在籍 |
1 | 江夏 豊 | 159 | 1967-1975 |
2 | 山本 和行 | 116 | 1972-1988 |
3 | 能見 篤史 | 92 | 2005- |
4 | 井川 慶 | 86 | 1998-2006 |
5 | 下柳 剛 | 80 | 2003-2011 |
6 | 湯舟 敏郎 | 59 | 1991-2000 |
7 | 仲田 幸司 | 57 | 1984-1995 |
今シーズン開幕時点で通算100勝まであと8勝に迫っています。
2009年に13勝をマークして以降、8年連続で8勝以上を挙げている能見投手。
この調子で行けば、今シーズンはすでにプロ通算1500イニングを達成していますが、プロ通算100勝に達成する可能性も十分あるでしょう。
年度別勝利ペース
2005年 | 4勝 |
2006年 | 2勝 |
2007年 | 4勝 |
2008年 | 0勝 |
2009年 | 13勝 |
2010年 | 8勝 |
2011年 | 12勝 |
2012年 | 10勝 |
2013年 | 11勝 |
2014年 | 9勝 |
2015年 | 11勝 |
2016年 | 8勝 |
通算12年 | 年間平均 9.2勝 |
能見投手が今季引退?
ところで、能見投手といえば、今季限りで引退するのではないかという噂をちらほらと耳にします。
今年で38歳という年齢もあり、1年1年が勝負の年になっているのは間違いありません。
しかし、今も先発の一角として起用され、けして目だって成績が落ち込んでいるわけでもありません。
チームにとっては貴重な左投手。
すぐに引退ということはないのではないでしょうか。
まとめ
通算100勝が目前に迫ってきた能見投手。
先発、中継ぎにとフル回転で過ごしてきたプロ生活。
その中でも、まもなくプロ通算100勝という数字が見えてきました。
阪神先発ローテーション左腕、ベテランの味のある投球で、毎年、ある程度の成績を残してくれる貴重な存在。
ベテランがどこまで勝利を積み重ね、早い段階で100勝達成できるか、それは阪神の今シーズンの悲願の優勝の可能性をも左右するかもしれません。