プロ入り後、3年連続で60試合以上に登板し、昨年は守護神も務めた秋吉亮投手。
サイドスローという変則投法ながら、抜群の安定感で、プロ3年目にして1億円プレイヤーの仲間入りを果たし、WBCメンバーにも選ばれました。
そんな秋吉亮投手とはどんな投手なのか、迫ってみましょう。
秋吉亮投手の経歴・生い立ち
東京ヤクルトの中継ぎエース、秋吉亮投手は1989年3月21日生まれ、東京都足立区出身です。
小学1年の時から地元の軟式野球チームに所属し、中学時代は母校の軟式野球部と掛け持ちで地元のクラブチームにも所属していました。
秋吉 亮(あきよし りょう) -東京ヤクルトスワローズ (2014 – )
生年月日 | 1989年3月21日(27歳) |
出身地 | 東京都足立区 |
身長 | 182cm |
体重 | 73kg |
ポジション | 投手 |
投打 | 右投右打 |
プロ入り | パナソニック〜 2013年 ヤクルトドラフト3位 |
2016年成績 | 登70 防2.19(3勝4敗19セーブ10ホールド)投70.0 振68 |
高校時代 – (2003 – 2006)
高校は、野球では無名の都立足立新田高校に進学します。
野球部に所属した直後は野手でしたが、その後投手に転向します。
今でこそすっかりサイドスローのイメージが定着した秋吉投手ですが、高校1年時の監督のアドバイスによって初めてサイドスローで投げることになったそうです。
ただ今のフォームよりもさらに深く、アンダースローに近かったそうですが…。
高校の3年間で甲子園出場は果たせなかったものの、当時、早稲田実業高校に在籍していたハンカチ王子こと斎藤佑樹投手と投げあったこともあったとか。
3年生の夏の大会東京予選では、3試合連続での完封劇を披露し一躍、今大会屈指の右腕として注目される投手に!
同校初のベスト4入りを果たしています。
第88回選手権東東京大会 (2006年)都足立新田・秋吉投手3年生時
回戦 | 対戦校 | 勝敗 | |
二回戦 | 筑波大付 | ○ | 5-3 |
三回戦 | 都大山 | ○ | 8-2 |
四回戦 | 日大一 | ○ | 1-0 |
五回戦 | 安田学園 | ○ | 2-0 |
準々決勝 | 青山学院 | ○ | 2-0 |
準決勝 | 帝京 | ● | 2-9 |
中央学院大学時代 – (2007 – 2010)
その後、中央学院大学に進学。
リーグ通算14勝、4年春にはMVP・最多勝・奪三振王・ベストナインの4冠を獲得します。
それでもプロ志望届は提出せず社会人入りを選択しました。
中央学院大学時代 投手成績
年度 | 登板 | 勝敗 | 防御率 | 投球回 | 安打 | 三振 | 四死球 | 自責点 |
07春〜10秋 | – | 14勝6敗 | 1.50 | 185.2 | – | – | – | 31 |
パナソニック時代 – (2011 – 2014)
2011年社会人の名門・パナソニックに入団します。
入社2年目にしてチームのエースとして成長し、やがてプロのスカウトから注目される存在となりました。
パナソニック時代 投手成績
年度 | 登板 | 勝敗 | 防御率 | 投球回 | 安打 | 三振 | 四死球 | 自責点 |
12〜13年(都・日) | 12 | 5勝3敗 | 1.23 | 65.2 | 53 | 68 | 20 | 9 |
ドラフト会議 – (2013)
一度はチームの要請で残留しましたが、社会人3年目の2013年のドラフト会議で東京ヤクルトの3位指名を受け入団することになったのです。
▲ 前列)杉浦稔大投手、小川監督、西浦直亨内野手(後列)児山祐斗投手、秋吉亮投手、岩橋慶侍投手、藤井亮太捕手
ドラフト指名選手 – (東京ヤクルト)
1位 | 杉浦 稔大 | 投手 | 國學院大學 |
2位 | 西浦 直亨 | 内野手 | 法政大学 |
3位 | 秋吉 亮 | 投手 | パナソニック |
4位 | 岩橋 慶侍 | 投手 | 京都産業大学 |
5位 | 児山 祐斗 | 投手 | 関西高 |
6位 | 藤井 亮太 | 捕手 | シティライト岡山 |
結婚はしている?
ちなみに、秋吉投手は2年目のシーズン終了後の2015年に一般女性の方と結婚式を挙げました。
お相手は中学時代の先輩で、4つ年上の姉さん女房です。
社会人時代にすでに入籍はしており、2014年には男の子も誕生しています。
プロ入り後は変則サイドスローで活躍!
秋吉投手の特徴といえば何といっても変則サイドスローというフォームです。
変則的なピッチングフォームでありながら、ストレートの最速は149キロをマーク。
さらにスライダーやシンカーと言ったコーナーを突く投球が持ち味です。
ルーキーイヤー – ( 2014 )
今や東京ヤクルトの中継ぎエース、そして守護神でもある秋吉投手ですが、ルーキーイヤーは先発として起用された時期もありました。
しかし先発としてなかなか結果が出なかったことから、1年目の5月には中継ぎに転向。
年度別投手成績 – (2014)
2013年 (24歳) ヤクルトドラフト3位 契約金6000万円
年度 | 登板 | 防御率 | 勝敗 | 投球回 | 三振 | 年俸 |
2014年(25) | 61(先発2) | 2.28 | 3勝4敗5セーブ19ホールド | 71.0 | 62 | 1200万 |
これが今の秋吉投手の礎(いしずえ)となりました。
セットアッパー・クローザーへ – ( 2015 – 2016 )
1年目から61試合に登板すると、2年目には球団最多記録の74試合に登板。
セットアッパーとして22個のホールドを記録しました。
3年目も2年連続の70試合以上登板となりました。
昨季はゴタゴタでオンドルセク投手が退団するという異常事態の中で守護神を務め、19セーブをマークしました。
今や東京ヤクルトには欠かせない中継ぎエースであり守護神となっています。
年度別投手成績 – (2015 – 2016)
年度 | 登板 | 防御率 | 勝敗 | 投球回 | 三振 | 年俸 |
2015年(26) | 74 | 2.36 | 6勝1敗22ホールド | 76.1 | 81 | 3200万 |
2016年(27) | 70 | 2.19 | 3勝4敗19セーブ10ホールド | 70.0 | 68 | 6800万 |
NPB通算:3年 | 205 | 2.28 | 12勝9敗24セーブ51ホールド | 217.1 | 211 | 1億1000万 |
WBCではどんな活躍が期待出来るか?
東京ヤクルトでは守護神として起用されている秋吉投手。
今シーズンも東京ヤクルトの中継ぎエースとして、そして守護神としての活躍を期待されていることでしょう。
その一方でWBCではどうかといえば、やはり中継ぎが役割の中心になるのではないでしょうか。
侍ジャパン代表歴
2016 | 侍ジャパン強化試合 日本 vs チャイニーズタイペイ |
2016 | 侍ジャパン 野球オランダ代表 野球メキシコ代表 強化試合 |
過去のWBCを振り返ってみても、他国チームの打者は変則タイプの投手に戸惑うシーンを多く見受けました。
それだけに、変則タイプの秋吉投手は中継ぎで1イニングを任せるだけでなく、ピンチの場面で相手打者をその変則投法で戸惑わせるというワンポイントの役割も期待できるでしょう。
まとめ
変則フォームの投手はWBCの大舞台でより重宝する傾向があります。
しかもサイドスローにもかかわらず、140キロ後半のストレートが投げ込めるのは大きな魅力です。
チームとしては守護神、セットアッパーと幅広く、様々な起用に応えてくれるだけに、今季も中継ぎの中心として、心強い存在となることでしょう。