オリックスの抑えの守護神といえば、ベテラン右腕の平野佳寿投手。
2014年にはセーブ王にも輝いた鉄腕が、WBC侍ジャパンのメンバーに招集されま した。
オリックス守護神である平野投手は、果たしてWBCではどのような起用になるのでしょうか。
過去の経歴や実績を含めて見ていきましょう。
平野佳寿投手の経歴・生い立ち
平野佳寿投手は1984年3月8日生まれ、京都府宇治市出身の投手です。
野球を始めたのは小学3年のときのこと。
地元の少年野球チームに所属、その後中学では軟式野球部に所属しました。
このとき投手に転向し、それ以降、投手の道を進むことになったのです。
平野 佳寿(ひらの よしひさ) -オリックス・バファローズ (2006 – )
生年月日 | 1984年3月8日(歳) |
出身地 | 東京都足立区 |
身長 | 186cm |
体重 | 84kg |
ポジション | 投手 |
投打 | 右投右打 |
プロ入り | 京都産業大学〜 2005年 オリックス希望入団枠 |
2016年成績 | 登58 防1.92(4勝4敗31セーブ8ホールド)投61.0 振57 |
鳥羽高校時代 – ( 1999 – 2002 )
高校は地元の鳥羽高校へ。
京都府下では野球の名門校です。
全国大会の戦績 -鳥羽高校(京都)
大会 | 出場回数 | 勝敗 | 優勝 | 準優勝 | ベスト4 |
春の選抜 | 6回 | 10勝4敗 | 1 | 1 | 0 |
夏の選手権 | 4回 | 3勝4敗 | 0 | 0 | 1 |
甲子園通算 | 10回 | 13勝8敗 | 1 | 1 | 1 |
強豪校でもあり3度も甲子園に出場しています。
春の選抜は中継ぎでの登板がありますが、主に2番手投手だったり、夏の大会は故障でベンチ入りできなかったりと、高校時代は甲子園とは不遇な相性でした。
第72回選抜高校野球大会 -鳥羽・平野投手2年時 ( 2000 )
回戦 | 対戦校 | 勝敗 | |
一回戦 | 埼玉栄(埼玉) | ○ | 7-2 |
二回戦 | 長野商(長野) | ○ | 8-6 |
準々決勝 | 明徳義塾(高知) | ○ | 12-5 |
準決勝 | 東海大相模(神奈川) | ● | 1-11 |
第82回全国高校野球選手権大会 -鳥羽・平野投手2年時 ( 2000 )
回戦 | 対戦校 | 勝敗 | |
二回戦 | 桐生第一(群馬) | ○ | 5-1 |
三回戦 | 横浜(神奈川) | ● | 1-2 |
第73回選抜高校野球大会 -鳥羽・平野投手3年時 ( 2001 )
回戦 | 対戦校 | 勝敗 | |
二回戦 | 関西(岡山) | ● | 2-3 |
京都産業大学時代 – ( 2002 – 2006 )
大学も地元の京都産業大学へ進学します。
高校時代は特にプロから注目される存在ではありませんでしたが、大学2年の頃からチームのエースに。
徐々に頭角を現し、プロスカウトからも注目される存在となりました。
大学では4年間で通算36勝をマーク。
通算404奪三振の記録とともに、関西六大学野球リーグでは新記録を樹立。
また最優秀選手2回、最優秀投手4回、ベストナイン4回受賞しています。
京都産業大学投手成績 – ( 2002 – 2006 )
年度 | 登板 | 勝敗 | 防御率 | 投球回 | 安打 | 三振 | 四死球 | 自責点 |
02春〜05秋 | 56 | 36勝11敗 | 1.33 | 185.2 | – | 404 | – | 31 |
ドラフト会議 – ( 2005 )
一躍、ドラフトの超目玉投手となり、2005年の大学・社会人ドラフトでは希望枠でオリックスに入団することになりました。
ドラフト指名選手 – ( オリックス・バファローズ )
希望入団枠 | 平野 佳寿 | 投手 | 京都産業大学 |
3巡目 | 岸田 護 | 投手 | NTT西日本 |
4巡目 | 森山 周 | 内野手 | ヤマハ |
5巡目 | 中山 慎也 | 投手 | JR東海 |
6巡目 | 妹尾 軒作 | 投手 | 一光 |
結婚はしている?
今ではオリックスの守護神となった平野投手。
自身最多72試合に登板し、43ホールドでパリーグのホールド王に輝き、オリックス・中継ぎエースとなった2011年、今の奥様のご結婚されました。
奥さんは一般の女性の方で、知り合った当時はゴルフ場に勤務していました。
そこへ平野投手が猛アタックし、結婚に至ったそうです。
その思いをストレートにぶつけるというのは、いかにも守護神・平野投手らしいエピソードですね。
プロ入り後は!
ルーキーイヤー – ( 2006 )
即戦力の期待を受けて入団した1年目、いきなりプロ初先発で初勝利!
さらに立て続けに完封勝利を挙げる衝撃的なデビューを飾りました。
ルーキーイヤーからいきなり10の完投、4度の完封を達成したものの、オールスター後は勝ち星が伸び悩み、7勝にとどまりました。
年度別投手成績 – (2006)
2005年 (21歳) オリックス希望入団枠 契約金1億円
年度 | 登板 | 防御率 | 勝敗 | 投球回 | 三振 | 年俸 |
2006年(22) | 26(先発24) | 3.81 | 7勝11敗 | 172.1 | 105 | 1500万 |
先発時代 – ( 2007 – 2009 )
先発時代は故障も多かった平野投手。
3年目の2008年は、故障でシーズンを棒に振っています。
翌2009年に復活し、以来662日ぶりの完封勝利を挙げましたがこの年も不振の成績に。
年度別投手成績 – (2007 – 2009)
年度 | 登板 | 防御率 | 勝敗 | 投球回 | 三振 | 年俸 |
2007年(23) | 27(先発26) | 3.72 | 8勝13敗 | 171.2 | 124 | 3700万 |
2008年(24) | – | – | – | – | – | 4800万 |
2009年(25) | 20(先発18) | 4.72 | 3勝12敗 | 114.1 | 91 | 3800万 |
セットアッパー転向 – ( 2010 – 2012 )
中継ぎに転向し、投手人生が変わったのは2010年のことでした。
63試合に登板し、プロ入り初セーブをマークし、7勝を挙げ、1点台の防御率と、中継ぎでの適性を示すと、そこから5年連続で60試合以上に登板。
とりわけ2011年にはパリーグトップの72試合に登板し、43ホールドで、ホールド王のタイトルも獲得しました。
年度別投手成績 – (2010 – 2012)
年度 | 登板 | 防御率 | 勝敗 | 投球回 | 三振 | 年俸 |
2010年(26) | 63 | 1.67 | 7勝2敗2セーブ32ホールド | 80.2 | 101 | 4200万 |
2011年(27) | 72 | 1.94 | 6勝2敗2セーブ43ホールド | 83.2 | 99 | 7200万 |
2012年(28) | 70 | 2.15 | 7勝4敗9セーブ21ホールド | 79.2 | 80 | 1億2000万 |
クローザー – ( 2001 – 2004 )
2013年からは守護神を担うようになり、2014年には40セーブをマークし、最多セーブのタイトルも獲得しました。
2016年開幕当初は新外国人コーディエ投手が守護神を務めましたが極度の不振ですぐに抑えの座に復帰します。
エリック・コーディエ – オリックス・バファローズ (2016)
▲ 2016年13試合に登板し防御率7.30。この年自由契約に。
58試合に登板し、4勝4敗31セーブ。
防御率も1.92と、チームは最下位に沈みましたが、安定感は健在です。
年度別投手成績 – (2010 – 2012)
年度 | 登板 | 防御率 | 勝敗 | 投球回 | 三振 | 年俸 |
2013年(29) | 60 | 1.87 | 2勝5敗31セーブ9ホールド | 62.2 | 71 | 1億5000万 |
2014年(30) | 62 | 3.43 | 1勝6敗40セーブ8ホールド | 60.1 | 70 | 1億9000万 |
2015年(31) | 33 | 4.06 | 0勝3敗12セーブ10ホールド | 30.1 | 39 | 3億0000万 |
2016年(32) | 58 | 1.92 | 4勝4敗31セーブ8ホールド | 61.0 | 57 | 3億0000万 |
NPB通算:10年 | 491 | 3.13 | 45勝62敗127セーブ131ホールド | 917.1 | 837 | 3億0000万 |
プレースタイル
平野投手の持ち味は最速156キロのストレート。
さらに切れ味鋭いフォークで三振を奪うというスタイルです。
ストレートの球威とフォークと聞くと、あの横浜ベイスターズの大魔神・佐々木投手を彷彿とさせます。
その一方でコントロールも抜群であるのは、大きな強みでしょう。
近年は三振の割合も若干右肩下がりですが、守護神としての安定感は錆びることはありません。
タイトル・表彰
最優秀中継ぎ投手 | 1回(2011年) |
最多セーブ投手 | 1回(2014年) |
パ・リーグ特別表彰 | 2回(2011年)(2014年) |
WBC・2017シーズンはどうなる?
WBC
WBCのメンバーを見渡しても、最も守護神としての経験が豊富な平野投手。
WBCでもその経験と実績を活かして守護神としての起用が濃厚ではないでしょうか。
ただし、一戦必勝のWBCの舞台だけに、絶対に最後の1イニングというのではなく、ケースバイケースで終盤の僅少差を守り抜くための起用となりそうです。
東北楽天の若い守護神・松井裕樹投手とともに、終盤のリードを守り抜く左右の両輪となることでしょう。
松井 裕樹(まつい ゆうき)-東北楽天ゴールデンイーグルス (2014 – )
2017シーズン
一方でシーズンが始まると、当然守護神ということになるでしょう。
守護神のライバルとなる中継ぎ候補の外国人投手の獲得はあったものの、どの投手も未知数であるのは間違いありません。
安定感や経験でも平野投手がぬきんでているのは言うまでもありません。
セットアッパー・クローザー成績(オリックス・バファローズ )
役割 | 選手 | 登板 | 防御率 | 勝 | 敗 | S | H | 投球回数 | 三振 |
中継ぎ | 吉田 一将 | 54 | 2.66 | 5 | 2 | 1 | 21 | 50.2 | 36 |
中継ぎ | 塚原 頌平 | 54 | 2.67 | 4 | 1 | 0 | 13 | 54.0 | 40 |
中継ぎ | 海田 智行 | 50 | 2.78 | 1 | 3 | 0 | 15 | 45.1 | 31 |
中継ぎ | 佐藤 達也 | 43 | 5.01 | 1 | 4 | 0 | 12 | 41.1 | 53 |
クローザー | コーディエ(退団) | 13 | 7.30 | 0 | 2 | 2 | 0 | 12.1 | 14 |
クローザー | 平野 佳寿 | 58 | 1.92 | 4 | 4 | 31 | 8 | 61.0 | 57 |
まとめ
投手陣の選手層が薄いとされているWBC侍ジャパンのメンバー。
しかし、その中で平野投手はオリックスでは百戦錬磨の守護神!
年齢的にもベテランの域に差し掛かっています。
投手陣の中では精神的支柱としての役割はもちろん、シーズンを通しても、守護神としての活躍が注目されます。
チームの最下位脱出、上位進出のためにベテランは力を最大限に発揮してくれることでしょう。