金本新監督を迎え、前評判も非常に高かった今季の阪神ですが、若手の積極起用もありながら、Bクラスに沈んでしまいました。
暗いシーズンとなった今季ですが、その中で若手の成長も若干ながら感じられた一年となりました。
その代表格が北條史也選手でしょう。果たして北條選手は来季、本領を発揮するのでしょうか。
北條史也の今季活躍は?
北條 史也(ほうじょう ふみや)-阪神タイガース (2013 – )
生年月日 | 1994年7月29日(22歳) |
出身地 | 大阪府堺市南区 |
身長 | 177cm |
体重 | 76kg |
ポジション | 内野手 |
投打 | 右投右打 |
プロ入り | 光星学院〜2012年 ドラフト2位 |
北條史也選手は、4年目のシーズンとなった今季ですが、ここまでの3年間で、1軍出場は2015年のわずか1試合、1打席のみでした。
しかし、今季は金本新監督の若手を積極的に起用するという采配の下で、一気に出場機会を増やしてきました。
本来、球団内では期待度の高かった若手だけに、阪神ファンの中には北條選手の台頭を待ち望んでいた方も多かったのではないでしょうか。
現打撃コーチ濱中治さんが「阪神タイガース・次代のキャプテン候補は、“金本監督の右バージョン”北條史也」と言わせるほどの逸材です。
年度別打撃成績
2012年(18歳) ドラフト2位 契約金7000万円
年度 | 試合数 | 打率 | 打点 | 本塁打 | 盗塁 | 年俸 |
---|---|---|---|---|---|---|
2013年(19) | — | – | – | – | – | 720万 |
2014年(20) | — | – | – | – | – | 720万 |
2015年(21) | 1 | .000 | – | – | – | 730万 |
2016年(22) | 122 | .273 | 33 | 5 | 6 | 730万 |
プロ通算:4年 | 123 | .272 | 33 | 5 | 6 |
シーズン序盤はスタメン起用されても下位打線が中心でした。
シーズン序盤は打率1割台に低迷することもありましたが、監督の辛抱強い起用もあって、徐々に1軍でも持ち味の打力を発揮するようになりました。
やがて、阪神のキャプテンである鳥谷選手の極度の不振に伴って、スタメンを外れる機会が増える中で、北條選手がショートのスタメンに入る機会も増えました。
やがて、鳥谷選手はサードに回り、北條選手が「1番・ショート」のポジションを任される機会も増えました。
鳥谷 敬(とりたに たかし)
生年月日 | 1981年6月26日(35歳) |
出身地 | 東京都東村山市 |
身長 | 180cm |
体重 | 79kg |
ポジション | 内野手 |
投打 | 右投左打 |
プロ入り | 2003年 自由獲得枠 |
今季成績 | 試143 率.236 本7 点36 盗13 OPS.667 |
スローガン「超変革」での台頭若手野手
選手 | 年齢 | ポジション | 成績 | |
---|---|---|---|---|
髙山 俊 | 23 | 外野 | 率.275 | 試135 安136 本8 点65 盗5 |
原口 文仁 | 24 | 捕手 | 率.299 | 試107 安95 本11 点46 盗1 |
北條 史也 | 22 | 内野 | 率.273 | 試122 安105 本8 点33 盗6 |
江越 大賀 | 23 | 外野 | 率.209 | 試72 安40 本7 点20 盗4 |
中谷 将大 | 23 | 外野 | 率.266 | 試64 安41 本4 点14 盗1 |
板山 祐太郎 | 23 | 外野 | 率.266 | 試40 安25 本0 点5 盗1 |
北條史也選手は、シーズン終盤には概ね1番打者に定着し、徐々に試合の中で長打を放つ場面も見受けられるようになりました。
高卒4年目にして1軍で100安打以上を放ちましたが、これは阪神ではあの新庄剛志選手以来、23年ぶりの快挙となりました。
新庄 剛志(しんじょう つよし)
生年月日 | 1972年1月28日(44歳) |
出身地 | 福岡県福岡市南区 |
身長 | 181cm |
体重 | 76kg |
ポジション | 外野手 |
投打 | 右投左打 |
プロ入り | 西日本短大附属〜1989年 ドラフト5位 |
NPB通算成績 | 試1411 率.254 本205 点716 盗73 OPS.737 |
高校時代に甲子園記録!その経歴は?
そんな北條選手は大阪府堺市出身で、小学4年から野球を始めましたが、高校は越境留学で青森の光星学院高校に進学しました。
実は、今季千葉ロッテで正捕手として活躍した田村龍弘選手は、小学校から高校までずっとチームメイトであり、お互いプロから注目される存在となっていたのです。
田村 龍弘(たむら たつひろ)
生年月日 | 1994年5月13日(22歳) |
出身地 | 大阪府大阪狭山市 |
身長 | 174cm |
体重 | 80kg |
ポジション | 捕手 |
投打 | 右投右打 |
プロ入り | 2012年 ドラフト3位 |
今季成績 10/3 | 試128 率.256 本2 点36 盗6 OPS.655 |
光星学院高校入学後、秋にはショートのレギュラーの座をつかみ、2年の夏に初めて甲子園出場を果たし、通算で8打点を挙げる大活躍で、チーム準優勝の原動力となりました。
初戦から満塁のチャンスにタイムリーを放つなど、収支大車輪の活躍を見せ、その年の神宮大会でも11打数5安打、しかもサヨナラ満塁ホームランを放つなど、その打棒をいかんなく発揮しました。
3年の夏の甲子園では4本塁打を放つなど、長打力の面でも成長を見せました。
甲子園で通算29打点をマークしましたが、この数字はあの清原和博選手と並ぶ記録でした。
勝負強くパンチ力ある打撃がプロから注目を集めた要因となりました。
第93回全国高校野球選手権大会(2011年)北條選手2年生時の光星学院試合結果
回戦 | 対戦校 | 勝敗 | |
二回戦 | 専大玉名(熊本県) | ○ | 16-1 |
三回戦 | 金沢(石川県) | ○ | 4-0 |
準々決勝 | 神戸弘陵(兵庫県) | ○ | 10-1 |
準決勝 | 智弁和歌山(和歌山県) | ○ | 4-5 |
決勝 | 神戸弘陵(兵庫県) | ● | 10-1 |
第84回選抜高校野球大会(2012年)北條選手3年生時の光星学院試合結果
回戦 | 対戦校 | 勝敗 | |
一回戦 | 北照(北海道) | ○ | 3-0 |
二回戦 | 近江(滋賀県) | ○ | 13-1 |
準々決勝 | 愛工大名電(兵庫県) | ○ | 5-2 |
準決勝 | 関東一(東京都) | ○ | 6-1 |
決勝 | 大阪桐蔭(大阪府) | ● | 3-7 |
第94回全国高校野球選手権大会(2012年)北條選手3年生時の光星学院試合結果
回戦 | 対戦校 | 勝敗 | |
二回戦 | 遊学館(石川県) | ○ | 4-0 |
三回戦 | 神村学園(鹿児島県) | ○ | 9-4 |
準々決勝 | 桐光学園(神奈川県) | ○ | 3-0 |
準決勝 | 東海大甲府(山梨県) | ○ | 9-3 |
決勝 | 大阪桐蔭(大阪県) | ● | 0-3 |
同年代のライバルがすごい!
ところで高卒4年目と言えば、北條選手の周りにはビッグネームが並びます。
北海道日本ハムで「二刀流」として、投げては10勝、打っては22本塁打と、投打に渡って大活躍し、チームの優勝に大きく貢献した大谷翔平選手。
首位打者に迫るくらいの打率を残すだけでなく、勝負どころで神がかり的な活躍を見せ、監督に「神ってる」と言わしめ、チームに優勝に貢献した鈴木誠也選手。
さらにチームメイトの藤浪晋太郎投手…こういったところが、北條選手と同じ世代です。
大谷 翔平(おおたに しょうへい)
生年月日 | 1994年7月5日(22歳) |
出身地 | 岩手県奥州市 |
身長 | 193cm |
体重 | 100kg |
ポジション | 投手・外野手 |
投打 | 右投右打 |
プロ入り | 花巻東〜2012年 ドラフト1位 |
今季成績 | 登21 防1.86 10勝4敗 投140.0 振174 試104 率.322 本22 点67 盗7 OPS1.004 |
鈴木 誠也(すずき せいや)
生年月日 | 1994年8月18日(22歳) |
出身地 | 東京都荒川区 |
身長 | 181cm |
体重 | 87kg |
ポジション | 外野手 |
投打 | 右投右打 |
プロ入り | 二松學舍大附属〜2012年 ドラフト2位 |
今季成績 | 試129 率.335 本29 点95 盗16 OPS1.015 |
藤浪 晋太郎(ふじなみ しんたろう)
生年月日 | 1994年4月12日(22歳) |
出身地 | 大阪府堺市南区 |
身長 | 197cm |
体重 | 89kg |
ポジション | 投手 |
投打 | 右投右打 |
プロ入り | 大阪桐蔭〜2012年 ドラフト1位 |
今季成績 | 登26 防3.25 7勝11敗 投169.0 振176 |
今のところ、彼らと比べると、若干出遅れた印象はあります。
しかし、今季は来季へ向けて大きな飛躍を感じさせる成績でした。
今季は新人王の資格がありました。
しかし、セリーグを見渡してみると、チームメイトの高山俊選手の活躍ぶりが目立つため、北條選手の新人王獲得は難しいかもしれませんね…。
セ・リーグ新人王候補
選手 | 球団 | ポジション | 成績 | |
---|---|---|---|---|
今永 昇太 | DeNA | 投手 | 防2.93 | 登22 8勝9敗 投135.1 振136 |
高山 俊 | 阪神 | 外野手 | 率.275 | 試134 安136 本8 点65 盗5 |
戸柱 恭孝 | DeNA | 捕手 | 率.226 | 試124 安83 本2 点23 盗0 |
北條 史也 | 阪神 | 内野手 | 率.273 | 試122 安105 本5 点33 盗6 |
まとめ
今季は金本監督自身の期待から我慢の起用といった部分も大きかったでしょう。
来季は自分自身の力でレギュラーの座を手中に収めることができるか勝負の年ともなります。
しかし、シーズン終盤になって、安定感を高めてきた北條選手だけに、何かしらの手応えはつかんだことでしょう。
だからこそ、来季、さらなる覚醒の可能性は十分にあるのではないでしょうか。