1年目から7勝を挙げた西武・多和田真三郎投手。
当然ながら今年は、更なる活躍が期待されます。
現在、右肩違和感で戦列を離れている多和田投手は今季期待に応えることができるでしょうか。
昨年の成績を振り返りながら、今年はどのような結果を残すか、その活躍ぶりを占ってみましょう。
多和田真三郎投手の経歴・プロフィール
多和田真三郎投手は1993年4月13日生まれで、歳になったばかり。
沖縄県中頭郡出身の西武の投手です。
家族はご両親と2人のお兄さんの5人家族。お父さんは鉄骨の工事業を営んでいるそうです。
多和田 真三郎(たわた しんさぶろう)- 埼玉西武ライオンズ (2016 – )
生年月日 | 1993年4月13日(歳) |
出身地 | 沖縄県中頭郡中城村 |
身長 | 182cm |
体重 | 82kg |
ポジション | 投手 |
投打 | 右投右打 |
プロ入り | 沖縄県立中部商〜富士大〜 西武2015年 ドラフト1位 |
2016年成績 | 登18(先発:18) 防4.38(7勝5敗)投98.2 振91 |
小学1年のときに地元の少年野球クラブに所属したのが野球との出会い。
中学でも軟式野球部に所属しました。
沖縄・中部商高校時代 – (2009 – 2012 )
高校は沖縄の強豪である中部商業高校に進学。
2年夏の県予選では巨人に在籍している宮国椋丞投手と投げ合ったことも。
宮國 椋丞(みやぐに りょうすけ)- 沖縄県立糸満高 (2008 – 2011)
甲子園に出場した経験はなかったものの、完投能力があり、ストレートも140キロを超えていたことから、プロのスカウトからも注目されていました。
第92回選手権沖縄大会 – 2年時 ( 2010 )
回戦 | 対戦校 | 勝敗 | |
一回戦 | 沖縄高専 | ○ | 12-0 |
二回戦 | 那覇西 | ○ | 10-0 |
三回戦 | 西原 | ○ | 4-1 |
準々決勝 | 糸満 | ● | 0-3 |
第93回選手権沖縄大会 – 3年時 ( 2011 )
回戦 | 対戦校 | 勝敗 | |
一回戦 | 名護商工 | ○ | 17-0 |
二回戦 | 石川 | ○ | 7-5 |
三回戦 | 浦添商 | ○ | 5-4 |
準々決勝 | 豊見城 | ○ | 3-2 |
準決勝 | 興南 | ○ | 7-6 |
決勝 | 糸満 | ● | 1-2 |
富士大学時代 – (2012 – 2016 )
プロ志望届を提出したものの、どこからも指名はなく、選んだ大学は東北の富士大学。
沖縄から岩手への大移動です。
大学進学後、多和田投手の投球はさらにレベルアップ。
ストレートは152キロを計時するようになり、リーグ戦では2年の春からコンスタントに5勝をマーク。
4年の春には6勝負けなしで、防御率0.20という圧巻のピッチングを見せるようになりました。
スリークオーターからの150キロを越える速球に、カットボール、スライダー、シンカーなどの多彩な変化球を織り交ぜる投球は、北東北大学リーグでは向かうところ敵なしでした。
富士大学投手成績 – ( 2012 – 2015 )
年度 | 登板 | 勝敗 | 防御率 | 投球回 | 安打 | 三振 | 四死球 | 自責点 |
12春〜15秋 | 46 | 32勝8敗 | 1.08 | 316.1 | – | 342 | 67 | 38 |
表彰
MVP | 5回:2012春・2013春・2014春秋・2015春 |
ベストナイン | 3回:2013春・2014春・2015春 |
優秀選手賞 | 1回:2013秋 |
ドラフト会議 – ( 2015 )
4年次に右肩痛を発症しましたが、それでも高い評価は変わらず、2015年のドラフト会議で西武が1位指名して入団。
▲ 2015年西武1位(契約金1億円プラス出来高5000万円、年俸1500万円)
ドラフト指名選手 – ( 埼玉西武ライオンズ )
1位 | 多和田 真三郎 | 投手 | 富士大学 |
2位 | 川越 誠司 | 投手 | 北海学園大学 |
3位 | 野田 昇吾 | 投手 | 西濃運輸 |
4位 | 大瀧 愛斗 | 外野手 | 花咲徳栄高 |
5位 | 南川 忠亮 | 投手 | JR四国 |
6位 | 本田 圭佑 | 投手 | 東北学院大学 |
7位 | 呉 念庭 | 内野手 | 第一工業大学 |
8位 | 國場 翼 | 投手 | 第一工業大学 |
9位 | 藤田 航生 | 投手 | 弘前工業高 |
10位 | 松本 直晃 | 投手 | 香川オリーブガイナーズ |
プライベートは?
プライベートの方では、特に彼女の話題はありませんでした。
1年目から活躍し、これからプロでより注目される選手になってくれば、彼女の話題も出てくるかもしれません。
2016年ルーキーイヤーは?
大学4年生のときに右肩痛を発症し、それ以来、ピッチング練習を行っていなかったという多和田投手。
しかし、新人合同自主トレではようやく投球が出来るようになり、5月には1軍昇格を果たしました。
プロ初登板は初先発、相手はその年の日本一・日本ハムでしたが、2回途中4失点とプロの洗礼を受ける形となりました。
しかし6月19日の東京ヤクルト戦で5回5失点と、先発としての結果は残せなかったものの、打線が援護してくれたおかげでプロ初勝利を手にしました。
そして、ルーキーが最も苦しむであろう夏場。
そこはさすが沖縄出身だからでしょうか、その夏場にもうチャージをかけました。
8月11日の北海道日本ハム戦でプロ初完封勝利を達成すると、そこから5連勝。
一気に勝ち星を7つまで伸ばしたのです。
2016年月別勝敗数
年度 | 登板 | 勝利 | 敗戦 |
5月 | 3 | 0 | 1 |
6月 | 4 | 1 | 2 |
7月 | 3 | 1 | 1 |
8月 | 5 | 3 | 1 |
9月 | 3 | 2 | 0 |
開幕当初は140キロ台中盤どまりだったストレートも、150キロに届く場面も出てきました。
前年までの右肩痛の影響がなくなり、思うようなピッチングができるようになったのでしょう。
力を取り戻せば、十分にプロで通用するところを見せ付けました。
年俸も入団当初の1500万円から、2300万円にまでアップしています。
年度別投手成績 – (2016)
2015年 (22歳) 西武ドラフト1位 契約金1億円+出来高5000万円
年度 | 登板 | 防御率 | 勝敗 | 投球回 | 三振 | 年俸 |
2016年(23) | 18(先発18) | 4.38 | 7勝5敗 | 98.2 | 91 | 1500万→2300万 |
イースタン・リーグ投手成績 – (2016)
年度 | 登板 | 防御率 | 勝敗 | 投球回 | 三振 | 自責点 |
2016年(23) | 5 | 2.05 | 2勝0敗 | 22.0 | 21 | 5 |
2017年今季の期待は
2年目の今シーズンは、開幕から先発ローテーションをしっかり守っていくことが期待されています。
球団としても開幕から先発の一角として起用されています。
エースだった岸孝之投手がFA権を行使して東北楽天に移籍したことで、次は多和田投手にエースを…という期待も膨らんでいますが・・・
思うように試合が作れないことも多いのが現状です。
西武・多和田、交流戦復帰目指す 苦しいローテ事情、辻監督「あまり休んでもらうわけにはいかない」
2年目で初めて開幕ローテ入りした今季の多和田は4試合で0勝2敗、防御率8・50。勝ち星のないまま4月29日に出場選手登録を抹消されリハビリを続けている。患部は順調に回復しており、5月6日にはネットスローを再開。「なるべく早く戻れるようにしたい」と意欲を示した。4カード連続勝ち越しなしで借金2となったチームは、9日からの日本ハム2連戦でともに未勝利の高橋光、十亀が先発する。札幌市内で調整した高橋光は「自分が勝てていない(4敗)ことで迷惑をかけている。チームに勢いをつけられるように」と意気込んだ。交流戦までの3週間、現状の先発陣をやりくりしながら多和田の復帰を待つことになりそうだ。
高橋光成投手や十亀剣投手といったチーム内ライバルもあり、彼らをはねのけるくらいの結果を残すことが、エースへの条件となります。
髙橋 光成(たかはし こうな)- 埼玉西武ライオンズ (2015 – )
十亀 剣(とがめ けん)- 埼玉西武ライオンズ (2012 – )
エース候補の1人ではありますが、昨年、ルーキーとして十分な結果を残したからこそ、今年はさらに一段レベルアップした成績が求められます。
今年は開幕こそ思うような結果が残せていませんが、昨年も試合を重ねるごとに結果を残していただけに、今後に期待は出来るでしょう。
2017年先発投手陣 – ( 2016年成績 )
選手 | 登板 | 防御率 | 勝 | 敗 | 投球回 | 三振 | WHIP |
菊池 雄星 | 22(先発22) | 2.58 | 12 | 7 | 143.0 | 127 | 1.29 |
野上 亮磨 | 22(先発18) | 3.87 | 3 | 9 | 107.0 | 62 | 1.45 |
ウルフ | 4(先発4) | 3.04 | 4 | 0 | 23.2 | 8 | 1.27 |
多和田 真三郎 | 18(先発18) | 4.38 | 7 | 5 | 98.2 | 91 | 1.43 |
髙橋 光成 | 22(先発19) | 4.42 | 4 | 11 | 118.0 | 89 | 1.57 |
十亀 剣 | 21(先発13) | 6.31 | 4 | 6 | 71.1 | 41 | 1.63 |
キャンデラリオ | – | – | – | – | – | – | – |
今井 達也 | – | – | – | – | – | – | – |
まとめ
若手投手が多い西武。
1年目から7勝、しかも夏場に猛チャージをかけることが出来るそのスタミナは、先発投手としての素養を十分に持ち合わせており、1年目からのその力を発揮しました。
シーズン通して投げることができれば、10勝もけして夢ではありません。
将来のエースに向けての階段を、今季さらに1段、また1段と登ることが出来るか、多和田投手の投球から目が離せません。