2014年ドラフトで最も注目された投手の一人でやる安楽智大投手。
高校時代は最速157キロのストレートを投げ、高校球界ナンバーワン投手として高く評価されていました。
東北楽天に入団して早3年目。
今季2017年はいよいよ覚醒するのか、その可能性を探ってみましょう。
安楽智大投手の経歴・生い立ち
安楽智大投手は1996年11月4日生まれ愛媛県松山市出身で、現在20歳です。
幼少時代はお父さんの仕事の関係で高知市内に住んでいた事もあったようです。
安樂 智大(あんらく ともひろ) -東北楽天ゴールデンイーグルス (2015 – )
生年月日 | 1996年11月4日(20歳) |
出身地 | 愛媛県松山市 |
身長 | 186cm |
体重 | 87kg |
ポジション | 投手 |
投打 | 右投左打 |
プロ入り | 済美高等学校〜2014年 楽天ドラフト1位 |
2016年成績 | 登15 防3.42(3勝5敗)投84.1 振64 |
小学校〜中学校時代 -東雲イーグルス(小学生)〜松山クラブボーイズ(中学生)
安楽投手が野球を始めたのは小学2年生の時のこと。
軟式野球からスタートし中学時代には地元のクラブチームに所属していました。
中学時代にはすでにストレートは135キロに到達していたと言われています。
済美高校時代 -2012年〜2014年
中学時代から注目されていた安楽投手は、地元愛媛の済美高校に進学。
1年時から主力投手として先発を任されることも多くありました。
1年秋からエースナンバーである1番を奪取!
2013年2年時春に出場した選抜高校野球ではエースとして準優勝の原動力となりました。
この時、安楽投手は5試合で772球を投げ、ストレートも150km以上を記録。
第85回記念選抜高校野球大会 -安樂投手2年時投手成績 (2013 )
回戦・対戦校 | 投球回数 | 被安打 | 奪三振数 | 与四死球数 | 自責点 | |||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
二回戦 | 広陵(広島) | ○ | 延長13回 4-3 | 13.0 | 10 | 13 | 6 | 3 |
三回戦 | 済々黌(熊本) | ○ | 4-1 | 9.0 | 7 | 8 | 3 | 1 |
準々決勝 | 県岐阜商(岐阜) | ○ | 6-3 | 9.0 | 9 | 7 | 2 | 3 |
準決勝 | 高知(高知) | ○ | 3-2 | 9.0 | 6 | 7 | 0 | 2 |
決勝 | 浦和学院(埼玉) | ● | 17-1 | 6.0 | 12 | 2 | 3 | 3 |
計5試合 | 防御率 2.35 | – | – | 46.0 | 44 | 37 | 14 | 12 |
一躍プロからも注目される存在となった反面、その投げ過ぎが物議を醸しました。
実際その後、右手の故障に苦しみ、自慢のストレートの球威が低下したのは事実です。
2年夏の甲子園、三重高校戦で甲子園最速の球速155km/hを記録。
甲子園球速ランキング
155km/h | 安樂 智大(済美) | 2013夏 | 三重戦 |
佐藤 由規(仙台育英) | 2007夏 | 智弁学園戦 | |
154km/h | 寺原 隼人(日南学園) | 2001夏 | 玉野光南戦 |
菊池 雄星(花巻東) | 2009夏 | 東北戦 | |
今宮 健太(明豊) | 2009夏 | 花巻東戦 | |
153km/h | 藤浪 晋太郎(大阪桐蔭) | 2012春・夏 | 浦和学院戦・光星学院戦 |
釜田 佳直(金沢) | 2011夏 | 習志野戦 |
第95回全国高校野球選手権大会 -安樂投手2年時投手成績 (2013 )
回戦・対戦校 | 投球回数 | 被安打 | 奪三振数 | 与四死球数 | 自責点 | |||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
二回戦 | 三重(三重) | ○ | 9-7 | 9.0 | 11 | 7 | 1 | 6 |
三回戦 | 花巻東(岩手) | ● | 延長10回 6-7 | 10.0 | 11 | 14 | 4 | 7 |
計2試合 | 防御率 6.16 | – | – | 19.0 | 22 | 21 | 5 | 13 |
同年、第26回AAA世界野球選手権大会の日本代表に選出。
大会の最優秀防御率と最高勝率を記録し日本代表のエースとして活躍!
第26回AAA世界野球選手権大会 -安樂投手2年時投手成績 (2013 )
回戦・対戦校 | 投球回数 | 被安打 | 奪三振数 | 与四死球数 | 自責点 | |||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
第1ラウンド | ベネズエラ | ○ | 7-0 | 9.0 | 2 | 16 | 0 | 0 |
第1ラウンド | カナダ | – | 7-5 | 1.0 | 0 | 1 | 0 | 0 |
第2ラウンド | キューバ | ○ | 10-0 | 8.0 | 6 | 10 | 0 | 0 |
計3試合 | 防御率 0.00 | – | – | 18.0 | 8 | 27 | 0 | 0 |
2年時は圧倒的な活躍をしましたが、翌2014年3年時は怪我の影響もあり春・夏共に予選敗退しています。
2014年ドラフト会議
一時はドラフト会議で多くの球団が1位指名するのではないかと思われていましたが、故障などもあり、結果的には東京ヤクルトと東北楽天が指名。
▲ 楽天・ヤクルトとの競合の末、抽選に臨んだのは立花陽三・楽天球団社長。右手で当たりくじを見事に引き当てました!
抽選の結果、東北楽天へ契約金1億円、年俸1,200万円(金額は推定)で入団が決まったのです。
ドラフト指名選手
1位 | 安樂 智大 | 投手 | 済美高 |
2位 | 小野 郁 | 投手 | 西日本短期大学附属高 |
3位 | 福田 将儀 | 外野手 | 中央大学 |
4位 | ルシアノ・フェルナンド | 外野手 | 白鴎大学 |
5位 | 入野 貴大 | 投手 | 徳島インディゴソックス |
6位 | 加藤 正志 | 投手 | JR東日本東北 |
7位 | 伊東 亮大 | 外野手 | 日本製紙石巻 |
プロ入り後の活躍は?
高校球界屈指の右腕として注目された安楽投手。
甲子園通算投手成績
年度 | 試合 | 防御率 | 投球回 | 被安打 | 三振 | 四死 | 自責点 |
2013(春・夏) | 7 | 3.46 | 65.0 | 66 | 58 | 19 | 25 |
2015年ルーキイヤー
東北楽天はプロ入り後2年はファームでしっかり育成するという方針だったようです。
イースタンリーグではシーズン4勝をマーク。
ファーム投手成績 – (2015)
年度 | 登板 | 防御率 | 勝敗 | 投球回 | 三振 | 自責点 |
2015年(19) | 19 | 2.57 | 4勝1敗 | 49.0 | 35 | 14 |
その年のシーズン最終盤の10月5日、パリーグ 屈指の打線を誇る福岡ソフトバンクを相手に先発デビューを果たし勝利投手に!
高卒新人投手による一軍公式戦初登板初勝利は、ソフトバンクエース・武田翔太投手以来の史上18人目の快挙を記録しています。
楽天・安楽、プロ初登板初先発で6回無失点デビュー!
パ・リーグ 楽天―ソフトバンク(10月5日 コボスタ宮城)楽天のドラフト1位ルーキー・安楽智大投手(18)が5日のソフトバンク戦(コボスタ宮城)でプロ初登板初先発。6回を94球、2安打4奪三振5四球で無失点に抑え、勝利投手の権利を手にして降板した。初回は140キロ台のストレートを主体に、先頭・上林、そして川島をいずれも二ゴロに打ち取った。長谷川には四球を与えたが、続く内川を二ゴロに仕留めた。2回は1死から松田に右前打を許し、2つの四球で2死満塁のピンチを背負ったが、上林を135キロの落差あるフォークが空振り三振に仕留め、無失点で切り抜けた。3回は先頭・川島を四球で出すも、長谷川を空振り三振、内川を二ゴロ併殺打に打ち取った。4回にも先頭・李大浩に四球を与えたが、後続を3人で打ち取った。打線の援護を受け、勝利投手の権利が懸かった5回は1死から上林に左翼線に落ちる二塁打を許したものの、後続を抑えて無失点。毎回、走者を出しながらも、粘りの投球でスコアボードに「0」に並べ続けた。5回までの球数は84球。安楽は6回もマウンドに上がると、内川、李大浩、松田を三者凡退に仕留めた。
年度別投手成績 – (2015)
2014年 (18歳) 楽天ドラフト1位 契約金1億円
年度 | 登板 | 防御率 | 勝敗 | 投球回 | 三振 | 年俸 |
2015年(19) | 1 | 0.00 | 1勝0敗 | 6.0 | 4 | 1500万 |
2016年
2年目となった2016年ではイースタン・リーグ通算9試合に登板。
倉敷マスカットスタジアムのフレッシュオールスターゲームにも出場しています。
ファーム投手成績 – (2016)
年度 | 登板 | 防御率 | 勝敗 | 投球回 | 三振 | 自責点 |
2016年(20) | 9 | 2.96 | 3勝1敗 | 54.2 | 45 | 18 |
1軍では主に先発をしながら、15試合に登板し、3勝5敗という成績を残しました。
すでに球速150kmを記録するまでに調子は戻っています。
1年目に比べ勝ち星も伸びており、徐々に成長していることを伺わせます。
年度別投手成績 – (2016)
年度 | 登板 | 防御率 | 勝敗 | 投球回 | 三振 | 年俸 |
2016年(20) | 15 | 3.42 | 3勝5敗 | 84.1 | 64 | 1200万 |
NPB通算:2年 | 16 | 3.19 | 4勝5敗 | 90.1 | 68 | 2100万 |
2017年は先発ローテに入れるか?
東北楽天はエースである則本昂大投手に加え、FAで埼玉西武の岸投手を獲得しました。
則本 昂大(のりもと たかひろ) -東北楽天ゴールデンイーグルス (2013 – )
生年月日 | 1990年12月17日(26歳) |
出身地 | 滋賀県犬上郡多賀町 |
身長 | 178cm |
体重 | 82kg |
ポジション | 投手 |
投打 | 右投左打 |
プロ入り | 三重中京大学〜2012年 楽天ドラフト2位 |
2016年成績 | 登28 防2.91(11勝11敗)投195.0 振216 |
岸 孝之(きし たかゆき) -東北楽天ゴールデンイーグルス (2017 – )
生年月日 | 1984年12月4日(32歳) |
出身地 | 宮城県仙台市太白区 |
身長 | 180cm |
体重 | 77kg |
ポジション | 投手 |
投打 | 右投右打 |
プロ入り | 東北学院大学〜2006年 西武希望入団枠 |
2016年成績 | 登19 防2.49(9勝7敗)投130.1 振104 |
先発に大きな二枚看板が完成し、さらには塩見貴洋投手や美馬学投手らが先発要員はいるものの、まだ先発不足は否めません。
塩見 貴洋(しおみ たかひろ) -東北楽天ゴールデンイーグルス (2011 – )
生年月日 | 1988年9月6日(28歳) |
出身地 | 大阪府守口市 |
身長 | 182cm |
体重 | 77kg |
ポジション | 投手 |
投打 | 左投左打 |
プロ入り | 八戸大学〜2010年 楽天ドラフト1位 |
2016年成績 | 登24 防3.89(8勝10敗)投148.0 振111 |
美馬 学(みま まなぶ) -東北楽天ゴールデンイーグルス (2011 – )
生年月日 | 1986年9月19日(30歳) |
出身地 | 茨城県北相馬郡藤代町 |
身長 | 169cm |
体重 | 75kg |
ポジション | 投手 |
投打 | 右投左打 |
プロ入り | 東京ガス〜2010年 楽天ドラフト2位 |
2016年成績 | 登26 防4.30(9勝9敗)投169.0 振116 |
だからこそ今季3年目を迎える安楽投手には十分先発投手のチャンスがあります。
昨シーズン12度の先発をしているだけに、球団としても今季で向けての期待度は大きいはずです。
もちろん簡単に先発ローテーションに入れるわけではありません。
先発ローテーション入りを狙う若手投手もたくさんいます。
高校生から入団した森雄大投手や釜田佳直投手、そしてルーキーの藤平尚真投手といったところも、ライバルになってくるでしょう。
森 雄大(もり ゆうだい) -東北楽天ゴールデンイーグルス (2013 – )
生年月日 | 1994年8月19日(22歳) |
出身地 | 福岡県福岡市 |
身長 | 184cm |
体重 | 75kg |
ポジション | 投手 |
投打 | 左投左打 |
プロ入り | 東福岡高〜2012年 楽天ドラフト1位 |
2015年成績 | 登3 防5.29(0勝2敗)投17.0 振17 |
釜田 佳直(かまた よしなお) -東北楽天ゴールデンイーグルス (2012 – )
生年月日 | 1993年10月26日(23歳) |
出身地 | 愛知県蒲郡市 |
身長 | 177cm |
体重 | 77kg |
ポジション | 投手 |
投打 | 右投左打 |
プロ入り | 金沢高〜2011年 楽天ドラフト2位 |
2016年成績 | 登20 防4.14(7勝5敗)投113.0 振77 |
藤平 尚真(ふじひら しょうま) -東北楽天ゴールデンイーグルス (2017 – )
生年月日 | 1998年9月21日(18歳) |
出身地 | 愛知県蒲郡市 |
身長 | 186cm |
体重 | 84kg |
ポジション | 投手 |
投打 | 右投右打 |
プロ入り | 横浜高〜2016年 楽天ドラフト1位 |
2017年楽天先発投手陣 – (2016年成績 )
登板(先発) | 選手 | 防御率 | 勝 | 敗 | 投球回数 | 三振 |
28(28) | 則本 昂大 | 2.91 | 11 | 11 | 195.0 | 216 |
19(19) | 岸 孝之 | 2.49 | 9 | 7 | 130.1 | 118 |
26(25) | 美馬 学 | 4.30 | 9 | 9 | 155.0 | 116 |
24(24) | 塩見 貴洋 | 3.89 | 8 | 10 | 148.0 | 111 |
20(20) | 釜田 佳直 | 4.14 | 7 | 5 | 113.0 | 77 |
15(12) | 安樂 智大 | 3.42 | 3 | 5 | 84.1 | 64 |
13(13) | 辛島 航 | 3.88 | 3 | 7 | 72.0 | 48 |
登板無 | 森 雄大 | – | – | – | – | – |
– | 藤平 尚真 | – | – | – | – | – |
まとめ
東北楽天は昨シーズン5位に沈んでしまいました。
しかし、岸投手の加入で、とりわけ先発投手陣には厚みが増してきました。
ここに安楽投手が台頭してくるようになれば、一気に上位躍進の期待も高まります。
1年目1勝、2年目3勝と着実にステップアップしているだけに、今年の覚醒、十分期待できそうです。