金本知憲監督が就任して2年目の今シーズン。
阪神は絶好調なスタートとなっています。
今季も好調阪神を支えているピッチャーの一人が守護神・ドリス投手です。
セットアッパーを務めるマテオ投手との勝利の方程式で、チームの快進撃を支えているドリス投手に注目していましょう。
阪神ドリス投手の生い立ち
ドリス投手は阪神に所属しているドミニカ共和国出身の投手。
1988年1月10日生まれの歳です。
ラファエル・ドリス -阪神タイガース (2016 – )
生年月日 | 1988年1月10日(歳) |
出身地 | ドミニカ共和国ラ・ロマーナ州ラ・ロマーナ |
身長 | 195cm |
体重 | 109kg |
ポジション | 投手 |
投打 | 右投右打 |
初出場 | MLB / 2011年9月26日 NPB / 2016年4月19日 |
MLB成績:3年 | 登40(先発:0) 防5.48(2勝4敗4s3h)投44.1 振25 |
ディビナ・プロビデンシア高校を卒業し、その年シカゴ・カブスと契約したことで、プロ野球生活がスタートしました。
このドリス投手、あまり私生活に関する情報がありません。
どうもまだ結婚をしていないようですが、彼女がいるかどうかなどの情報も不明です。
ただ、ドミニカ共和国出身でラテン系の雰囲気がそうさせるのか、性格は非常に明るく、チームのムードメーカー的な存在。
日本のボケ、ツッコミも把握しているようで、選手たちに笑いを提供しチームを盛り上げているそうです。
そんなラテン系の選手がチームにいると、それだけで全体が明るくなりプレーにも良い影響をもたらしそうですね。
とにかく明るい阪神ドリス「オッス」で虎の空気一変
阪神にムードメーカーが帰ってきた。ドリスだ。16日に練習に合流すると、朝の全体ミーティングで早速「オッス」とあいさつ。選手たちを笑いの渦に包んでいた。また同じドミニカ共和国出身のマテオと新助っ人のメンデスとも早速交流。3人が高らかに笑う声が、宜野座ドーム内に良く響いている。また、ドリスと会話する際の掛け合いも健在。「頑張れよ」と問いかけると、「オマエモナ」と返してくるところも変わっていない。そんな明るい性格に、球団関係者も「ドリスがいるとやっぱり明るくなるし違うな」と、笑顔で話していたのが印象的だった。もちろん野球の面でもチームにとって大きな戦力だ。昨年は34試合で防御率2・12。マテオが不在の時は抑えも務めた。155キロを超える直球とフォークで、ピンチらしいピンチも作ることなく抑え込んでいた。実績はあるだけに、手術した右肘の状態が万全なら楽しみな存在だ。現在はテスト生の身だが、再契約で基本合意はしており、今後問題がなければ正式契約を交わす見込み。ドリス、マテオ、メンデス。「DMM」の試合での共演に期待が膨らむ。
ドリス投手の経歴・ピッチングスタイルは?
カブス時代 – (2006 – 2010)
ドリス投手の下積み期間は非常に長く、高校卒業後にシカゴ・カブスと契約してからは、長くルーキーリーグなどで実戦経験を積んできました。
マイナー年度別投手成績 – (2010 – 2010)
年度 | 階級 | 登板(先発) | 防御率 | 勝敗 | 投球回 |
2006年(18) | RK級 | 13(3) | 8.28 | 0勝2敗 | 25.0 |
2007年(19) | A級 | 6(6) | 1.80 | 3勝1敗 | 30.0 |
2008年(20) | – | – | – | – | – |
2009年(21) | A+級 | 27(25) | 3.79 | 3勝9敗 | 99.2 |
2010年(22) | A+級 | 14(13) | 2.92 | 4勝5敗 | 71.0 |
メジャー昇格 – (2011 – 2013)
プロ入団から実に7年後の2011年に初めてメジャーに昇格。
わずか1試合の登板でしたが、無失点に抑え、上々のデビューを飾りました。
翌年には34試合に登板し、メジャー初勝利を飾るなど2勝4敗4セーブという成績を残しました。
振り返れば、これがドリス投手のメジャーでのキャリアハイとなりました。
MLB年度別投手成績 – (2011 – 2013)
年度 | 登板/先発 | 防御率 | 勝敗 | 投球回 | 三振 |
2011年(23) | 1(0) | 0.00 | 0勝0敗 | 1.1 | 1 |
2012年(24) | 34(0) | 6.39 | 2勝4敗4s | 38.0 | 24 |
2013年(25) | 5(0) | 0.00 | 0勝0敗 | 5.0 | 0 |
ジャイアンツ傘下〜タイガース傘下時代 – (2013 – 2015)
その後、2013年オフにジャイアンツとマイナー契約を結び、翌年のオフにはタイガースとマイナー契約。
移籍してもカブス在籍最終年となる2013年を最後にメジャーのマウンドからは遠ざかっていました。
2015年には3Aで43試合に登板し、7勝5敗という成績を残していましたが、またFAとなりました。
マイナー年度別投手成績 – (2014 – 2015)
年度 | 階級 | 登板(先発) | 防御率 | 勝敗 | 投球回 |
2014年(26) | AAA級 | 4(0) | 16.62 | 0勝0敗 | 4.1 |
2015年(27) | AAA級 | 43(0) | 4.61 | 7勝5敗1s | 66.1 |
阪神へ入団 – (2016)
当時、阪神守護神だった呉昇桓(オ・スンファン)投手の大リーグ移籍に伴う補強として、阪神がドリス投手の獲得に至ったのです。
呉 昇桓(オ・スンファン)- 阪神タイガース (2014 – 2015)
生年月日 | 1982年7月15日(歳) |
出身地 | 大韓民国全羅北道井邑市 |
身長 | 179cm |
体重 | 93kg |
ポジション | 投手 |
投打 | 右投右打 |
プロ入り | 2004年 KBO二次ドラフト |
NPB通算:2年 | 登127(先発:0) 防2.25(4勝7敗80s12h)投136.0 振147 |
ドリスと藤川球児
ドリス投手にとって、日本球界でのプレーにはかねてから興味を抱いていました。
それはカブス時代に現在・阪神に在籍している藤川球児投手とチームメイトでした。
藤川 球児(ふじかわ きゅうじ)- シカゴ・カブス (2013 – 2014)
生年月日 | 1980年7月21日(歳) |
出身地 | 高知県高知市 |
身長 | 185cm |
体重 | 86kg |
ポジション | 投手 |
投打 | 右投左打 |
プロ入り | 高知商業高〜 阪神1998年 ドラフト1位 |
MLB通算:3年 | 登29(先発:0) 防5.74(1勝1敗2s1h)投26.2 振32 |
そのときの藤川投手との真摯なコミュニケーションによって、日本でのプレーが目標になったそうです。
藤川投手と再び日本でチームメイトになれたことも、ドリス投手にとっては大きなモチベーションであり、喜びなのでしょう。
虎・ドリス、憧れ球児さんに弟子入り「またいろいろな話聞けたら」
球児に“弟子入り”だ。阪神の新外国人、ラファエル・ドリス投手(28)=前タイガース=が28日、西宮市内の球団事務所でマルコス・マテオ投手(31)=前パドレス=と会見。米大リーグ・カブスで同僚だった藤川球児投手(35)への尊敬の念が、日本行きのきっかけになったことを明かした。虎入団の陰に、球児あり。ドリスは「球児さんと一緒にプレーして、話をして、こんなに素晴らしい投手がいる国で、ぜひやってみたいと思ったんだ」と目を輝かせた。2013年、カブスで藤川とチームメートになった。3Aでも一緒にプレーし、その人柄にひかれた。「(日本が)どういう国か、どういう人か、どういう野球か、質問した。真摯(しんし)に答えてくれた。話せば話すほど、良さがわかって、日本でプレーしたい気持ちになったよ」。まだ藤川に連絡していないというが、「彼は手術して、大変な道を歩んできたけど、またいろいろな話を聞けたら」と、再会を心待ちにした。
ピッチングスタイル
そんなドリス投手はマイナーを含めると、2011年を最後に中継ぎ、抑え専門となりました。
160キロに到達するストレート、さらに150キロ台のフォーシームやスライダーを主体としたピッチングが持ち味です。
メジャーやマイナーでは、球速はあるものの、三振を奪うタイプではなく、どちらかといえば打たせて取るのがピッチングスタイル。
その一方でコントロールには課題があるとされていました。
近年は中継ぎ専門。
150キロ台でも微妙に動かすストレートは大きな魅力であり、その点ではやはりクローザータイプの投手なのでしょう。
年度別投手成績 – (阪神タイガース1年目-2016)
年度 | 登板 | 防御率 | 勝敗 | 投球回 | 三振 | 年俸 |
2016年(28) | 34(先発0) | 2.12 | 3勝3敗8s9h | 34.0 | 36 | 550万(17年5000万) |
新勝利の方程式はこのまま続くか?
今シーズンはここまで守護神として抜群の安定感を見せているドリス投手。
昨年は守護神を務めていたマテオ投手がセットアッパーに転向。
マルコス・マテオ -阪神タイガース (2016 – )
生年月日 | 1984年4月18日(歳) |
出身地 | ドミニカ共和国サン・クリストバル州 |
身長 | 185cm |
体重 | 100kg |
ポジション | 投手 |
投打 | 右投右打 |
初出場 | MLB / 2010年8月9日 NPB / 2016年3月26日 |
2016年成績 | 登52(先発:0) 防1.80(1勝3敗20s7h)投55.0 振56 |
しかしこのマテオ選手とドリス選手、似ています。
(右)マテオ(左)とドリスです。
さらにマテオ・ドリスの登板前の7回を桑原謙太朗投手に任せることで勝利の方程式が確立されています。
桑原 謙太朗(くわはら けんたろう)- 阪神タイガース (2015 – )
生年月日 | 1985年10月29日(歳) |
出身地 | 三重県名張市 |
身長 | 184cm |
体重 | 84kg |
ポジション | 投手 |
投打 | 右投右打 |
プロ入り | 津田学園高〜奈良産業大〜横浜2007年 大学生・社会人ドラフト3巡目 |
NPB通算:7年 | 登87(先発:13) 防4.34(4勝8敗2h)投172.0 振128 |
先発投手は6回まで試合を作り、7回からは盤石の新勝利の方程式を投入することで、今シーズンの阪神は投手力が安定しています。
伝説の勝利の方程式「JFK」
阪神の勝利の方程式といえばかつてはJFKと呼ばれるリレーがありました。
左腕ジェフ・ウィリアムス投手、そして右の藤川球児投手と久保田智之投手による勝利の方程式で、2005年、前回の阪神優勝の原動力ともなりました。
ジェフ・ウィリアムス – 阪神タイガース (2003 – 2009)
生年月日 | 1972年6月6日(歳) |
出身地 | オーストラリア首都特別地域キャンベラ |
身長 | 183cm |
体重 | 88kg |
ポジション | 投手 |
投打 | 左投右打 |
初出場 | MLB / 1999年9月12日 NPB / 2003年3月29日 |
NPB通算:7年 | 登371(先発:0) 防2.20(16勝17敗47s141h)投371.2 振418 |
藤川 球児(ふじかわ きゅうじ)- 阪神タイガース (1999 – 2012、2016-)
生年月日 | 1980年7月21日(歳) |
出身地 | 高知県高知市 |
身長 | 185cm |
体重 | 86kg |
ポジション | 投手 |
投打 | 右投左打 |
プロ入り | 高知商業高〜 阪神1998年 ドラフト1位 |
NPB通算:13年 | 登605(先発:19) 防5.74(47勝31敗223s112h)投755.0 振984 |
久保田 智之(くぼた ともゆき)- 阪神タイガース (2003 – 2014)
生年月日 | 1981年1月30日(歳) |
出身地 | 埼玉県比企郡吉見町 |
身長 | 181cm |
体重 | 95kg |
ポジション | 投手 |
投打 | 右投右打 |
プロ入り | 埼玉県立滑川高〜常磐大学〜 阪神2002年 ドラフト5巡目 |
NPB通算:11年 | 登29(先発:17) 防3.16(41勝34敗47s117h)投612.0 振612 |
そのときと今の新勝利の方程式とでは、左投手が1人もいないという違いがあり、またシーズン通しての実績が未知数であるという側面も持ち合わせています。
新勝利の方程式は今年誕生したばかりのもの。
現時点ではドリス投手を守護神に据えて、阪神が好調である要因となっています。
当面は今の形を変えずに、行けるところまで行くスタイルに今季はなりそうです。
まとめ
現在のところドリス投手は阪神・守護神として、今の好調阪神を支えています。
長いシーズンこの先何が待ち受けているか分かりませんが・・・
ドリス投手を守護神にすえた新勝利の方程式が、シーズン終盤までしっかり機能するようになれば、阪神の12年ぶりのリーグ優勝も夢ではありませんね。