第88回選抜高校野球 大会11日目 3月31日(木)決勝戦 12:30〜
智弁学園 (奈良) |
2
|
延長11回 ー |
1
|
高松商 (香川) |
選抜決勝は、延長11回裏、劇的な結末となりました。
智弁学園が春夏通じて初優勝!!
優勝した智弁学園と高松商の試合展開・見どころを各校分析してみます。
学校名 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 計 | 安 | 失 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
高松商 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 1 | 8 | 0 |
智弁学園 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1X | 2 | 10 | 1 |
決勝戦戦評 智弁学園高VS.高松商高 試合展開
春の選抜だからこそ、それに相応しい決勝戦となりました。
智弁学園・村上頌樹投手、高松商高・浦大輝投手…
この2人の両エースの粘りのピッチング、そして息詰まる投手戦でした。
2回裏、智弁学園は1死1・3塁の場面で
8番・中村晃選手のセカンドゴロの間に1点を奪いました。
1-0のまま、試合は終盤。8回表の高松商の攻撃は1番から始まる好打順。
内野安打と犠打でセカンドに進めたランナーを、
米麦圭造選手のセンター前で本塁へ返し、土壇場で同点に追いつき、そのまま延長戦に…。
延長11回裏、智弁学園の攻撃は簡単に2死を奪われました。
そのまま12回か…と思われた矢先、5番・高橋直暉選手がセンター前ヒットを放つと、
6番、マウンドを1人で守ってきたエース・村上頌樹選手が
センターへのサヨナラ2塁打。劇的な勝利を決めました。
智弁学園・村上投手は5試合すべて完投し、失点はわずかに3。
決勝戦では自らのタイムリーで熱線に終止符を打ちました。
村上投手のための選抜高校野球…そう言っても過言ではありません。
智弁学園は春夏通じて初の頂点に立ったのです。
出典:http://headlines.yahoo.co.jp/
智弁学園 村上頌樹投手の今大会成績 防御率0.38
投球回数 | 打者数 | 被安打 | 奪三振数 | 与四死球数 | 失点 | 自責点 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1回戦 | 9 | 38 | 10 | 7 | 1 | 0 | 0 |
2回戦 | 9 | 36 | 6 | 7 | 4 | 1 | 1 |
準々決勝 | 9 | 29 | 2 | 8 | 1 | 0 | 0 |
準決勝 | 9 | 37 | 7 | 4 | 4 | 1 | 0 |
決勝 | 11 | 44 | 8 | 6 | 2 | 1 | 1 |
合計 | 47 | 184 | 33 | 32 | 12 | 3 | 2 |
智弁学園・高松商各校の決勝までの軌跡
2年ぶり10回目の出場で、
ついに春夏通じて初めての決勝戦へコマを進めた奈良・智弁学園。
1回戦は福井工大福井高を4-0、
2回戦は鹿児島実業高を4-1、
準々決勝は滋賀学園高を6-0、
準決勝は京都・龍谷大平安高を2-1のサヨナラ勝ちで勝利し、
決勝進出となりました。
ここまでフルに投げ抜いてきたエース・村上頌樹投手は、
準決勝までの4試合でわずか2失点と安定しています。
打線は1番・納大地選手が準決勝でサヨナラ打を放ち、
ラッキーボーイ的な存在になっており、
また全体的に地道に得点を奪っていくという堅実な野球が持ち味です。
一方で、高松商は20年ぶり26回目の出場。
選抜第1回の優勝校であり、春夏それぞれ2度ずつ優勝経験がありますが、
決勝進出は1961年以来55年ぶりのこと。
1回戦、三重・いなべ総合高戦で延長戦の末に7-6で苦労しながらも勝利しましたが、
ここから波に乗りました。
2回戦は岡山・創志学園高に5-1、
準々決勝は長崎・海星高を17-8で圧勝し、
準決勝は熊本・秀岳館高を4-2で勝利し、決勝にコマを進めました。
安定感ある戦いという感じではありませんが、
チームとしての総合力でここまで勝ち抜いてきたという印象です。
夏の大会 第98回全国高校野球選手権大会 へ向けて
選抜は終わったばかりですが、選手たちはこれから夏の高校野球選手権に向けて、
再び練習を積み重ねていくことでしょう。
今年の夏の高校野球は8月7日から15日間にわたって行われます。
選抜とは異なり、各都道府県で地区予選が行われ、
勝ち抜いた49の高校が甲子園に集結します。
選抜では惜しくも敗れてしまった高校が、
夏に甲子園に戻ってこれるかと言えばそんなことはありません。
新1年生が加わることで、チーム力がアップする高校もあるでしょう。
春から夏にかけて、一気に成長する選手もいるでしょう。
今回の選抜は智弁学園・村上投手が1人で投げぬき、見事優勝を飾りました。
春は投手力のあるチームが制すとされています。
その一方で、選手権は暑い夏場に行われるだけに、
投手力もさることながら打撃力があるチームが有利ともされます。
選抜とは環境が違うだけに、新たな有力校が出場する可能性もあり、
また一気にドラフトに指名されるほど注目される選手も出てくる可能性もあり、
夏の高校野球は選抜とはまた一味も二味も違う楽しみが待っているはずです。