ドラフト1位で大学球界屈指の右腕である桜美林大学の佐々木千隼投手を指名した千葉ロッテは2位で酒居知史投手を指名しました。
▲(左)ロッテ・ドラフト2位酒居知史、契約金8000万円、年俸1500万円
(右)ロッテ・ドラフト4位土肥星也、契約金5000万円、年俸1000万円
2016年 ドラフト
1位 | 佐々木 千隼 | 投手 | 桜美林大 |
2位 | 酒居 知史 | 投手 | 大阪ガス |
3位 | 島 孝明 | 投手 | 東海大市原望洋高 |
4位 | 土肥 星也 | 投手 | 大阪ガス |
5位 | 有吉 優樹 | 投手 | 九州三菱自動車 |
6位 | 種市 篤暉 | 投手 | 八戸工大一高 |
7位 | 宗接 唯人 | 捕手 | 亜細亜大 |
社会人屈指の投手である酒居知史投手とはどのような投手なのでしょうか。
その活躍も予想してみましょう。
酒居知史投手の経歴・生い立ち
酒居知史投手は1993年1月2日生まれの23歳、読み方は「さかい・ともひと」投手です。
ご両親とお姉さんの4人家族で育ちました。
酒居 知史(さかい ともひと)-千葉ロッテマリーンズ (2017 – )
生年月日 | 1993年1月2日(23歳) |
出身地 | 大阪府枚方市 |
身長 | 179cm |
体重 | 80kg |
ポジション | 投手 |
投打 | 右投右打 |
プロ入り | 大阪ガス〜2016年 ドラフト1位 |
球種 | MAX148km スライダー・チェンジ・カーブ・ツーシーム |
大阪府枚方市出身の酒居投手は、中学時代に地元のシニアリーグに所属していました。
高校は京都の強豪龍谷大平安高校に進学。
甲子園常連校でもある龍谷大平安高校ですが、2番手投手だった2年の夏に初めて甲子園に出場しましたが、残念ながら出番はありませんでした。
第91回全国高校野球選手権大会 (2009年)酒居選手2年生時の試合結果
回戦 | 対戦校 | 勝敗 | |
一回戦 | 中京大中京(愛知県) | ● | 1-5 |
エースとなった3年時は、府大会ベスト4でやぶれ甲子園出場は出来ず、登板がなかった2年生の1度きりの経験にとどまりました。
3年夏の甲子園府大会 投手成績
年度 | 試合 | 防御率 | 投球回 | 被安打 | 三振 | 自責点 |
2010年 | 4 | 1.20 | 30 | 25 | – | 4 |
大学は大阪体育大学に進学。
3年の春にようやくチームのエースを任されるようになり、頭角を現すようになってきました。
3年の秋には4完封勝利を含む5章で最多勝、最優秀防御率のタイトルに加え、MVPにも輝きました。
大学4年間で通算15勝をマークしています。
大阪体育大学時代 投手成績
年度 | 登板 | 防御率 | 勝敗 | 投球回 | 三振 | 自責点 |
11春〜14秋 | 35 | 1.42 | 15勝7敗 | 209.1 | 167 | 33 |
社会人は地元の大阪ガスに入社。
一時腰痛などで調子を崩す時期もありましたが、徐々に本来の投球を取り戻し、ドラフト指名1ヶ月前には8回1失点の好投で、再びスカウトの注目を集めるようになりました。
プロに注目されたきっかけは?
大阪体育大学時代から注目され始めた酒居知史投手。
きっかけは社会人1年目に都市対抗野球で2勝をマークし、新人王に当たる若獅子賞と久慈賞を受賞したことから、プロスカウトの注目をさらに高めます。
今年は選手層が薄いとされていた社会人の中でも一躍上位候補に躍り出てきました。
都市対抗独特の表現が目立つ賞
久慈賞とは
敢闘賞にあたり、準優勝チームから1人選出される。全日本の主将を務めた名捕手で、1939年8月19日に試合中の事故で死去した久慈次郎にちなんでいる。
若獅子賞とは
新人賞にあたり、大会で素晴らしい活躍をした新人選手(高卒選手は2年目まで、大卒選手は1年目のみ)が選出される。1名とは限らず、近年は3人同時受賞というケースもある。
大阪ガス時代 投手成績
年度 | 登板 | 防御率 | 勝敗 | 投球回 | 三振 | 自責点 |
2015年 | 6 | 0.81 | 4勝0敗 | 33.1 | 29 | 3 |
ストレートは最速で148キロですが、何といってもすごいのは変化球の球種です。
スライダー、カーブ、チェンジアップはもちろんのこと、ツーシーム、カットボール、スプリットと、タテに割れる球から緩い球などとにかく多彩。
コントロールもまずまずで、技巧的に相手打者を抑えるのが持ち味です。
アマチュアでは百戦錬磨ということもあり精神力も強いため、即戦力として十分期待できるレベルになりました。
ルーキイヤー活躍予想
社会人時代でも持ち味である技巧的な投球にさらに磨きをかけた酒居投手。
伸びのあるストレートと多彩な変化球はプロでもきっと即戦力として通用するでしょうし、ロッテ伊東監督は先発ローテーションの一角として期待してるでしょう。
伊東 勤(いとう つとむ)-監督:千葉ロッテマリーンズ (2013 – )
生年月日 | 1962年8月29日(53歳) |
出身地 | 熊本県熊本市 |
身長 | 181cm |
体重 | 84kg |
ポジション | 捕手 |
投打 | 右投右打 |
プロ入り | 県立所沢高〜1981年 ドラフト1位 |
プロ通算:22年 | 試2379 率.247(7050打数1738安打)本156 点811 盗134 |
近年、千葉ロッテに入団した社会人投手1年目はどのような成績を残しているのでしょうか。
今季のルーキー関谷投手は1年目で5勝を挙げました。
関谷 亮太(せきや りょうた)-千葉ロッテマリーンズ (2016 – )
また3年目の石川歩投手は、1年目から10勝、12勝、そして今季14勝と着実にステップアップし、パリーグを代表する投手に成長しています。
石川 歩(いしかわ あゆむ)-千葉ロッテマリーンズ (2014 – )
社会人投手は即戦力で活躍する土台はあります。
現在の戦力がおいそれと先発の座を明け渡すわけはありません。
涌井投手、石川投手、唐川投手につぐ先発枠を争うことになるでしょう。
涌井 秀章(わくい ひであき)-千葉ロッテマリーンズ (2014 – )
唐川 侑己(からかわ ゆうき)-千葉ロッテマリーンズ (2008 – )
今季ルーキーで5勝をマークした関谷投手や、同期入団となるドラ1・佐々木千隼投手、もちろん大阪ガスでもチームメイトだったドラフト4位・土肥星也投手もライバル。
佐々木 千隼(ささき ちはや)-千葉ロッテマリーンズ (2017 – )
土肥 星也(どひ せいや)-千葉ロッテマリーンズ (2017 – )
また新たに獲得するかもしれない外国人投手のライバルとなるでしょう。
先発陣に名を連ねるにはライバルが多いですがオープン戦から実力をアピールできれば、十分に1年目から活躍できるでしょう!
2016年 ロッテ先発投手陣
役割 | 選手 | 防御率 | 勝 | 敗 | 投球回数 | 三振 |
先発 | 石川 歩 | 2.16 | 14 | 5 | 162.1 | 104 |
先発 | 涌井 秀章 | 3.01 | 10 | 7 | 188.2 | 118 |
先発 | スタンリッジ | 3.56 | 8 | 8 | 162.0 | 99 |
先発 | 二木 康太 | 5.34 | 7 | 9 | 116.1 | 81 |
先発 | 唐川 侑己 | 2.84 | 6 | 6 | 88.2 | 64 |
先発 | 関谷 亮太 | 5.52 | 5 | 6 | 88.0 | 58 |
まとめ
今季パリーグ3位 、CSでもファーストステージで敗れた千葉ロッテ。
巻き返しのためには投手陣の整備は欠かせません。
ドラフトで即戦力投手を多く獲得した背景にはそのような強い決意があるのでしょう。
社会人屈指の右腕である酒居投手がプロの舞台でどのような投球を見せるか注目されます。