今年のドラフトで高校BIG4の1人として、プロスカウトから高い評価を得ていた花咲徳栄高校の高橋昂也投手。
広島カープがドラフト2位指名し、入団することになりました。
しかし、高校BIG4では他の3投手はすべてドラフト1位指名された中で、唯一の2位指名となった高橋投手。
なぜなのでしょうか?
高橋昂也投手はなぜドラフト2位指名になったのか?
高橋 昂也(たかはし こうや)-広島東洋カープ (2017 – )
生年月日 | 1998年9月27日(18歳) |
出身地 | 埼玉県久喜市 |
身長 | 181cm |
体重 | 83kg |
ポジション | 投手 |
投打 | 左投左打 |
プロ入り | 花咲徳栄高〜2016年 広島ドラフト2位 |
球種 | MAX152km スライダー・フォーク・カーブ・スクリュー・ツーシーム |
高校BIG4といえば、作新学院高校の今井達也投手、履正社高校の寺嶋成輝投手、横浜高校の藤平尚真投手と、高橋昂也投手の4投手で有名です。
今井投手は埼玉西武に、寺嶋投手は東京ヤクルトに、そして藤平投手は東北楽天に、それぞれドラフト1位で指名されましたが、高橋投手はドラフト2位指名。
しかも指名順が一番最後だった広島カープが指名するまで、名前を呼ばれることはありませんでした。
高校ビッグ4 ドラフト
今井 達也 | 西武ライオンズ | ドラフト1位 | 作新学院高 |
寺島 成輝 | 東京ヤクルト | ドラフト1位 | 履正社高 |
藤平 尚真 | 東北楽天 | ドラフト1位 | 横浜高 |
高橋 昂也 | 広島東洋カープ | ドラフト2位 | 花咲徳栄高 |
ドラフト会議前では確かに高橋昂也投手は、ドラフト1位候補ではありましが・・・
当日のドラフト会議では、2位指名を行った最後の球団である広島カープまで指名がなかった背景には、3年次に出場した甲子園での投球内容が今ひとつという印象が強かったのでしょう。
▲ 春の選抜:秀岳館戦)九鬼選手に左中間に逆転二塁打。10安打6失点の逆転負。
甲子園トータル投手成績
年度 | 試合 | 防御率 | 投球回 | 被安打 | 三振 | 四死 | 自責点 |
15春・16春・夏 | 7 | 2.68 | 37.0 | 40 | 34 | 11 | 11 |
ストレートは速いのは大きな魅力ですが、被安打が多く、安定感に欠ける部分もあります。
他の3投手に比べると、荒削りな面が大きいというのが、2位指名という評価になった理由でしょう。
高校ビッグ4(3年夏の甲子園投手成績)
選手 | 試合 | 防御率 | 投球回 | 被安打 | 三振 | 四死 | 自責点 |
今井 達也(西武) | 5 | 1.10 | 41.0 | 29 | 44 | 17 | 5 |
寺島 成輝(ヤクルト) | 3 | 1.05 | 25.2 | 12 | 22 | 8 | 3 |
藤平 尚真(楽天) | 2 | 0.69 | 13.0 | 10 | 20 | 5 | 1 |
高橋 昂也(広島) | 3 | 1.56 | 23.0 | 24 | 23 | 6 | 4 |
高橋昂也の経歴・生い立ち
高橋昂也投手は1998年9月27日生まれ、埼玉県久喜市出身です。
ご両親とお姉さんが一人いらっしゃいます。
野球を始めたのは小学3年生の頃。
地元の軟式野球チームに入ったのがきっかけでした。
中学時代は地元のシニアリーグに所属し、その後、埼玉県下では強豪校である花咲徳栄高校に入学しました。
1年の秋にはすでにベンチ入りし、2年の春には先発として、3試合で完投するなど徐々に頭角を現します。
2年の夏には花咲徳栄高校が埼玉県で優勝を飾り甲子園に出場。
出番は限られており、しかも準々決勝の東海大相模線でサヨナラ負けを喫してしまいましたが、甲子園という大舞台を経験し、いよいよチームのエースを任されるようになりました。
第97回全国高校野球選手権大会(2015)高橋投手成績
回戦・対戦校 | 投球回数 | 被安打 | 奪三振数 | 与四死球数 | 自責点 | |||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
二回戦 | 三沢商(青森) | ○ | 15-3 | 1.0 | 0 | 1 | 0 | 0 |
三回戦 | 鶴岡東(山形) | ○ | 1-0 | 2.2 | 1 | 4 | 1 | 0 |
準々決勝 | 東海大相模(神奈川) | ● | 3-4 | 4.1 | 5 | 3 | 1 | 1 |
3試合計 | 防御率 1.12 | – | – | 8.0 | 6 | 7 | 2 | 1 |
エースとなってからは本来の投球にますます磨きがかかり、一試合19奪三振というピッチングを見せることもありました。
3年では春夏連続して甲子園に出場。
春のセンバツでは1イニングで5点を失う場面も夏には試合は作るものの、2試合連続で2ケタ安打を喫するという場面もありました。
第88回選抜高校野球大会(2016)高橋投手成績
回戦・対戦校 | 投球回数 | 被安打 | 奪三振数 | 与四死球数 | 自責点 | |||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
一回戦 | 秀岳館(熊本) | ● | 5-6 | 6.0 | 10 | 3 | 3 | 6 |
第98回全国高校野球選手権大会(2016)高橋投手成績
回戦・対戦校 | 投球回数 | 被安打 | 奪三振数 | 与四死球数 | 自責点 | |||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
一回戦 | 大曲工(秋田) | ○ | 6-1 | 9.0 | 10 | 11 | 3 | 1 |
二回戦 | 樟南(鹿児島) | ○ | 6-3 | 9.0 | 11 | 8 | 3 | 3 |
三回戦 | 作新学院(栃木) | ● | 2-6 | 5.0 | 3 | 4 | 0 | 0 |
3試合計 | 防御率 1.56 | – | – | 23.0 | 24 | 23 | 6 | 4 |
一方でUー23W杯では韓国との試合に先発し7回1失点という見事な投球。
球威、コントロールともに抜群でした。
安定感に欠ける面はありますが、最速152キロのストレートは大きな魅力。
国際大会(U-18アジア大会 2016)高橋投手成績
回戦・対戦校 | 投球回数 | 被安打 | 奪三振数 | 与四死球数 | 自責点 | |||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
二次 | 韓国 | ○ | 3-1 | 7.2 | 3 | 9 | 3 | 1 |
高橋昂也でU18日本決勝へ 韓国のヤジ抗議負けず
U18(18歳以下)アジア選手権スーパーラウンド最終戦で、高校日本代表は韓国と対戦し3-1で逆転勝ちした。今大会初登板の先発、花咲徳栄(埼玉)高橋昂也投手(3年)は3回に先制点を許したが7回2/3を3安打1失点。9三振を奪い、14年の前回大会の決勝で敗れた宿敵を封じた。1次ラウンドから5戦全勝で臨む今日4日の決勝は、台湾との一戦。5年ぶり5度目の優勝をかけ、最強投手陣を中心に総力戦で挑む。いつもクールな高橋が、この日は違った。「ヨッシャー」。初回を3者凡退に抑えると、気持ちを前面に押し出した。「この球場は声が通りやすいんだと思います。強敵の韓国が相手で自分も向かっていこうと思いました」。はにかみながら答えたが、マウンドからは何度も雄たけびがあがった。今大会初登板で、決勝進出をかけた大切な試合を任された。その気持ちの表れだった。
小枝守監督(65)の作戦だった。コーチ陣から高橋の状態の良さを聞いていた。「この一戦は総力戦。ここ一番で高橋くんをぶつけようと思っていました」。左腕自身も、甲子園以上の状態の良さを感じていた。3回に四球から左前適時打を許し、日本は今大会初失点を喫した。しかし、高橋は動揺せず次打者をきっちり打ち取った。10人以上が韓国プロ野球入りを決めている強力打線を最少失点に抑えると、4回には味方が安打と相手失策で3点を奪い返してくれた。
そこに将来性の高さを感じさせ、12球団から注目される存在となり、広島カープがドラフト2位で指名されたのです。
2016年 ドラフト
1位 | 加藤 拓也 | 投手 | 慶応大 |
2位 | 高橋 昂也 | 投手 | 花咲徳栄高 |
3位 | 床田 寛樹 | 投手 | 中部学院大 |
4位 | 坂倉 将吾 | 捕手 | 日大三高 |
5位 | アドゥワ 誠 | 投手 | 松山聖陵高 |
6位 | 長井 良太 | 投手 | つくば秀英高 |
▲ 契約金6000万円、年俸600万円
広島ドラ2高橋昂也と仮契約「実感湧いてきました」
広島ドラフト2位の花咲徳栄・高橋昂也投手(18)がさいたま市内で、契約金6000万円、年俸600万円で球団と仮契約を結んだ。
担当の尾形スカウトの手で赤いカープの帽子をかぶせてもらった高橋昂は「実感が湧いてきました」と緊張した表情。最速152キロの速球とフォーク、縦横のスライダー、カーブ、カットボールなど多彩な変化球を持ち「高校BIG4」の1人として甲子園大会を沸かせた。「1日も早くチームに貢献できるように頑張りたい。レベルの高い選手の方々の中でやれるので、吸収していきたい」と責任感を口にしていた。(金額は推定)
まとめ
確かに荒削りではある高橋昂也投手。
しかし、左投手でありながら、152キロのストレートを投げ込める投手は、大学、社会人を見渡しても、決して多くはありません。
剛速球という持ち味に、コントロールが加わってくれば、高校BIG4の1位指名の3投手を追い越せるだけの潜在能力はあるでしょう!
育成が上手いカープに入団することで、どのように成長していくかが注目されます。