今や北海道日本ハム・投手陣では、その働きは地味かもしれませんが、勝利へ向けての大きなパーツとなっている宮西尚生投手。
その変則的な投球で、安定して相手打者を抑えます。
そのサイドスロー・宮西投手がWBC侍ジャパン代表にも選ばれました。
不動のセットアッパーでもある宮西投手、果たして今季の活躍は?
宮西尚生投手の経歴・生い立ち
宮西尚生投手は1985年6月2日生まれ、兵庫県西宮市の出身です。
野球を始めたのは小学1年のころ。
その後、中学では地元である尼崎市のボーイズリーグでプレー。
その後、市立尼崎高校に進学します。
宮西 尚生(みやにし なおき) -北海道日本ハムファイターズ (2008 – )
生年月日 | 1985年6月2日(歳) |
出身地 | 兵庫県西宮市 |
身長 | 180cm |
体重 | 75kg |
ポジション | 投手 |
投打 | 左投左打 |
プロ入り | 関西学院大学〜 日本ハム2007年 大学生・社会人ドラフト3巡目 |
2016年成績 | 登58 防1.52(3勝1敗2セーブ39ホールド)投47.1 振36 |
市立尼崎高校時代 – ( 2001 – 2004 )
強豪校がひしめく兵庫県にあって、高校時代に甲子園出場はなりませんでした。
甲子園球場までの距離は近いのに、甲子園のマウンドは遠いものでした。
第85回選手権兵庫大会 -宮西投手 市立尼崎3年時 ( 2003 )
回戦 | 対戦校 | 勝敗 | |
二回戦 | 尼崎北 | ○ | 4-0 |
三回戦 | 姫路東 | ○ | 4-1 |
四回戦 | 伊川谷 | ○ | 5-1 |
五回戦 | 報徳学園 | ● | 0-7 |
関西学院大学時代 – ( 2004 – 2008 )
その後、同じく兵庫県にある関西学院大学に進学します。
今でこそ中継ぎのイメージが定着している宮西投手ですが、大学時代は先発にリリーフにと、オールマイティーにこなしていました。
関西学生リーグでは48.1イニング連続無失点という記録を樹立するなど、4年間で46試合に登板し19勝を挙げました。
リーグ戦通算投手成績 – ( 2004 – 2007 )
年度 | 登板 | 勝敗 | 防御率 | 投球回 | 安打 | 三振 | 四死球 | 自責点 |
04春〜07秋 | 48 | 19勝13敗 | 1.58 | – | – | 291 | – | – |
また第16回IBAFインターコンチネンタルカップや北京プレオリンピック野球日本代表など4度の日本代表に選出されています。
ドラフト会議 – ( 2007 )
左のサイドハンドということもあり、その特徴に注目した北海道日本ハムが2007年のドラフト会議で3位指名し、入団することになりました。
ドラフト指名選手 – 北海道日本ハムファイターズ
1位 | 多田野 数人 | 投手 | 3A・サクラメント |
2位 | 宮西 尚生 | 投手 | 関西学院大学 |
3位 | 村田 和哉 | 外野手 | 中央大学 |
結婚はしている?
プライベートでは2011年に札幌在住の一般女性の方とご結婚されました。
▲ 奥様の宮西麻亜子さん
とてもかわいらしい感じの奥様で、結婚の翌年には男の子が、さらに一昨年には2人目の男の子が誕生し、2児の父となっています。
プロ入り後の活躍は?
何と言っても、宮西投手の特徴は左のサイドハンドということです。
過去のプロ野球で左のサイドハンドといえば、巨人や日本ハムに在籍した角盈男さん。
角 盈男(すみ みつお) -読売ジャイアンツ (1978 – 1989)
生年月日 | 1956年6月26日(歳) |
出身地 | 鳥取県米子市 |
身長 | 183cm |
体重 | 86kg |
ポジション | 投手 |
投打 | 左投左打 |
プロ入り | 三菱重工三原〜 1976年 巨人ドラフト3位 |
NPB通算:15年 | 登618 防3.06(38勝60敗99セーブ)投961.2 振888 |
広島や近鉄で活躍した清川栄治さんといったところが思い出されます。
清川 栄治(きよかわ えいじ) -広島東洋カープ(1999 – 2006)
生年月日 | 1961年9月21日(歳) |
出身地 | 兵庫県西宮市 |
身長 | 177cm |
体重 | 83kg |
ポジション | 投手 |
投打 | 左投左打 |
プロ入り | 大阪商業大学〜 1983年 広島ドラフト外 |
NPB通算:15年 | 登438 防2.94(13勝10敗12セーブ)投364.0 振375 |
ですがその絶対数は極めて少なく、希少な存在です。
けして球速は速くありません。
せいぜい140キロといったところ。
しかし、スライダーとシンカーを織り交ぜながら相手打者を抑えます。
左のサイドスローといえば、どうしても左打者には強い反面、右打者には打たれがちというイメージが強いかもしれません。
それでも宮西投手の2016年シーズンは、右打者に対しても被打率1割9分5厘と、しっかり抑えているのです。
ルーキーイヤー – ( 2008 )
そんな宮西投手は1年目から中継ぎで50試合に登板。
年度別投手成績 – (2008)
2007年 (22歳) 日本ハムドラフト3位 契約金7000万円
年度 | 登板 | 防御率 | 勝敗 | 投球回 | 三振 | 年俸 |
2008年(23) | 50 | 2.28 | 2勝4敗8ホールド | 45.1 | 25 | 1000万 |
不動のセットアッパーへ君臨 – ( 2008 – 2015 )
2年目には58試合に登板し、中継ぎのみで7勝をマークしました。
その後もコンスタントに年間50試合以上に登板し続けた宮西投手。
2013年には12登板連続ホールドのパリーグ記録も樹立しました。
2016年には58試合に登板し、39ホールドをマーク。
パリーグの最多ホールドという自身初のタイトルを獲得しました。
実に中継ぎ専門で、ルーキー時代から9年連続50試合以上に登板している鉄腕です。
▲ 2016年プロ野球史上2人目の通算200ホールドを達成
年度別投手成績 – (2015 – 2016)
年度 | 登板 | 防御率 | 勝敗 | 投球回 | 三振 | 年俸 |
2009年(24) | 58 | 2.89 | 7勝2敗13ホールド | 46.2 | 55 | 2000万 |
2010年(25) | 61 | 1.70 | 2勝1敗1セーブ23ホールド | 47.2 | 49 | 3800万 |
2011年(26) | 61 | 2.21 | 1勝2敗14ホールド | 53.0 | 56 | 6800万 |
2012年(27) | 66 | 2.25 | 2勝2敗39ホールド | 60.0 | 56 | 9000万 |
2013年(28) | 57 | 1.74 | 3勝1敗30ホールド | 46.2 | 39 | 1億2000万 |
2014年(29) | 62 | 2.16 | 1勝5敗41ホールド | 50.0 | 46 | 1億4000万 |
2015年(30) | 50 | 2.70 | 3勝3敗25ホールド | 40.0 | 30 | 1億8000万 |
昨シーズン – ( 2016 )
▲ 2016年プロ野球史上2人目の通算200ホールドを達成
年度別投手成績 – (2014)
年度 | 登板 | 防御率 | 勝敗 | 投球回 | 三振 | 年俸 |
2016年(31) | 58 | 2.28 | 3勝1敗2セーブ39ホールド | 47.1 | 36 | 1億9000万 |
NPB通算:9年 | 523 | 2.19 | 24勝21敗3セーブ232ホールド | 436.2 | 392 | (17年)2億0000万 |
タイトル
最優秀中継ぎ投手 | 1回 (2016年) |
2016年には侍ジャパンの日本代表メンバーに選出され、オランダ代表、メキシコ代表との強化試合に出場しました。
2戦目のメキシコ戦、3戦目のオランダ戦に中継ぎとして登板し、さらにはWBCの侍ジャパン日本代表メンバーにも選ばれました。
侍ジャパン代表歴
2016 | 侍ジャパン 野球オランダ代表 野球メキシコ代表 強化試合 |
2017 | 第四回ワールド・ベースボール・クラシック |
2017年WBC・シーズンを占う!
WBC日本代表メンバーには、宮西投手のように変則タイプの投手も選ばれました。
埼玉西武のアンダースロー・牧田和久投手。
牧田 和久(まきた かずひさ) -埼玉西武ライオンズ (2011 – )
生年月日 | 1984年11月10日(歳) |
出身地 | 静岡県焼津市 |
身長 | 177cm |
体重 | 83kg |
ポジション | 投手 |
投打 | 右投右打 |
プロ入り | 日本通運〜2010年 ドラフト2位 |
NPB通算:6年 | 登218 防2.87(50勝46敗25セーブ26ホールド)投858.2 振479 |
そして東京ヤクルトの右のサイドハンド守護神・秋吉亮投手です。
秋吉 亮(あきよし りょう) -東京ヤクルトスワローズ (2014 – )
生年月日 | 1989年3月21日(歳) |
出身地 | 東京都足立区 |
身長 | 182cm |
体重 | 73kg |
ポジション | 投手 |
投打 | 右投右打 |
プロ入り | パナソニック〜 2013年 ヤクルトドラフト3位 |
2016年成績 | 登70 防2.19(3勝4敗19セーブ10ホールド)投70.0 振68 |
しかし、宮西投手はプロ野球界でも希少なサイドスロー左腕。
今まで、9年連続50試合以上登板、しかもそのすべての登板が中継ぎという、豊富な中継ぎ経験から、WBCでも左打者対策として起用されるのではないでしょうか。
もちろん、2017年のシーズンでも北海道日本ハムの勝利の方程式では欠かせない戦力です。
サイドスロー、しかも左投手となれば、相手の目線を大きく変えることもできます。
継投を考えても、宮西投手の存在は絶大でしょう。
宮西投手にとっては10年連続となる50試合以上登板を果たせるかも注目されるところです。
まとめ
希少な左のサイドハンドである宮西投手。
公私共に充実しており、今シーズンはWBC日本代表にも選ばれました。
シーズン・WBCとも勝負の分かれ目となる「しびれる場面」での登板が続くことでしょう。
役割はとても地味ですが、勝利を目指す上でも、もちろん北海道日本ハムの連覇を目指す上でも、絶対に欠かすことが出来ない戦力です。