巨人エース候補として期待されながら、その期待に応えられないまま7年目のシーズンを迎えた宮國椋丞投手。
今シーズンは久しぶりに先発のチャンスが回ってきました。
今回こそはそのチャンスをモノにし先発ローテーションを守れるでしょうか?
宮國椋丞投手の経歴・生い立ち
宮國椋丞投手は1992年4月17日生まれの歳。
金沢市生まれで、沖縄糸満市育ちの選手です。
宮國 椋丞(みやぐに りょうすけ)- 読売ジャイアンツ (2011 – )
生年月日 | 1992年4月17日(歳) |
出身地 | 沖縄県糸満市 ※出生地は石川県金沢市 |
身長 | 186cm |
体重 | 84kg |
ポジション | 投手 |
投打 | 右投右打 |
プロ入り | 沖縄・糸満高〜 巨人2010年 ドラフト2位 |
NPB通算:5年 | 登110(先発:35) 防3.35(20勝12敗1s11h)投287.1 振152 |
宮國投手にはご両親とお兄さん、妹さんがいらっしゃいます。
お父さんは高校時代、沖縄・宮古高校の野球部に所属。
▲ 父の透さん(右)、母の優子さん
沖縄県大会で決勝まで進出した経験もあるほど。
残念ながら56歳の若さで今年他界されたようですが、そんなお父さんや野球をしていたお兄さんの影響を受けて、小学1年の時から野球を始めます。
【巨人】宮国、亡き父に雄姿見せる「父のように周りから愛される人になりたい」
2017年2月5日5時0分 スポーツ報知
巨人の宮国椋丞投手(24)が4日、天国の父に雄姿を届けることを誓った。1日に父・透さんが急性心筋梗塞のため56歳で他界。沖縄での告別式を経て、この日、チームに合流した右腕は強い決意を胸に始動した。父のようになりたい―。遺影を前に、あらためて思いを強くしたという。3日、地元の沖縄で執り行われた告別式。元教員の透さんを慕う人々が約2000人も参列したという。「生徒や父を慕っている人がたくさん来てくれて。周りの人に愛されていたんだなあ、と。僕も、父のように周りから愛される人になりたいと思いました」父の影響で幼少期に自然と野球を始めた。透さんは宮古高時代の1977年夏、沖縄県大会決勝で敗れ、甲子園の土を踏めなかった。父の思いも背負って臨んだ2010年夏の決勝。宮国もあと1勝で涙をのんだ。青春時代の歩みだけでなく、内面もおのずと父に似ていったという。「学んだことは野球以外のことが多かったです。人から頼まれるとノーと言えない性格。そういうところは似ているのかな」父譲りの優しい男が昨秋、自己主張した。「先発をやりたい」と首脳陣に思いを伝えた。15、16年と中継ぎで防御率2点台をマークしながら、13年の開幕投手は今季、先発に再挑戦する。あらためて、決意を示した。「優勝、日本一の戦力になれるように頑張りたい。僕が投げて勝つことが一番の供養になると思います」由伸監督からは「少し疲れもあるだろう。時間をあげるから、その間に状態を戻して1軍の中でしっかりできる(戦える)ように」と言葉をかけられた。“初日”はキャッチボールやランニングで始動。沖縄とつながる青空が、宮国の再出発を見届けた。(宮脇 央介)
沖縄・糸満高校時代 – ( 2008 – 2011 )
中学卒業後は地元沖縄の糸満高校に進学。
2年生になる頃にはすでにチームのエースとなっていました。
3年夏の沖縄県大会では決勝戦まで進出。
当時プロから注目を集めていた、興南高校エースの島袋洋奨投手と対戦。
島袋 洋奨(しまぶくろ ようすけ)- 福岡ソフトバンクホークス (2015 -)
▲ ソフトバンク2014年 ドラフト5位
惜しくも敗れてしまいました。
お父さんと同じように決勝戦で涙を飲んでしまったのです。
第92回選手権沖縄大会 -3年時投手成績 ( 2010 )
回戦・対戦校 | 投球回数 | 被安打 | 奪三振数 | 与四死球数 | 自責点 | |||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
一回戦 | 前原 | ○ | 11-1 | 5.0 | 5 | 3 | 1 | 1 |
二回戦 | 久米島 | ○ | 7-3 | 2.2 | – | – | – | 2 |
三回戦 | 八重山商工 | ○ | 10-2 | 1.0 | 0 | 2 | 0 | 0 |
準々決勝 | 中部商 | ○ | 3-0 | 9.0 | 3 | 11 | 1 | 0 |
準決勝 | 沖縄水産 | ○ | 9-0 | 0.1 | 0 | 1 | 0 | 0 |
決勝 | 興南 | ● | 1-9 | 8.0 | 9 | 4 | 1 | 9 |
最速147キロのストレートとカーブやスライダー、シンカー、カットボールなど多彩な変化球を持つ投手として、プロのスカウトからの注目を集めます。
ドラフト会議 – (2010 )
2010年のドラフト会議で巨人の2位指名を受け入団することになったのです。
▲ 巨人ドラフト2位、契約金6,000万円、年俸630万円、背番号30。
ドラフト指名選手 – ( 読売ジャイアンツ )
1位 | 澤村 拓一 | 投手 | 中央大学 |
2位 | 宮國 椋丞 | 投手 | 糸満高 |
3位 | 田中 太一 | 投手 | 大分工業高 |
4位 | 小山 雄輝 | 投手 | 天理大学 |
彼女は?
そんな宮國投手は現在独身ですが、巨人でも屈指のイケメン投手として知られています。
真偽のほどはわかりませんが過去には女性アナウンサーとの噂がスクープされたことも。
▲ フジテレビの女子アナ・竹内友佳さんとの噂も・・
優しい性格でイケメン。
彼女がいるかどうかわかりませんが、モテるのは間違えないでしょう。
エース候補として期待されていたが
ルーキーイヤー – ( 2011 )
1年目から2軍で頭角を現してきた宮國椋丞投手。
年度別投手成績 イースタン・リーグ – ( 2011 )
2010年 (18歳) 巨人ドラフト2位 契約金6000万
年度 | 登板 | 防御率 | 勝敗 | 投球回 | 三振 | 年俸 |
2011年(19) | 4 | 0.00 | 3勝0敗 | 19.0 | 11 | 600万 |
2年目 – ( 2012 )
早くも2年目には、戦力の層が厚い巨人でありながら、開幕から先発ローテーションに入りました。
そしてプロ入り初登板初先発でいきなり阪神を7回1失点に抑える好投でプロ初勝利を手にしました。
宮国巨人史上6人目の10代初登板初勝利
「歴史的貧打」にあえいでいた巨人に「シンデレラボーイ」が出現した。プロ初登板初先発の2年目宮国椋丞(りょうすけ)投手(19)が7回3安打1失点でプロ初勝利。前日7日まで3試合連続完封負けを含む5連敗、31イニング連続無得点の球団ワーストタイ記録と沈黙が続いていた打線も、打線をテコ入れして今季最多13安打を放った。同じ日曜日の1日以来の今季2勝目で、浮上のきっかけをつかめるか-。宮国は「楽しむ」ことだけに集中した。初登板初先発を初勝利を飾り、巨人では83年の槙原以来29年ぶりの快挙を達成したヒーローは「すごい楽しかった。野手の方が点を取ってくれてテンポもリズムよく、楽しく投げられました」と、うれしそうに笑った。超満員の甲子園で球場全体から受ける独特の威圧感などものともしない。1回、2回は3者凡退で滑り出した。3回、先頭打者に四球で歩かせたが小宮山を内角直球で二ゴロ併殺。4回は無死一塁で鳥谷に緩いカーブを打たせ、二ゴロ併殺。7回無死一、二塁で4番新井貴に適時打で1失点は許したが、ブラゼルを投ゴロ併殺に打ち取り最少失点で切り抜けた。この日の最速は146キロ。「すごく新鮮でした。阪神ファンが多い中で投げて逆にそれが力になりました。7回? 一番、楽しい場面でした」と遠慮がちに小声で明かす姿も宮国らしかった。
その後もプロ初完封勝利を達成するなど順調な滑り出しでしたが、交流戦中に右肩を痛めてしまい離脱となりました。
しかしシーズン中に1軍に復帰し、その後もクライマックスシリーズ、日本シリーズでも先発登板しました。
この年に自分で6勝を挙げ、さらに防御率も1.86という素晴らしい成績を収めたのです。
巨人の将来のエースとして、周囲の期待は否応なしに高まりました。
年度別投手成績 – (2012)
年度 | 登板 | 防御率 | 勝敗 | 投球回 | 三振 | 年俸 |
2012年(20) | 17(先発15) | 1.86 | 6勝2敗 | 97.0 | 54 | 630万 |
3年目に開幕投手 – ( 2013 )
2013年にはなんと弱冠20歳で開幕投手を務めました。
これはなんと1988年の桑田真澄さん以来の出来事でした。
しかしこの年は6勝を挙げたものの調子の波が激しく、翌年にはわずか1勝にとどまりました。
年度別投手成績 – (2013 – 2014)
年度 | 登板 | 防御率 | 勝敗 | 投球回 | 三振 | 年俸 |
2013年(21) | 17(先発17) | 4.93 | 6勝7敗 | 87.2 | 50 | 1600万 |
2014年(22) | 3(先発3) | 6.33 | 1勝1敗 | 14.0 | 6 | 1600万 |
近年の活躍は – ( 2015 – 2016 )
2015年にはついに中継ぎに転向することとなりました。
プロで経験のない役割を任されることになりましたが、プロ初セーブをマークするなど、39試合に登板し、まずまずの成果を残しました。
これはなんとかプロで大成させたいという原監督の思惑があったのでしょう。
それは高橋監督になった今も引き継がれているようで、高橋監督1年目の2016年には中継ぎで34試合に登板し4勝を挙げました。
かねてから球団が抱いていたエースとしての期待からはまだまだ遠ざかっていると言えます。
年度別投手成績 – (2015 – 2016)
年度 | 登板 | 防御率 | 勝敗 | 投球回 | 三振 | 年俸 |
2015年(23) | 39(先発0) | 2.94 | 3勝1敗1s5h | 49.0 | 28 | 1200万 |
2016年(24) | 34(先発0) | 2.95 | 4勝1敗6h | 39.2 | 14 | 1900万 |
NPB通算:5年 | 110(先発35) | 3.35 | 20勝12敗1s11h | 287.1 | 152 | 2700万 |
2017年は先発ローテを守れるか?
宮國投手は今シーズン開幕前に高橋監督に先発をやりたいと直訴したようです。
オープン投手成績 – (2017)
年度 | 登板 | 防御率 | 勝敗 | 投球回 | 三振 | 四死球 |
2017年(25) | 3(先発1) | 2.08 | 0勝0敗 | 8.2 | 2 | 2 |
それは野球を始めるきっかけとなったお父さんも死去も一因となったようです。
開幕直後は中継ぎでの登板が続きましたが、4月27日の広島との試合で初先発。
6回1失点の好投を披露しました。
現時点ではまだ安定感がなく、選手層の厚い巨人ではまだまだ先発ローテーションが確約されたものではありません。
菅野智之投手、大竹寛投手、マイコラス投手、田口麗斗投手に続く、5本目以降の先発投手となっています。
菅野 智之(すがの ともゆき)-読売ジャイアンツ (2013 – )
生年月日 | 1989年10月11日(歳) |
出身地 | 神奈川県相模原市南区 |
身長 | 186cm |
体重 | 92kg |
ポジション | 投手 |
投打 | 右投右打 |
プロ入り | 東海大学〜2012年巨人ドラフト1巡目 |
NPB通算:4年 | 登101 防2.34(44勝28敗)投697.0 振592 |
マイルズ・マイコラス -読売ジャイアンツ (2015 – )
生年月日 | 1988年8月23日(歳) |
出身地 | 石川県小松市 |
身長 | 196cm |
体重 | 100kg |
ポジション | 投手 |
投打 | 右投右打 |
NPB初出場 | 2015年4月2日 中日ドラゴンズ戦 |
NPB通算:2年 | 登35 防2.13(17勝5敗)投236.2 振191 |
田口 麗斗(たぐち かずと)-読売ジャイアンツ (2014 – )
生年月日 | 1995年9月14日(歳) |
出身地 | 広島県広島市佐伯区 |
身長 | 171cm |
体重 | 80kg |
ポジション | 投手 |
投打 | 左投左打 |
プロ入り | 広島新庄高〜2013年巨人ドラフト3位 |
NPB通算:3年 | 登39 防2.72(13勝15敗)投228.1 振19 |
内海哲也投手や今シーズン新加入した山口俊投手など、強力なライバルも多いのが現状。
山口 俊(やまぐち しゅん)-読売ジャイアンツ (2017 – )
生年月日 | 1987年7月11日(歳) |
出身地 | 大分県中津市 |
身長 | 187cm |
体重 | 97kg |
ポジション | 投手 |
投打 | 右投右打 |
プロ入り | 柳ヶ浦〜2005年ベイスターズ高校生ドラフト1巡目 |
NPB通算:11年 | 登367 防3.29(39勝44敗111セーブ24ホールド)投735.1 振699 |
内海 哲也(うつみ てつや)-読売ジャイアンツ (2004 – )
生年月日 | 1982年4月29日(歳) |
出身地 | 京都府城陽市 |
身長 | 186cm |
体重 | 95kg |
ポジション | 投手 |
投打 | 左投左打 |
プロ入り | 東京ガス〜2003年 巨人自由獲得枠 |
NPB通算:12年 | 登297 防3.09(126勝89敗2ホールド)投1829.1 振1406 |
先発ローテーションに定着するためには、そして自分自身がプロ野球選手として大成するためには、数少なくなってきた先発のチャンスで結果を残すしかありません。
2017年 巨人投手陣
役割 | 選手 | 防御率 | 勝 | 敗 | 投球回数 | 三振 |
先発 | 田口 麗斗 | 2.72 | 10 | 10 | 160.0 | 126 |
先発 | 菅野 智之 | 2.01 | 9 | 6 | 183.1 | 189 |
先発 | 内海 哲也 | 3.94 | 9 | 6 | 107.1 | 81 |
先発 | 大竹 寛 | 3.55 | 6 | 6 | 91.1 | 71 |
先発 | マイコラス | 2.45 | 4 | 2 | 91.2 | 84 |
先発 | 山口 俊 | 2.86 | 11 | 5 | 138.2 | 121 |
まとめ
巨人のエースとして期待されながら、はや7年目のシーズンを迎えた宮國椋丞投手。
目指しているのは先発ローテーションに定着し、巨人のエースとなることです。
今シーズン3年ぶりに先発のチャンスが巡ってきました。
もしかしたらこれはラストチャンスかもしれません。
このチャンスを活かせるのか、宮國投手の今後の先発としてのピッチングから目が離せません。