史上稀に見る打線の低迷に苦しんでいる千葉ロッテ。
パリーグで最下位に沈む中で、チームは起爆剤として、獲得したのがキューバ出身のサントス選手です。
走りながら打つという変則打法はWBCでも話題となりましたが、そんなサントス選手はロッテの救世主になれるのでしょうか。
ロエル・サントスの生い立ち
「走り打ち」で一躍有名になったキューバのリードオフマンであるロエル・サントス選手。
ロエル・サントス -千葉ロッテマリーンズ (2017 – )
生年月日 | 1987年9月15日(歳) |
出身地 | キューバ |
身長 | 173cm |
体重 | 79kg |
ポジション | 外野手 |
投打 | 左投左打 |
初出場 | NPB / 2017年5月31日 |
キューバ出身の選手ということもあり、非常に情報が少なく私生活のことまでは触れられていません。
ただ、1987年9月15日生まれの現在歳でキューバ東部にあるバヤモという街に本拠地を置くアラサネス・デ・グランマというチームに所属していました。
かつて千葉ロッテに在籍し、現在は福岡ソフトバンクに在籍しているデスパイネ選手もこのチームの所属です。
サントスのプレースタイルは?
▲ 契約金なし・推定年俸20万ドルの1年契約、背番号10。
ロッテ・サントス交流戦から合流か 契約合意を発表
ロッテは18日、今年3月のWBCでキューバ代表を務め、「走り打ち」で注目されたロエル・サントス外野手(29)と契約合意したと発表した。1年契約で、契約金なしの推定年俸20万ドル。背番号、来日時期とも未定。林信平球団本部長は「かねて、いくつか補強ポイントがある中、チーム事情でリードオフマン、1番、2番が固定出来ていない。リードオフマンが出塁することが重要で、以前よりキューバと交渉してきました。それに見合う選手」と説明した。17日時点で、ロッテの1番打者は打率(1割5分8厘)、出塁率(2割1分)ともリーグ最低。サントスは、1番打者として期待がかかりそうだ。来日時期については、林本部長は「ビザの手続きがあるので、どうなるか分からないが、月末までには来てくれれば」と、交流戦からのチーム合流を見込んでいる。また、今後の補強については「いろんなリスクを考えて、もう1人ぐらいは考えています。必ず取るかは分からないが、検討はしています」と、大砲タイプを検討していることを明かした。
サントス選手の最大の特徴は何と言っても「走り打ち」と呼ばれる独特の打撃フォーム。
今年行われたWBCではキューバ代表に選ばれ、センター前への2塁打を放つ場面もありました。
俊足でもあり、その「走り打ち」という特徴を生かしたプレーで、見ているものを驚愕させた、今までに見たことがない打撃スタイルでした。
もちろん、日本球界にもサントス選手のような「走り打ち」をする選手というのはなかなかいません。
その「走り打ち」とは、名前が示すように走りながら打つというもの。
通常打撃はバットを振り抜いてから走り出しますが、このサントス選手はバットにボールがミートした時点で、すでに1塁へ向かって走り出そうとしているのです。
一歩目が非常に早く、その分、内野安打が増えたり、通常では1塁でストップするような当たりでも、セカンドまで到達することも可能です。
そのようなメリットはある反面で、球速のあるストレートに対して対応しにくいのではという見方もあります。
またあくまでもシングルヒット狙いで長打を打つことができないというデメリットもあるでしょう。
キューバリーグ打撃成績 – ( 2008 – 2016 )
年度 | 試合数 | 打率 | 打点 | 本塁打 | 盗塁 | 三振 |
---|---|---|---|---|---|---|
2008年(21) | 27 | .281(89打数25安打) | 8 | 1 | 0 | 17 |
2009年(22) | – | – | – | – | – | – |
2010年(23) | 72 | .342(199打数68安打) | 33 | 4 | 4 | 26 |
2011年(24) | 94 | .315(308打数97安打) | 26 | 4 | 10 | 38 |
2012年(25) | 84 | .319(254打数81安打) | 27 | 3 | 5 | 18 |
2013年(26) | 84 | .316(332打数105安打) | 28 | 3 | 14 | 36 |
2014年(27) | 79 | .356(295打数105安打) | 28 | 6 | 11 | 34 |
2015年(28) | 87 | .286(339打数97安打) | 31 | 4 | 29 | 25 |
2016年(29) | 49 | .297(185打数55安打) | 17 | 0 | 20 | 14 |
通算:8年 | 576 | .316(2001打数633安打) | 198 | 25 | 93 | 208 |
日本球界で活躍できるのか
現在、千葉ロッテはチーム打率は驚愕の1割台に沈んでいます。
スタメンに並ぶ選手たちの打率を見ても、2割中盤の選手でも、思わず高打率に見えるほどで、ほとんどが1割台となっています。
これでは投手がいくら頑張っても、得点を奪うことができず、負けが込んでしまうのもいたし方ありません。
監督からすれば、ポイントゲッターとなる主砲がほしかったところでしょう。
期待して獲得したダフィー選手やパラデス選手も打撃低迷。
マット・ダフィー -千葉ロッテマリーンズ (2017 – )
2017年6月1日時点
試合数 | 打率 | 打点 | 本塁打 | 盗塁 | 三振 |
---|---|---|---|---|---|
41 | .202(124打数25安打) | 13 | 6 | 0 | 51 |
ジミー・パラデス -千葉ロッテマリーンズ (2017 – )
2017年6月1日時点
試合数 | 打率 | 打点 | 本塁打 | 盗塁 | 三振 |
---|---|---|---|---|---|
29 | .167(90打数15安打) | 4 | 2 | 1 | 38 |
主砲としての力を発揮できず、クリーンアップの力不足が否めない状況です。
とは言っても、上位打線は打てているかというと、これもまた1割台の選手が並ぶ現状。
つまり、今の千葉ロッテ打線は、打てる打者なら誰でも良いという感じなのではないでしょうか。
サントス選手は俊足と、走り打ちを活かした打撃が魅力です。
もちろんパワーはなく、あくまでもアベレージヒッターといったところ。
そのため、キューバ代表での起用と同じように、リードオフマンとして期待し、監督自身も走り打ちを活かして上位打線で起用してくるのではないでしょうか。
ただ、本来は主砲がほしいチーム状況。
ダフィー選手やパラデス選手が持ち味を発揮し、新たに主砲クラスの新外国人選手を獲得することになれば、サントス選手よりも起用が優先される可能性はありそうです。
ちなみに、そんな特異な打撃フォームを持つサントス選手が日本で活躍できるのか、これが最大の関心事となります。
その指標として、例えば今年のWBCで日本代表「侍ジャパン」は2度、キューバと対戦。
サントス選手はともに「1番・センター」で出場し、6打数1安打にとどまりました。
日本人投手はコントロールも良く、変化球も多彩。
150キロを越えるような剛速球を投げ込むいるので、バリエーションは豊富です。
その中で走りながら打つという打撃フォームで、日本の投手の適応できるかどうかは完全に未知数。
WBCの結果だけを見れば、適応するにはある程度時間がかかるりそうです。
まとめ
走り打ちという、日本球界では例を見ないような打撃フォームの持ち主であるサントス選手。
日本球界で成功するかどうかよりも、その打撃フォームを見てみたいというファンも多いはず。
ただ変則なフォームであるがゆえに、日本野球に適応できるか、そして千葉ロッテの救世主となれるかは未知数です。
果たしてどのような結果を残すのか、今後が注目されます。