高校時代には最速155キロのストレートでプロ野球だけでなく、大リーグからも注目を集めた左腕・菊池雄星投手。
プロ入りして、早7年目。
今では埼玉西武のエースとなりました。
そんな菊池投手がエースになるまでの経歴を振り返ってみましょう。
菊池雄星の経歴・生い立ち
岩手県盛岡市出身で、今年歳となった菊池投手。
菊池 雄星(きくち ゆうせい)- 埼玉西武ライオンズ (2010 – )
生年月日 | 1991年6月17日(歳) |
出身地 | 岩手県盛岡市 |
身長 | 184cm |
体重 | 100kg |
ポジション | 投手 |
投打 | 左投左打 |
プロ入り | 花巻東高等学校〜西武2009年ドラフト1位 |
NPB通算:6年 | 登109(先発:104) 防2.92(43勝36敗1s)投659.1 振533 |
お父さんは農協に、お母さんは助産師として働いていました。
▲ 菊池雄星の父・雄治さん(左)と母・加寿子さん
野球を始めたのは小学1年のときで、当初はファーストを守っていました。
中学時代から投手を務めるようにあり、すでにストレートは130キロ台中盤だったようです。
卒業後は地元・岩手の花巻東高校に進学しました。
花巻東高校時代 岩手県 – ( 2007- 2010 )
1年の夏には145キロ、2年の春になると149キロ、そして3年になると150キロ台に到達。
ストレートの球威をどんどん伸ばしていきました。
1年夏に甲子園のマウンドを経験した菊池投手は、3年エースとして出場した選抜大会では初戦の北海道・鵡川高校との試合で9回途中までノーヒットノーランの ピッチング。
プロからも一躍注目される存在となりました。
そして決勝戦では、現広島・守護神を務める長崎・清峰高校の今村猛投手との熾烈な投手戦を演じます。
9回1失点で完投するも、この1点が及ばず、惜しくも準優勝となりました。
第91回選抜大会 -春甲子園投手成績 (2009 )
回戦・対戦校 | 投球回数 | 被安打 | 奪三振数 | 与四死球数 | 自責点 | |||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
一回戦 | 鵡川(北海道) | ○ | 5-0 | 9.0 | 2 | 12 | 1 | 0 |
二回戦 | 明豊(大分) | ○ | 4-0 | 9.0 | 9 | 12 | 2 | 0 |
準々決勝 | 南陽工(山口) | ○ | 5-3 | 4.0 | 2 | 6 | 2 | 0 |
準決勝 | 利府(宮城) | ○ | 5-2 | 9.0 | 5 | 7 | 4 | 2 |
決勝 | 清峰(長崎) | ● | 0-1 | 9.0 | 7 | 4 | 2 | 1 |
計5 | 防:0.68 | – | – | 40.0 | 25 | 41 | 11 | 3 |
夏にも甲子園に出場し、準決勝まで進出しています。
第91回選手権大会 -夏甲子園投手成績 (2009 )
回戦・対戦校 | 投球回数 | 被安打 | 奪三振数 | 与四死球数 | 自責点 | |||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
一回戦 | 長崎日大(長崎) | ○ | 8-5 | 9.0 | 9 | 5 | 2 | 5 |
二回戦 | 横浜隼人(神奈川) | ○ | 4-1 | 9.0 | 5 | 8 | 1 | 1 |
三回戦 | 東北(宮城) | ○ | 4-1 | 9.0 | 6 | 9 | 1 | 1 |
準々決勝 | 明豊(大分) | ○ | 7-6 | 4.2 | 1 | 4 | 1 | 1 |
準決勝 | 中京大中京(愛知) | ● | 1-11 | 0.2 | 2 | 1 | 0 | 1 |
計5 | 防:2.51 | – | – | 32.1 | 23 | 27 | 5 | 9 |
ドラフト会議 – ( 2009 )
プロ野球だけでなく、大リーグからも注目される存在となった菊池雄星投手。
2009年のドラフト会議で、なんと6球団の競合の末、西武への入団が決まりました。
▲ 契約金1億円+出来高5000万円、年俸1500万円、背番号17。
ドラフト指名選手 – ( 埼玉西武ライオンズ )
1位 | 菊池 雄星 | 投手 | 花巻東高 |
2位 | 美沢 将 | 内野手 | 第一工業大学 |
3位 | 岩尾 利弘 | 投手 | 別府大学 |
4位 | 石川 貢 | 外野手 | 東邦高 |
5位 | 松下 建太 | 投手 | 早稲田大学 |
6位 | 岡本 洋介 | 投手 | ヤマハ |
奥さんは – ( 2016 )
そんな菊池投手は2016年6月、フリーアナウンサーの深津瑠美さんと結婚されました。
かつてから菊池投手は深津さんのファンだったようで、ものすごいアプローチをかけていたようです。
ふられつづけていたそうですが…。
それでも諦めず頼み込み、1度だけOKを貰いそこから、付き合うことになったそうです。
そこまで一途にほれ込んだ深津さんはかなりの美人と評判。
深津さん自身も菊池投手の素直なところに惹かれたそうです。
西武菊池が結婚会見、深津瑠美は「明るくて優しい」2016年7月6日
西武菊池雄星投手(25)が6日、所沢の球団事務所で会見を開き、フリーキャスターの深津瑠美(30)と結婚したことを発表した。NHK BS1のワールドスポーツMLBを見ていた菊池はずっと深津のファンだったという。2年間、共通の知人を通じて会いたいとメッセージを送っていたが、深津は仕事とプライベートに一線を引きたい考えだったといい、実現しなかった。昨年11月にようやく、1度だけという約束で都内のフレンチのお店で食事を共にしたところ意気投合したという。12月には交際を開始し、開幕前の3月に自宅で「結婚してください」とプロポーズした。「迷っている様子はなかったです」と、その時の様子を説明した。その際に6月24日の深津の誕生日に婚姻届を提出しようと約束していた。ケガと重なってしまったが「約束を守ろうと思った」と、別の日にすることは考えなかった。この日は家を出る時に「ゆっくりしゃべるように」とアドバイスを受けて来た。「早口になってしまうので」と菊池。ケガでリハビリ中のサプリメント選びなど、さまざまなことで支えてくれている。「明るくて誰にでも優しい。僕はネガティブなので、負けても明るく笑顔で迎えてくれるのはうれしい」と話した。
携帯には祝福のメールが殺到した。「報告できなかった方もいっぱいいるのに、お声をかけていただいて、あらためて支えてもらっていると感じた。復帰できたら、恩返しのピッチングを披露したい」と菊池。5日からブルペンでの投球練習を再開。この日も2日連続で投球練習を行った。今後は100球前後、力のあるボールを投げられるようにしていく。球宴明けの1軍復帰に向けて、順調そうだ。
深津 瑠美(ふかつ るみ)- 元フリーアナウンサー
生年月日 | 1986年6月24日歳) |
出身地 | 神奈川県 |
身長 | 160cm |
最終学歴 | フェリス女学院大学卒業 |
職歴 | 岡山放送アナウンサー〜TBSニュースバードキャスター |
血液型 | B型 |
プロ入り後の野球人生は?
ルーキー時代 – ( 2010 )
菊池雄星投手の1年目は周囲の期待の大きさに反して、左肩痛にも悩まされます。
2軍での登板もほとんどないままシーズンを終えました。
年度別投手成績 – (2010 )
2009年 (18歳) 西武ドラフト1位 契約金1億円+出来高5000万円
年度 | 登板 | 防御率 | 勝敗 | 投球回 | 三振 | 年俸 |
2010年(19)イースタン成績 | 2(先発2) | 0.00 | 1勝1敗 | 8.0 | 2 | 1500万 |
入団2〜3年目 – ( 2011-2012 )
しかし、その左肩痛が解消されてくると、2年目シーズンには初の1軍昇格も果たし、シーズンで4勝を挙げました。
素晴らしいボールを持っているにも関わらず、結果が出ないのはコントロールの悪さが要因の一つとして挙げられます。
速球派の投手に多い傾向として球速を求めるあまり、コントロールが
定まらなくなってしまい、結果として自滅する形になってしまうことが
多くあります。
年度別投手成績 – (2011-2012)
年度 | 登板 | 防御率 | 勝敗 | 投球回 | 三振 | 年俸 |
2011年(20) | 10(先発9) | 4.14 | 4勝1敗 | 54.1 | 24 | 1500万 |
2012年(21) | 14(先発12) | 3.10 | 4勝3敗1s | 81.1 | 57 | 2000万 |
先発ローテへ – ( 2013-2015 )
4年目の2013年には、プロ入り後では最速となる153キロのストレートを投げ込み順調に勝ち星を重ねます。
この年、自身最多となるシーズン9勝をマーク。
しかしシーズン終盤には再び左肩痛を発症してしまい、その影響は翌年以降にも現れました。
それも少しずつ調子を取り戻し、2015年には自己最速となる157キロのストレートをマーク。
年度別投手成績 – (2013-2015)
年度 | 登板 | 防御率 | 勝敗 | 投球回 | 三振 | 年俸 |
2013年(22) | 17(先発17) | 1.92 | 9勝4敗 | 108.0 | 111 | 2300万 |
2014年(23) | 23(先発23) | 3.54 | 5勝11敗 | 139.2 | 122 | 4000万 |
2015年(24) | 23(先発21) | 2.84 | 9勝10敗 | 133.0 | 127 | 3800万 |
エース格へと成長 – ( 2016 )
2016年には自身初の開幕投手に抜擢。
エース候補として、その期待に応えるように自身初の2桁勝利12勝をマークしました。
年度別投手成績 – (2016)
年度 | 登板 | 防御率 | 勝敗 | 投球回 | 三振 | 年俸 |
2016年(25) | 22(先発22) | 2.58 | 12勝7敗 | 143.0 | 127 | 5500万 |
NPB通算:6年 | 109(先発104) | 2.92 | 43勝36敗1s | 659.1 | 533 | 1億0000万 |
表彰
「ジョージア魂」賞 | 1回 (2013年度第4回) |
ピッチングスタイル
そんな菊池投手の最大の魅力はなんといっても最速157キロのストレート。
さらに切れ味の鋭いスライダーとチェンジアップで緩急をつけたピッチングもまた魅力です。
スリークォーターの投球フォームから繰り出される球威のあるストレートとスライダーで打者を幻惑するのが菊池投手の持ち味です。
デーブ大久保・暴行事件 – ( 2010 )
2010年当時、二軍打撃コーチを務めていたデーブ大久保さんが、球団期待のスター候補と目されていた菊池雄星投手に対して暴行を働いたことで、同球団から解雇処分を言い渡されました。
デーブ大久保氏、暴行事件相手の西武・雄星に直接謝罪していた 2017.4.13
プロ野球楽天前監督の大久保博元氏(50)が、12日深夜の日本テレビ系「ナカイの窓」(水曜深夜0・09)に出演。西武の2軍打撃コーチ時代に起こした暴行事件で、相手となった西武・菊池雄星投手(25)に直接謝罪し、和解していたことを初告白した。大久保氏は2010年、西武の2軍打撃コーチに就任。その年にドラフト1位で入団した菊池を暴行したとして謹慎処分に。後に球団を解雇された。当時は「自分の指導法は間違っていない」と信じていたという。この件は裁判にも発展。その後、球団の主張が正しいことに気づいたという。
司会の中居正広(44)から、騒動後に菊池と連絡をとったのかを尋ねられると、「言っていいかな…」と語りだした大久保氏。きっかけは西武シニアディレクター(SD)の渡辺久信氏(51)にキャンプの取材を申し入れたことだった。その際、渡辺氏から「雄星にあやまってくれないか」と打診され、大久保氏は「ぜひぜひ、謝らせて下さい」と同意。16年2月、菊池と再会することになった。場所は球団室だった。菊池は部屋に入ってくると号泣しながら「デーブさんすみませんでした。俺が悪かったです」と言ったという。その言葉に、大久保氏は渡辺氏とともに涙し、「雄星悪かった。俺みたいな大人が苦しめて申し訳なかった」と直接謝罪。同席した球団社長も、大久保氏に「ライオンズの人間なんだし俺らは全て許すから、球場にどんどん来て野球を盛り上げていこう」と語りかけたという。大久保氏は、直接謝罪ができたのは「渡辺さんのおかげ」と感謝し、このことは「1軍の監督やる、ホームラン打った、すべてのことより、雄星と球団の人たちの前で握手して、泣けたっていうのが、何よりうれしかった」と語った。直接謝罪について話すのは初めてだと語った大久保氏。「スッキリしました」と晴れやかな表情だった。
今後の課題
昨年のシーズンオフ、長年西武のエースを務めてきた岸孝之投手が東北楽天にFA移籍しました。
そのことで菊池投手にはエースとしてのピッチングが求められるようになり、今シーズンも開幕投手を任されました。
開幕戦では勝利投手となり、その後も安定したピッチングで、2年連続の2ケタ勝利も見えています。
防御率ではパリーグトップ、奪三振や勝利数でもリーグ上位にランクインしており、自身初のタイトル獲得の期待も高まります。
月別投手成績 -(2017.07.18まで)
月 | 試合数 | 打率 |
---|---|---|
3月 | 1 | 防1.29(1勝0敗)投7.0 振4 |
4月 | 4 | 防1.20(1勝1敗)投30.0 振34 |
5月 | 5 | 防1.24(3勝1敗)投29.0 振31 |
6月 | 4 | 防4.31(2勝2敗)投31.1 振32 |
7月 | 1 | 防0.00(1勝0敗)投9.0 振14 |
2017年タイトル獲得か?
タイトル獲得に向けては一つの課題があります。
ソフトバンクにどうしても勝てないっていうことです。
これまで幾度となく対戦しているソフトバンクですが、なんと1度も勝てていないのです。
苦手チームがあると、タイトル獲得の大きな弊害となります。
ましてやエースであるなら、相手がどこであっても安定した成績を残さなくてはなりません。
さらなる覚醒、そしてエースと呼ばれるためには、まずはソフトバンク戦に勝つことが求められます。
西武・雄星、またもソフトバンクに勝てず…通算0勝10敗に 2017.5.19
(パ・リーグ、西武1-2ソフトバンク、7回戦、ソフトバンク5勝2敗、19日、メットライフ)西武・菊池雄星投手(25)が8回2失点と好投も、打線の援護がなく2敗目。チームの連勝も6でストップした。雄星はソフトバンクから、またも白星を挙げることができなかった。
今季ここまで4勝、防御率1.08と絶好調の雄星。しかし、ソフトバンク戦となると話は別だ。これまで通算14試合に登板し、0勝9敗。4月7日(メットライフ)の登板でも、内川に2発を浴び4失点で今季初黒星を喫していた。そして、この日も…。二回、松田にソロ本塁打を浴び早々に失点。その裏に味方打線が1点を奪い、振り出しに戻る。四回にはデスパイネの“走塁ミス”でピンチを切り抜けるなど、強力なソフトバンク打線を何とか封じていた。しかし、七回に先頭のデスパイネに二塁打を許す。中村を一ゴロ、松田を3球三振に仕留めて二死三塁。ここで、打席には今季ブレイク中の上林。2球目を上手くとらえられると打球はぐんぐんと伸び、勝ち越しの右越え二塁打となってしまった。結局、8回を115球7安打7奪三振2失点で交代。好投も打線の援護がなく黒星となった。どうしても“鷹狩”ができない雄星。次回登板でリベンジを果たせるか。
まとめ
高校時代は広島・今村猛投手。
ソフトバンク・今宮健太選手。
などなど各球団主力となっている選手たち以上に注目を集めていた菊池雄星投手。
菊池投手はエースとしてチームの浮沈のカギを握る存在となっています。
そして今シーズン、エースと呼ぶに相応しいピッチングを披露している菊池投手。
鬼門となっているソフトバンクに勝利して、さらなる覚醒を期待したいものです。