T-岡田選手と言えば、かつて本塁打王にも輝くなどの実績を誇るパリーグを代表するバッターの一人です。
しかし、22歳で本塁打王を獲得して以降は本数が伸び悩んでいるのが気にかかるところ。
今回は、そんなT-岡田選手についてご紹介させていただきましょう!
T-岡田の経歴・生い立ち
T-岡田選手こと岡田貴弘選手は大阪府吹田市の出身で現在まだ28歳。
幼少の頃、中学時代に練習試合とは言え、140メートル越えの場外本塁打を放つ等、当時からズバ抜けたパワーを誇っていたことが窺えます。
T-岡田(ティーおかだ) -岡田 貴弘(おかだ たかひろ)オリックス・バファローズ (2006 – )
生年月日 | 1988年2月9日(28歳) |
出身地 | 大阪府吹田市 |
身長 | 186cm |
体重 | 98kg |
ポジション | 外野手 |
投打 | 左投左打 |
プロ入り | 履正社高等学校〜2005年 オリックス高校生ドラフト1巡目 |
NPB通算:11年 | 試828 率.267(2980打数795安打)本125 点470 盗21 |
履正社高校時代
後に履正社高校に入学。
1年時から4番を任され、元阪神の鶴直人投手(当時:近代付高)から本塁打も記録しています。
何よりも2年夏の大会で5打席連続での敬遠、各校から警戒の中で5試合で5本の本塁打を放っている辺りからは長打力だけでなく、集中力や勝負強さも感じられるところでしょう!
3年夏大阪大会では平田良介(現中日)、辻内崇伸(元巨人)、中田翔(現日本ハム)らを擁する大阪桐蔭高校準決勝で対戦。
投手の中田翔から9回表にバックスクリーンへの3ラン本塁打を放ちましたが3-11と大差で敗れ、残念ながら甲子園の経験はありません。
第87回全国高校野球選手権大会大阪予選 (2005年)
回戦 | 対戦校 | 勝敗 | |
一回戦 | 西野田工科 | ○ | 10-2 |
二回戦 | 関西創価 | ○ | 18-2 |
三回戦 | 東淀川 | ○ | 13-1 |
四回戦 | 北陽 | ○ | 6-3 |
五回戦 | 上宮太子 | ○ | 4-2 |
準々決勝 | 金光大阪 | ○ | 7-1 |
準決勝 | 大阪桐蔭 | ● | 3-11 |
大阪地元では、大阪桐蔭・辻内崇伸、近大附高・鶴直人と共に「浪速の四天王」と呼ばれるようになります。
▲ (左から)辻内、T-岡田、平田、鶴
この4人は全員1巡目指名で高卒プロ入りしています。
辻内崇伸投手 | 大阪桐蔭高校→巨人→引退 |
平田良介選手 | 大阪桐蔭高校→中日 |
鶴直人投手 | 近大付属高校→阪神 |
岡田貴弘選手 | 履正社高校→オリックス |
また高校通算55本塁打を記録し「浪速のゴジラ」の愛称で呼ばれます。
主な高校生強打者の通算本塁打
名前 | 通算 | 経歴 |
筒香 嘉智 | 69(甲-3) | 横浜高-横浜 |
中村 晃 | 60(甲-2) | 帝京-ソフトバンク |
大谷 翔平 | 56 | 花巻東-日本ハム |
岡田 貴弘(T-岡田) | 55 | 履正社-オリックス |
丸 佳浩 | 49 | 千葉経大付-広島 |
炭谷 銀仁朗 | 48 | 平安-西武 |
栗山 巧 | 47 | 育英-西武 |
2005ドラフト会議
その後、2005年にオリックス・バファローズからドラフト外れ1位として指名され入団し、今に至っています。
2005年オリックス高校生ドラフト指名選手
1巡目 | 岡田 貴弘 | 外野手 | 履正社高 |
3巡目 | 柴田 亮輔 | 内野手 | 愛工大名電高 |
それから、ご家族についてですが、モデルでもある、ますあやさん。
現在は2人家族との事です。
ますあや(升彩)
生年月日 | 1985年8月6日(31歳) |
出身地 | 大阪府 |
血液型 | B型 |
22歳でのホームランキング!その後は・・・
T-岡田選手は2005年に入団して以降、成績を出せないシーズンが続き、2009年まではほとんど2軍生活でした。
2006〜2009年 下積み時代
33本塁打でホームランキングを獲得する前年の2009年では好成績を残し覚醒の予兆があります。
また「T-岡田」の由来は、2009年シーズン後に就任した岡田彰布監督が岡田貴弘選手の登録名変更を提案。
ファンからアンケートをとり登録名「T-岡田」となりました。
ファーム打撃成績
2005年(17歳)ドラフト1巡目 契約金8000万円
年度 | 試合数 | 打率 | 打点 | 本塁打 | 盗塁 | 三振 | 年俸 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
2006年(18) | 82 | .245(298打数73安打) | 27 | 5 | 6 | 75 | 720万 |
2007年(19) | 68 | .246(236打数58安打) | 25 | 4 | 2 | 69 | 720万 |
2008年(20) | 83 | .216(264打数57安打) | 28 | 5 | 2 | 71 | 710万 |
2009年(21) | 65 | .295(258打数76安打) | 59 | 21 | 2 | 71 | 690万 |
2010年覚醒期
2010年になると才能を一気に開花!
これまでの成績をあっさり抜き去り、シーズン33本塁打を達成。
さらには本塁打王も獲得するという覚醒ぶりを見せてくれましたね!
2010年本塁打ランキング
順位 | 名前 | 本塁打 | 球団 |
1 | T-岡田 | 33 | オリックス |
2 | 山崎 武司 | 28 | 東北楽天 |
3 | 多村 仁志 | 27 | ソフトバンク |
4 | 中村 剛也 | 25 | 西武 |
5 | カブレラ | 24 | オリックス |
5 | オーティズ | 24 | ソフトバンク |
7 | 金 泰均 | 21 | ロッテ |
7 | ブラウン | 21 | 西武 |
9 | 中島 裕之 | 20 | 西武 |
10 | サブロー | 19 | ロッテ |
10 | 松田 宣浩 | 19 | ソフトバンク |
22歳での本塁打王獲得は王貞治氏以来となる記録ですので、そこからも岡田選手の凄さが伝わってくるところでしょう!
オリックス打線 (2010年度)
1番 | 坂口 智隆 | センター | 試138 率.308(558打数172安打)本5 点50 盗12 |
2番 | 赤田 将吾 | ライト | 試79 率.217(253打数55安打)本8 点34 盗3 |
3番 | 後藤 光尊 | セカンド | 試143 率.295(590打数174安打)本16 点73 盗2 |
4番 | カブレラ | ファースト | 試112 率.331(408打数135安打)本24 点82 盗1 |
5番 | T-岡田 | レフト | 試129 率.284(461打数131安打)本33 点96 盗0 |
6番 | 北川 博敏 | 指名打者 | 試119 率.307(362打数111安打)本12 点61 盗2 |
7番 | バルディリス | サード | 試118 率.301(385打数116安打)本14 点50 盗1 |
8番 | 日高 剛 | キャッチャー | 試79 率.279(219打数61安打)本6 点24 盗0 |
9番 | 大引 啓次 | ショート | 試85 率.236(216打数51安打)本2 点23 盗0 |
年度別打撃成績
年度 | 試合数 | 打率 | 打点 | 本塁打 | 盗塁 | 三振 | 年俸 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
2006年(18) | 3 | .167(6打数1安打) | 0 | 0 | 0 | 3 | 720万 |
2009年(21) | 43 | .158(139打数22安打) | 13 | 7 | 0 | 59 | 690万 |
2010年(22) | 129 | .284(461打数131安打) | 96 | 33 | 0 | 136 | 1200万 |
2011年〜現在
ただ、それ以降、成績が伸び悩み、特に本塁打の数が30本に一度も届いていない不本意な成績となっております。
年度別打撃成績
年度 | 試合数 | 打率 | 打点 | 本塁打 | 盗塁 | 三振 | 年俸 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
2011年(23) | 134 | .260(492打数128安打) | 85 | 16 | 4 | 116 | 5800万 |
2012年(24) | 103 | .280(378打数106安打) | 56 | 10 | 4 | 81 | 7800万 |
2013年(25) | 58 | .222(189打数42安打) | 18 | 4 | 2 | 42 | 7300万 |
2014年(26) | 130 | .269(472打数127安打) | 75 | 24 | 4 | 107 | 5500万 |
2015年(27) | 105 | .280(389打数109安打) | 51 | 11 | 2 | 80 | 8000万 |
2016年(28) | 123 | .284(454打数129安打) | 76 | 20 | 5 | 105 | 6400万 |
NPB通算:11年 | 828 | .267(2980打数795安打) | 470 | 125 | 21 | 729 | (17年)1億 |
本人は「チームの勝利のために貢献できるような4番を目指している」と語っています。
T-岡田選手の最大の持ち味が本塁打である事実は変わりません。
2010年の成績が示す通り、本塁打の数を増やせば自ずと成績も付いてきます。
不調の今こそ他の選手ではそうそう真似できないパワーと飛距離を生かした本塁打を意識したプレーが必要になってくるかと思います。
オリックス打線 (2016年度)
1番 | 西野 真弘 | セカンド | 試143 率.264(538打数142安打)本2 点33 盗16 |
2番 | 安達 了一 | ショート | 試118 率.273(403打数110安打)本1 点34 盗6 |
3番 | 糸井 嘉男 | ライト | 試143 率.306(532打数163安打)本17 点70 盗53 |
4番 | T-岡田 | レフト | 試123 率.284(454打数129安打)本20 点76 盗5 |
5番 | 中島 裕之 | サード | 試96 率.290(314打数91安打)本8 点47 盗1 |
6番 | モレル | ファースト | 試94 率.244(308打数75安打)本8 点38 盗2 |
7番 | 吉田 正尚 | 指名打者 | 試63 率.290(231打数67安打)本10 点34 盗0 |
8番 | 若月 健矢 | キャッチャー | 試85 率.227(229打数52安打)本0 点20 盗0 |
9番 | 駿太 | センター | 試105 率.192(214打数41安打)本1 点9 盗3 |
2017年の置かれた立場は?
2017年の岡田選手の課題は先程も触れた通り、本塁打の数を増やしていくことにあります。
一時は飛距離が落ちると言われた統一球への変更もあってフォームの変更を繰り返す試行錯誤が続きました。
故障もあり近年では今一つ安定した成績は残せていません。
そのため、フォームの固定とやはり最大の特徴である本塁打の数を増やしていくことが求められます。
何よりも2016年度はまずまずの成績を残していることからも調子を取り戻しつつある傾向が見らますね。
オリックス・T-岡田インタビュー「一振りで流れを変えられるのが四番」
打席での考え方を変えて
くすぶり続けた5年間。パワーとボールを飛ばす技術はトップクラス、練習熱心な性格で、バットを振る時間も惜しまない。だが、結果が伸び悩み、昨季はケガに泣かされ2度の二軍落ちも味わった。チームの主砲として期待され続ける男が、プロ11年目の今季、考えを一新させて打席に立ち続ける。
――1月の自主トレの時点でキャリアハイとなる「35本塁打・100打点」を今季の目標に掲げました。
T-岡田(以下・T) 今年にかける思いは本当に強いんです。昨年、あれだけチームが期待されていたけど、僕も含めて応えられなかった。故障もあって二軍にも落ましたし。だから、今年はチームの力になるためにも結果を出さないといけないと思っているんです。
――目標の数字の意味は?
T 僕の場合、2010年にポンと出てきて、本塁打王のタイトルを取って。ホンマに納得した成績を残したのは、その1年だけなんです。そこから安定した成績を残せていない。そこを打ち破りたい。2010年を超えたいと思って、キャリアハイを超える数字にしました。現実味のある数字で、自分にプレッシャーをかけたんです。
――目標に打率は挙げていませんが、本塁打、打点を最優先に考えているということですか。
T チームの勝ちに直結する打点が最優先ですね。それも、試合の『ここ』という場面での打点。そういう打点にこだわりたい。ホームランは数が増えれば、打点にもつながるし、それがベストだと思っています。それに、35本(塁打)以上打っていれば、必然的に打率も上がってくると思うので。
2017年来季は年間を通しての安定感が重要になってくるのではないでしょうか?
守備位置についてですが、糸井選手が残留するのであれば一塁手としての起用も有り得るのではとされていました。
糸井 嘉男(いとい よしお) -阪神タイガース (2017 – )
生年月日 | 1981年7月31日(35歳) |
出身地 | 京都府与謝郡与謝野町 |
身長 | 187cm |
体重 | 88kg |
ポジション | 外野手 |
投打 | 右投左打 |
プロ入り | 近畿大〜2003年 自由獲得枠 |
糸井選手が阪神への移籍が決まった以上、来季も外野手としての起用が濃厚ではないかと思われます。
まとめ
以上、T-岡田選手についてでした。
統一球への変更が無ければと順調にホームラン数を伸ばしたと思わざるにはいられない選手ではあります。
2016年度の活躍を見る限り、復活の兆しはありますし、来季からはより好成績を残せる可能性も高いと思います。
是非、オリックス不動の4番として活躍を期待したいですね!