今シーズン、一気に福岡ソフトバンクのレギュラーをつかみつつあるのが上林誠知(うえばやし・せいじ)選手です。
ブレイクの兆しを感じさせる上林選手は高卒からプロ入り4年目のホープ。
そんな上林選手は今季、覚醒して完全ブレイクするでしょうか?
上林誠知の経歴・生い立ち
上林誠知選手は1995年8月1日生まれの歳。
埼玉県さいたま市出身で、福岡ソフトバンクの外野手です。
上林 誠知(うえばやし せいじ)- 福岡ソフトバンクホークス (2014 – )
生年月日 | 1995年8月1日(歳) |
出身地 | 埼玉県さいたま市 |
身長 | 185cm |
体重 | 78kg |
ポジション | 外野手 |
投打 | 右投左打 |
プロ入り | 仙台育英高〜ソフトバンク2013年 ドラフト4位 |
NPB通算:2年 | 試29 率.286(63打18安打)本2 点7 盗0 |
上林選手が野球を始めたのは小学1年のこと。
中学進学後も地元の野球チームに所属し、3年生のときにはジャイアンツカップの4番を任され、優勝も経験しています。
中学卒業後は、宮城の強豪・仙台育英高校に進学。
仙台育英高校時代 – ( 2011- 2014 )
入学当初は東日本大震災の影響で大会が中止になりましたが、秋には4番に座り、センターを守るようになりました。
高校時代からその天性の打撃センスはプロから注目される存在となっています。
高校通算23本塁打とパンチ力もあり。
2年夏には甲子園に出場し、広角に打ち分ける巧みなバッティング技術で、4割5分5厘というハイアベレージをマークしました。
3年では春・夏と甲子園に連続出場。
中でも春選抜ではワンバウンドした球をセンターへはじき返すという、曲芸ともいえるようなバッティング技術で、プロスカウトの目を釘付けに・・・
仙台育英・上林、ワンバウンドの球を二塁打に 2013年3月25日
大会注目の打者、仙台育英の上林がワンバウンドの球を二塁打にした。2回2死満塁、追い込まれた後のスライダーに「体が前に突っ込んだ」。だが、バットコントロールの良さで対応。すくい上げるように打って右中間に落とし、2者を生還させた。「でも、(打撃としては)あまりよろしくないですね」と苦笑いだった。
○佐々木監督(仙) 「うちが序盤に5点も取るなんて珍しい。それでほっとしているうちに追い込まれて苦しくなった。勝てて本当にほっとした」
第85回選抜大会 3年生時・春- ( 2013 )
回戦 | 対戦校 | 勝敗 | |
二回戦 | 創成館(長崎県) | ○ | 7-2 |
三回戦 | 早稲田実(東京都) | ○ | 4-1 |
準々決勝 | 高知(高知県) | ● | 0-2 |
第95回選手権大会 3年生時・夏- ( 2013 )
回戦 | 対戦校 | 勝敗 | |
一回戦 | 浦和学院(埼玉県) | ○ | 11-10 |
二回戦 | 常総学院(茨城県) | ● | 1-4 |
甲子園成績 – ( 2012 – 2013 )
年度 | 試合 | 打率 | 安打 | 本塁打 | 打点 | 三振 | 盗塁 | 出塁率 |
2012春 | 3 | .455 | 11/5 | 0 | 2 | 1 | 1 | .538 |
2013春 | 3 | .333 | 9/3 | 0 | 4 | 1 | 0 | .538 |
2013夏 | 2 | .111 | 9/1 | 0 | 0 | 3 | 0 | .111 |
通算 | 8 | .310 | 29/9 | 0 | 6 | 4 | 1 | .414 |
世界野球選手権大会 – ( 2012 )
夏の甲子園終了後の9月には高校日本代表に選出。
主に代打・守備固めで18UW杯準Vを経験しています。
国際大会成績 – ( 2013 )
年度 | 試合 | 打率 | 安打 | 本塁打 | 打点 | 三振 | 盗塁 | 出塁率 |
U-18 | 8 | .333 | 9/3 | 0 | 4 | 0 | 2 | .500 |
ドラフト会議 – ( 2013 )
2013年ドラフト会議で福岡ソフトバンクの4位指名を受け、入団に至りました。
▲ 契約金4,000万円、年俸500万円、背番号51。
ドラフト指名選手 – ( 福岡ソフトバンクホークス )
1位 | 加治屋 蓮 | 投手 | JR九州 |
2位 | 森 唯斗 | 投手 | 三菱自動車倉敷オーシャンズ |
3位 | 岡本 健 | 投手 | 新日鐵住金かずさマジック |
4位 | 上林 誠知 | 外野手 | 仙台育英学園高 |
上林選手の家族・彼女のうわさ
上林選手はご両親とお兄さんがおり、またお母さんは韓国とのハーフだそうです。
▲ (右)兄泰源さん(中央)母蓮草さん
彼女は、今のところそのような情報はないそうです。
しかし、これから福岡ソフトバンクを代表するような選手になれば、彼女のうわさも出てきそうですね。
上林誠知のプロ入り後は
ルーキーイヤー ( 2014 )
高校時代は外野手だった上林誠知選手。
プロ入り後は俊足や強肩を生かすために内野手に転向しました。
ウエスタン年度別打撃成績 -(2014)
2013年(18歳) ドラフト4位 契約金4,000万
年度 | 試合数 | 打率 | 打点 | 本塁打 | 盗塁 | 犠打 | 三振 | 年俸 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2014年(19) | 9 | .182(11打数2安打) | 0 | 0 | 0 | 0 | 3 | 500万 |
しかしそれもわずか1年で、翌年からは外野手に再び転向。
入団2年目 ( 2015 )
2015年は、本職である外野手に戻りました。
その2015年は上林選手にとって様々な経験をした1年でもありました。
高卒2年目ながら早くも1軍昇格。
8月25日千葉ロッテ戦ではプロ入り初ホームランがなんと逆転満塁ホームランとなったのです。
その当時は20歳になったばかり。
球団史上最も若い年齢での満塁ホームランとなったのです。
しかもこれがプロ初打点というおまけ付き。
年度別打撃成績 -(2015)
年度 | 試合数 | 打率 | 打点 | 本塁打 | 盗塁 | 犠打 | 三振 | 年俸 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2015年(20) | 15 | .318(44打数14安打) | 6 | 2 | 0 | 0 | 13 | 500万 |
その後はクライマックスリーズ、そして日本シリーズにも出場しました。
実はこの年、ソフトバンク2軍もウエスタンリーグを制覇し、巨人とのファーム日本選手権に進出しました。
1軍、そして2軍のプロ野球の頂点を決める大きな一戦に出場を経験。
上林選手自身、2軍では首位打者や盗塁王などを数々のタイトルにも輝きました。
ウエスタン年度別打撃成績 -(2015)
年度 | 試合数 | 打率 | 打点 | 本塁打 | 盗塁 | 犠打 | 三振 | 出塁率 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2015年(20) | 88 | .334(308打数103安打) | 46 | 10 | 16 | 4 | 57 | .372 |
そんな上林選手は春季キャンプ前の自主トレを、チームメイトの4番を務めている内川選手や今シーズンから広島4番に座っている鈴木誠也選手といった今やプロ野球界を代表する選手達と行っています。
プロ野球で一線で活躍している選手達から刺激を受け、またアドバイスをもらいながら、昨年のオフにはウエートトレーニングで体重を10kgアップさせました。
広島・鈴木、ソフトB内川と自主トレ 2016.1.17
広島の鈴木誠也外野手(21)が17日、宮崎・日向市のお倉ヶ浜総合公園でソフトバンク・内川聖一外野手(33)との合同自主トレを公開した。今季、外野のレギュラー獲りを目指す鈴木誠。「意識的にも高くなってきた。確実にレベルアップしている」と手応えを口にした。この日は、ランニングやキャッチボール、ノック、砂浜ダッシュなどで汗を流した。
それにより今シーズンのオープン戦では140メートルという大ホームランを放ち、従来のシュアなバッティングに加え、長打力という魅力も徐々に加わってきました。
そしていよいよ今シーズンはレギュラー獲得まで目前というところまで成長したのです。
年度別打撃成績 -(2016)
年度 | 試合数 | 打率 | 打点 | 本塁打 | 盗塁 | 犠打 | 三振 | 年俸 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2016年(21) | 14 | .211(19打数4安打) | 1 | 0 | 0 | 0 | 7 | 800万 |
NPB通算:2年 | 29 | .286(63打18安打) | 7 | 2 | 0 | 0 | 20 | 800万 |
2017年はレギュラー格へ成長出来るか
4年目を迎える上林選手は今シーズンの開幕からおおむね下位打線、ライトスタメン出場しています。
オープン戦打撃成績 -(2017)
年度 | 試合数 | 打率 | 打点 | 本塁打 | 盗塁 | 犠打 | 三振 | 出塁率 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2017年(21) | 14 | .243(37打数9安打) | 6 | 2 | 4 | 2 | 14 | .317 |
シーズンオフにウェイトトレーニングで鍛え上げられた体も活かしながら、持ち味の打撃センスで、パリーグの打率ランキング10位以内に入ってくる活躍を見せています。
月別打撃成績 -(2017.06.27まで)
月 | 試合数 | 打率 |
---|---|---|
3月 | 1 | .333(3打数1安打)本0 点0 盗0 |
4月 | 22 | .258(62打数16安打)本2 点5 盗2 |
5月 | 25 | .355(93打数33安打)本6 点21 盗3 |
6月 | 18 | .258(62打数16安打)本0 点1 盗3 |
開幕からほとんどの試合でスタメン出場しているのは監督の大きな期待の表れでしょう。
上林選手自身もそんな監督の期待に応える活躍ぶりを見せています。
内川選手やデスパイネ選手といった主力に故障が相次いでいますが、いずれにしても上林選手のような確実性とパンチ力のある打撃ができる選手が下位打線に座っているというのは相手にとっては脅威でしょう。
上林選手自身も今の状態を保っていけば、十分にレギュラーに定着できる力はあり、また監督もレギュラーとして起用していくことでしょう。
2017年ソフトバンク打線 (2016年度成績)
1番 | 川﨑 宗則 | セカンド | 試14 率.333(21打数7安打)本0 点1 盗2 |
2番 | 今宮 健太 | ショート | 試137 率.245(497打122安打)本10 点56 盗8 |
3番 | 柳田 悠岐 | センター | 試138 率.306(524打数131安打)本16 点73 盗23 |
4番 | 内川 聖一 | ファースト | 試141 率.304(556打数169安打)本18 点106 盗3 |
5番 | デスパイネ | 指名打者 | 試134 率.280(496打数139安打)本24 点92 盗0 |
6番 | 中村 晃 | レフト | 試143 率.287(488打140安打)本7 点50 盗6 |
7番 | 松田 宣浩 | サード | 試143 率.259(548打数142安打)本27 点85 盗6 |
8番 | 上林 誠知 | ライト | 試14 率.211(19打数4安打)本0 点1 盗0 |
9番 | 髙谷 裕亮 | キャッチャー | 試37 率.247(81打20安打)本2 点16 盗0 |
まとめ
将来のクリーンアップ候補として球団の期待も大きい上林誠知選手。
その素質が今シーズン、一気に花を咲かせようとしています。
レギュラーをつかみつつあり、現在は下位打線を任されていますが、ゆくゆくは主軸として起用されることでしょう。
走力もあり、打撃センスも高いだけに、将来はチームメイトである柳田悠岐選手のような選手になれる可能性も秘めています。