セリーグでも屈指の打線を誇る東京ヤクルトが、2年ぶりのペナント奪還のためには、投手力を高めることがポイントとなります。
その戦力として、今季新加入したデビット・ブキャナン投手。
過去にどのような成績を残しているのでしょうか。
そして日本では活躍できるでしょうか。
デビット・ブキャナン投手の生い立ち
ブキャナン投手は1989年5月11日生まれで、もうすぐ歳となる投手。
アメリカのジョージア州、五輪も開催されたことがあるアトランタ出身です。
デビット・ブキャナン -東京ヤクルトスワローズ (2017 – )
生年月日 | 1989年5月11日(歳) |
出身地 | アメリカ合衆国テキサス州オースティン |
身長 | 191cm |
体重 | 91kg |
ポジション | 投手 |
投打 | 右投右打 |
MLB初出場 | 2014年5月24日 ロサンゼルス・ドジャース戦 |
2016年:AAA成績 | 登27(先発:26) 防3.98(10勝9敗)投167.1 振95 |
7人兄弟という大家族の中で育ちました。
191cmの長身投手で、プロ入りしたのは2010年のこと。
実はその前年にニューヨーク・メッツから指名されるも拒否し、翌年フィリーズに入団したという経緯があります。
結婚はしている?
そんなブキャナン投手は昨年11月に結婚したばかりの新婚さん。
お相手は小学校の先生をされているアシュリーさんですが、これが本当に美人なんです。
まだ新婚さんですから、お子さんはいらっしゃらないようです。
どんな投手?野球経歴は?
日本にやってくる外国人選手は、メジャー球団を多く渡り歩いているケースが多いのですが、ブキャナン投手は入団からずっとフィリーズ一筋。
フィリーズ時代 – (2010 – 2016)
ブキャナン投手のストレートは最速で151キロ。
微妙に動かしながら相手バッターの芯を外し、チェンジアップやカーブなどで緩急をつけるピッチングが持ち味です。
プロ入り後はマイナーでの生活が続きましたが、その役割は先発が中心。
マイナー年度別投手成績 – (2010 – 2016)
年度 | 階級 | 登板(先発) | 防御率 | 勝敗 | 投球回 |
2010年(21) | A-級 | 13(13) | 2.79 | 3勝1敗 | 62.0 |
2011年(22) | A級 A+級 |
20(20) 6(6) |
4.53 4.53 |
11勝5敗 3勝2敗 |
125.0 32.1 |
2012年(23) | AA級 | 12(12) | 3.29 | 3勝5敗 | 72.1 |
2013年(24) | AA級 AAA級 |
22(22) 6(6) |
4.53 4.53 |
6勝11敗 4勝2敗 |
130.2 39.0 |
2014年(25) | AAA級 | 12(12) | 3.29 | 6勝2敗 | 57.0 |
2015年(26) | RK級 AAA級 |
2(2) 10(10) |
4.53 4.53 |
1勝0敗 4勝2敗 |
9.0 54.2 |
2016年(27) | AAA級 | 27(26) | 3.29 | 10勝9敗 | 167.1 |
マイナー通算 | – | 130(129) | 4.53 | 51勝39敗 | 157.0 |
AAA通算 | – | 55(54) | 3.29 | 24勝15敗 | 177.2 |
2014年に初めてメジャーに昇格し、20試合に先発して6勝8敗の成績を残しました。
年俸もこの年のオフに6000万円程度となっており、ブキャナン投手にとってはキャリアハイの成績となっています。
2015年には15試合に先発し、2勝9敗、防御率6.99と成績を落とし、昨年はメジャー昇格はなく、3Aで27試合に登板。
そのうち26試合で先発、10勝9敗の成績を収めています。
コントロールもまずまずで、変化球も多彩であるため、非常に実戦的な投手であり、日本向きといえるかもしれません。
MLB年度別投手成績 – (2014 – 2015)
年度 | 登板/先発 | 防御率 | 勝敗 | 投球回 | 三振 |
2014年(25) | 20(20) | 3.75 | 6勝8敗 | 117.2 | 71 |
2015年(26) | 15(15) | 6.99 | 2勝9敗 | 74.2 | 44 |
MLB通算 | 35(35) | 5.01 | 8勝17敗 | 192.1 | 115 |
開幕絶好調!年間通して活躍はあるか?
メジャー、マイナーを通じて、中継ぎで投げたのはわずか1試合というほどの先発専門の投手。
当然ながら東京ヤクルトに移籍しても、先発での起用が中心となるでしょう。
オープン戦でも2試合に登板して、合計9イニングで2失点。
四球も3つで持ち味であるコントロールの良さが表れています。
オープン戦投手成績 – (2017)
年度 | 登板 | 防御率 | 勝敗 | 投球回 | 三振 | 四球 |
2017年(27) | 2 | 2.00 | 0勝0敗 | 9.0 | 4 | 3 |
そしてシーズンに入ってからも絶好調。
来日初登板となった4月4日の阪神戦では、いきなり8回1失点の好投で来日初勝利を手にしました。
ヤクルト、バレ乱闘退場も逃げ切り! ブキャナンが8回1失点で来日初勝利
(セ・リーグ、阪神-ヤクルト、1回戦、4日、京セラ)ヤクルトが競り勝った。一回、制球の定まらない阪神先発の藤浪晋太郎を攻め、二死一、二塁から5番・雄平が、左前にポテン適時打で先制。三回にはウラディミール・バレンティン外野手(32)が中堅5階席に推定飛距離140メートルの特大弾を放った。騒然となったのは五回。藤浪が畠山の左肩付近へ死球を与え、両軍の首脳陣、選手が入り乱れる乱闘騒ぎに。グラウンドに飛び出して怒ったバレンティンが阪神・矢野コーチを突き飛ばし、退場処分に。矢野コーチもジャンピングニーパッドで“応戦”し、退場処分を受けた。球審は両軍に警告試合を宣告した。主砲がベンチに下がったヤクルトだが、九回に1点を追加。新助っ人右腕のブキャナンは8回5安打1失点と好投し、来日初勝利を飾った。
その後も、安定したコントロールのあるピッチングで試合を作っています。
同じく今季加入したオーレンドルフ投手も先発として期待されており、外国人枠の関係上、ライバルになります。
ロス・オーレンドルフ -東京ヤクルトスワローズ (2017 – )
生年月日 | 1982年8月8日(歳) |
出身地 | アメリカ合衆国テキサス州オースティン |
身長 | 193cm |
体重 | 109kg |
ポジション | 投手 |
投打 | 右投右打 |
MLB初出場 | 2007年 |
2016年:MLB成績 | 登64(先発:0) 防4.66(5勝7敗2s3h)投65.2 振68 |
ブキャナン投手の場合、緩急をつけ、コントロールのあるピッチングが持ち味であるため、日本に適応するのも早いのではないでしょうか。
実際、来日初のマウンドでも冷静なピッチングを見せており、東京ヤクルトの先発の戦力アップに十分貢献しています。
年間10勝以上の期待もできるのではないでしょうか。
2017年先発投手陣 – ( 2016年成績 )
選手 | 登板 | 防御率 | 勝 | 敗 | 投球回 | 三振 | WHIP |
石川 雅規 | 20(先発20) | 4.47 | 8 | 8 | 116.2 | 52 | 1.35 |
小川 泰弘 | 25(先発25) | 4.50 | 8 | 9 | 158.0 | 114 | 1.27 |
山中 浩史 | 22(先発22) | 3.54 | 6 | 12 | 140.0 | 54 | 1.13 |
館山 昌平 | 10(先発9) | 3.84 | 1 | 4 | 46.0 | 33 | 1.98 |
原 樹理 | 13(先発13) | 5.91 | 2 | 8 | 67.0 | 33 | 1.57 |
オーレンドルフ(MLB成績) | 64(先発0) | 4.66 | 5 | 7 | 65.2 | 68 | 1.39 |
ブキャナン(AAA成績) | 27(先発26) | 3.29 | 10 | 9 | 167.1 | 95 | 1.21 |
まとめ
東京ヤクルトの課題は投手陣。
その戦力補強として獲得したブキャナン投手は、ここまで日本の野球に早くも順応し、高い安定感を見せています。
もしブキャナン投手がシーズンで10勝以上挙げられるようになってくると、東京ヤクルトとしても大きな戦力となりV奪還の糸口も見えてくるでしょう。
順応性が高いブキャナン投手の今後の活躍が期待されます。