近年、強豪校として一気に注目を集めるよりなった熊本・秀岳館高校。
2年連続で甲子園の切符をつかみました。
夏の甲子園はまだ通算で3回目の出場となりますが、2016年の春夏、そして今年の春と3大会連続で準決勝まで進出しています。
今や波に乗っている秀岳館高校の今大会の熊本県予選を振り返り、そして注目選手を挙げてみましょう。
夏の甲子園 結果 ( 2017年成績 )
回戦・対戦校 | |||
---|---|---|---|
一回戦 | 横浜(神奈川) | ○ | 6-4 |
二回戦 | 広陵(広島) | ● | 1-6 |
秀岳館高校の実績は?
全国大会の戦績 -秀岳館高(熊本県)2年連続3度目の出場
大会 | 出場回数 | 勝敗 | 優勝 | 準優勝 | ベスト4 |
春の選抜 | 3回 | 6勝3敗 | 0 | 0 | 2 |
夏の選手権 | 3回 | 5勝3敗 | 0 | 0 | 1 |
甲子園通算 | 6回 | 11勝6敗 | 0 | 0 | 3 |
今や日本屈指の強豪校となった秀岳館高校。
熊本予選の戦い ( 2017年 )
熊本県大会では2回戦から出場します。
初戦・千原台高校との試合では5回に奪った3点のリードをそのまま守りきりましたが、接戦となりました。
熊本国府高戦 ( 準々決勝 )
準々決勝・熊本国府高校との試合では、6回表を終了して3点ビハインドという苦しい展開。
終盤、打線のつながりと粘りで一気に逆転し、準決勝に進出。
準々決勝 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
● 熊本国府 | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 | 0 | 0 | 1 | 4 |
○ 秀岳館 | 1 | 0 | 0 | 1 | 0 | 5 | 1 | 2 | x | 9 |
八代高戦 ( 準決勝 )
準決勝の八代高校との試合は着実に得点を奪いリードを広げ、8回コールドで勝利しました。
準々決勝 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
● 八代 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | |
○ 秀岳館 | 2 | 1 | 0 | 0 | 0 | 1 | 1 | 2x | 7 |
九州学院戦 ( 決勝 )
決勝戦は熊本県下では実力校である九州学院高校との試合。
序盤に1点ずつ取り合いましたが、その後は投手戦となりました。
1−1の同点のまま迎えた9回表、チャンスの場面で気迫の内野安打と相手の送球ミスで貴重な2点を奪い、何とか接戦を制しました。
春夏通じて4大会連続甲子園出場しました。
準々決勝 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
○ 秀岳館 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 | 3 |
● 九州学院 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 |
選手権熊本県大会 ( 2017年成績:優勝 )
回戦・対戦校 | |||
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二回戦 | 千原台 | ○ | 4-2 |
三回戦 | 熊本農 | ○ | (8回コールド)8-0 |
準々決勝 | 熊本国府 | ○ | 9-4 |
準決勝 | 八代 | ○ | (7回コールド)7-0 |
決勝 | 九州学院 | ○ | 3-1 |
秀岳館高校は昨年の強力打線と比べるとは迫力に欠けます。
今年のチームは、コツコツとヒットを繋ぎ1点ずつ確実に点を奪っていける打線になりました。
また投手陣は140キロを越えるストレートを投げ込める左投手が2人います。
その継投で守り勝つ野球に。
2枚看板がいる投手陣は安定感もあり、投打ともに粘り強いのが今年の特徴です。
秀岳館高校の注目選手は?
投手は田浦文丸投手、川端健斗投手という2人の左腕が中心です。
ともにストレートは最速148キロ。
140キロ台をコンスタントに投げ込める力を持っています。
熊本県大会では、プロからも注目されるこの2人の左腕が継投することで、勝利をつかみとってきました。
田浦文丸(たうら ふみまる)3年 – 秀岳館:178cm80kg 左左 投手
川端健斗(かわばた けんと)3年 – 秀岳館:175cm70kg 左左 投手
一方で野手では1番打者として急成長している竹輪涼介選手が注目されます。
シュアな打撃で熊本県大会ではなんと打率9割に手が届きそうなほど、ヒットを量産してきました。
1番打者としてこれだけ高い確率で出塁できるとなれば、対戦相手からすればかなりの脅威となるのは間違いありません。
竹輪涼介(たけわ りょうすけ)3年 – 秀岳館:169cm68kg 右左 外野手
またクリーンアップを打つ木本凌雅選手、主将・広部就平選手はともに、甲子園で一発を放った経験もあります。
木本凌雅(きもと りょうが)3年 – 秀岳館:180cm80kg 右右 内野手
広部就平(ひろべ しゅうへい)3年 – 秀岳館:174cm84kg 右右 内野手
昨年に比べると破壊力に欠ける秀岳館高校打線ですが、彼らの働き次第では、強力な打線に変貌する可能性を秘ています。
まとめ
選抜大会出場も経験、中には昨年夏の甲子園も経験している選手も多いのが秀岳館高校の特徴。
甲子園に出場した選手が多いというのは、厳しい夏を戦い抜く中で、他校にはない大きなアドバンテージでしょう。
そして、近年力をつけてきたとはいえ、甲子園ではいずれも準決勝で涙を飲んでいます。
準決勝の壁を打ち破り、悲願の決勝進出、そして優勝をつかみとることが出来るのか。
そしてこの夏限りで監督の座を退くことになった鍛冶舎巧監督の花道を飾れるのか注目されます。
熊本)秀岳館、鍛治舎巧監督 今大会限りで退任を表明 2017年8月7日
2014年に監督に就任し、16年春の選抜大会から3季連続で甲子園で4強入りした。退任は1年ほど前から考えていたという。「3季連続でベスト4にも入りましたし、熊本の高校野球界の空気も『秀岳館を倒せば甲子園でいいところまでいけるんじゃないか』となってきた。やるべきことはやった」と話した。後任は決まっていないという。
鍛治舎監督はこの日午後、練習前に選手らを集めて退任することを伝え、「3年間一緒に寝食を共にしてきた。泣いても笑っても最後の大会になる。1、2年生には申し訳ないが、練習のやり方や基礎は整えた」と話した。また、熊本大会前にけがをしてベンチ入りメンバーから外れた藤本舜選手(3年)の話に触れ、「ベスト8入りすれば国体の推薦がくる可能性がある。藤本が国体に出られるよう、がんばろうやみんな」と鼓舞した。広部就平主将(3年)は「監督が最後ということもある。よりいっそう頑張って日本一を目指さないといけない」。熊本大会で全試合に出場した2年生の山下竜哉選手は「3年に上がっても監督と一緒に野球ができないのは残念。絶対優勝して監督を日本一にする」と話した。7日に予定されていた開会式と第1日の3試合は台風5号の影響で中止となり、8日に順延する。開会式が順延となるのは第96回大会ぶりで4回目。秀岳館の初戦が予定されていた第4日(10日)は1日ずれて11日に実施される予定。